いきなりジャグダルプルと言われてもいまいちピンと来ない人が多いと思いますので、まずは町の概要からご説明したいと思います。
ジャグダルプル(Jagdalpur)はチャッティースガル(Chhattisgarh)州に属します。
そもそもチャッティースガル州自体あまり知られていない州ですが、もともとは西隣のマディヤ・プラデシュ州に組み込まれていたものが、2000年11月に分離してできた新しい州なのです。
チャッティースガル州は16の地域(県)から成り、ジャグダルプルはバスタル県の中心都市(県庁所在地みたいなもの)となっています。
とは言え、ジャグダルプルには未だに民間の航空路線がなく(Wikipediaには”in 2010 Airway services start”の記述がありますが未確認)、例えばデリーなどから行く場合はまず州都であるライプール(Raipur)まで飛行機か鉄道で行き、そこからはバス(またはチャーターした車)で約300kmの道のりを移動することになります。
また東隣のアーンドラ・プラデシュ州のヴィシャカパトナムからは一日一本列車が運行されており(今回私はこれに乗ってやって来たわけです)、またバスも出ています。
とまあかなり交通の便の悪い地域なのですが、ここ(特にバスタル県)はインドの先住民族が多く暮らす地域であり、普段私たちが目にする(またはイメージする)インドとは違った文化が残る地域なのです。
そんなジャグダルプルは人口が約7万4千ということですので、日本の地方都市・・・というより地方の町といったところで、おおむねこの写真のようなのんびりとした町です。ここでの「見もの」と言えば豊かな自然と先住民族がらみのものとなります。
私の目的は主に先住民族が伝統的手法と独自のデザインで創り出す工芸品の制作過程を見ることでしたが、それを生み出し育んで来た自然にも、次第に心を惹かれて行ったのでありました。
さて、不案内な土地をやみくもに歩いても目的のものが見られるとは限りません。また先住民族など普段あまり外界との接触の機会を持たない人たち(と言ってもアマゾンの秘境とは違いますが)の生活の場に、いきなりカメラを持った異人がズカズカと入り込むのはよくなと思い、今回私はガイドを雇うことにしました。
できればガイドブックに「傑出したガイド」と紹介されていた男がいいと思ったのですが、打ち合わせのために部屋に来たのはそれとは別の男で、彼の話では「傑出したガイド」の男は先ごろ結婚をし、今はここからだいぶ離れた場所に住んでいいるので来られないということでした。
なぜそれほどまでに「傑出した」ガイドである人が、結婚したらその仕事を投げ打って遠くに住んでしまうのかということに納得がいかず、しつこく「彼がいいんだけどなあ~」と言うと、部屋に来た男は最後の手段とばかりに、「私のガイド料は彼の半分です」と言うので、値段につられて決めました。それじゃあさっそく明日からガイドを頼むので、いっちょがんばってやってくれよな、パテル(ガイドの名)!
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