一昔前のお見合いの光景で、うれしはずかしの表現として畳みに「の」の字を書くなんてえのがお芝居や川柳に出て来たりします。
で、ここラジャスタン州ビカネールの旧市街でも、道端に日よけの天幕を張りその下でしきりに「の」の字を書くおっさんがおりました。いったい何がうれしはずかしなのでしょう?実はこれ、ジャレビーというお菓子を作っているところでありまして、別に照れて「の」の字を書いているわけじゃあないのです。
ジャレビーはインド版かりんとうといったもので、溶いた小麦粉(たぶん)を油で揚げ、そいつを甘いシロップに浸したものです。
でも、形は日本のかりんとうとは違い、基本的に渦巻き模様をしています。
作り方は(見た目)簡単で、水で溶いた小麦粉(もしかしたら専用の「ジャレビーの素」や、「これなら簡単!ママ・ジャレビー」とかいうものが市販されているのかもしれませんが)を、油に「の」の字、または「@」マーク状に垂らして行くだけです。
このおっさんの場合アルミ製のツボの底に穴を開け、そこから溶いた小麦粉(またはママ・ジャレビー)をツツーっと油の中に落としていました。そしてその際に軽く手首を回し、正確に同じ巻き数で同じ大きさのものを次々と描き出しておりました。
ほどよく揚がったジャレビーは、素早く向こう側のシロップの満たされた器に投入されます。
そしてそいつをそのまた向こうにいるおっさんがすくい上げ、屋台に並べて売るといった具合です。
出来上がったジャレビーはちょっとオレンジ色っぽいツヤを出し、見るからに甘そうです。と、そんな作業を写真に撮らせてもらっていると、「味見してみな」(現地語の為、あくまでも推測)と、ひとつ紙に包んでくれました。
う~ん・・・想像通りに甘い・・・
でも今揚げたばかりのジャレビーはほどよくカリッとしていて、とてもおいしかったです。
ありがとう、ジャレビー職人のおっさんたち!
[dfads params=’groups=39&limit=1′]