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インド:まさしく王者のきらめき・インドの野鳥キングフィッシャー

         
  • 公開日:2006年12月31日
  • 最終更新日:2022年6月24日

ええ、ええ、わかってますよ。写真が見づらいんでしょ。最初に申し上げておきますが、この写真は揺れる小舟の上から300mmの望遠で素人が撮影したものを、さらにパソコン上でトリミングしたものなのです。なのでこのくらい写っていれば上等なのです。

まあ言い訳はそれくらいにしまして、内容説明を致しましょう。

この写真は「キングフィッシャー」です。
キングフィッシャーはカワセミの仲間で、体の大きさにに対して大き目のくちばしが特徴的な小型の鳥です。そしてなにより、ややグリーンがかったコバルトブルーの羽がそれはもうきれいなのです。「飛ぶ宝石」という別名に、思わずうんうんと何度も力強くうなずいてしまうくらい美しい鳥なのです。

さて、そうは言っても私は日本野鳥の会会員でもありませんし、特に鳥が好きというわけでもありません。正直、本物のキングフィッシャーを見るまでは、ビールの銘柄のひとつくらいにしか思っていませんでした。

そんな私が、ビールではないキングフィッシャーと出会ったのは、ケララ州のコーチン(コチ)で乗った小舟の上でした。
桟橋を離れた小船は、やがて椰子の生い茂る場所に出ました。そしてそこで運命の出会いがあったのです。

ぼんやりと椰子のジャングルを眺めていた私の視界に、青く光る「何か」が横切りました。
「ん?」と思い、その光跡を辿って見ると、水面に突き出た棒くいの上に、小さな鳥が止まっていました。そしてそいつは、南インドの強い日差しを浴びて、コバルトブルーに輝いていたのです。
私はそいつを食い入るように見つめました。そしてそれが、あのビールのラベルにある鳥とそっくりだということに気付いたのです。

「キングフィッシャーだ・・・」

私はすぐにカメラのレンズを望遠に換え、狙いを定めてみたのですが、キングフィッシャーはこらえ性がない性格なのか、さっと飛んではまた別のところに止まるということを何度か繰り返した後に、どこかへ飛んで行ってしまいました。

それから私はカメラを握り締め、キングフィッシャー探しに没頭しました。
しかしインドにもキングフィッシャーはたくさんいるというわけでもないのか、なかなか出て来ません。
それでも私は、日差しを遮るもののなにもない小舟の上で、カメラを汗でベトベトにしながら待ったのです。

で、ようやく撮れたのが上の写真というわけなのです。

なので「あんましきれいに見えないんだけど」とか、「これボケてんじゃん」とか、「それよりさあ、タンドーリチキンの話題とかのがいいんじゃないの?」とか言ってはいけないのです。

こういう写真を見た後で本物を見ると、さらに美しく感じることができるからいーんじゃない?ということで、この場は穏便にお納め頂きたいと切にお願いする次第なのであります。

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