マドライのインテグレーテッド・バス・スタンドに到着したのは夜の8時半だった。ちなみにインドでは大きなバスターミナルを「バススタンド」と呼ぶ。
バスがステーションにゆっくり入って行くと、何人もの男たちがなにやらわめきながらバスに並走して来た。どうやら彼らはバスの乗客目当てのオートリキシャの客引きらしいのだが、私にはその光景が大きな獲物を狙うオオカミの群れに見えた。
しつこい客引きを振り切るようにして入ったバス・ステーションの建物の中はとても賑やかで、たくさんのお店が建ち並ぶ通路を、これまたたくさんの人々が行き来している。私はここから市バスで鉄道駅を目指す予定なのだが、想像以上に大きなバス・ステーションに少々戸惑ってしまった。
ずいぶん前置きが長くなってしまったが、一度気持ちを落ち着かせるために、そして自分のコレクションを増やすために、ここで体重測定となるのである。体重計の前にはバス待ちの乗客がたくさんの荷物とともに座っていたが、体重計を指差して「ちょっとこれに乗りたいんだけど」と言ってどいてもらい、よっこらしょと乗っかり、かちゃりとコインを入れた。そしてこれが今回の体重計カードである。押されていた数字はちょっと読みづらいが68.5kgである。
ここのカードの表面は白くてつるつるしていて、裏にはなにも印刷されておらず、まるでボール紙のようである。
それでも表面には占い(らしきもの)が印刷されていて、その「Be careful what start doing anything」というのがどうにも暗示的で、ちょっと身構えてしまったのであった。
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