〔当時のメモより〕 *金額に関しては当時1ルピーが約2円だったので、ただ単に2倍にすれば円価になります。 2010年3月26日(金) アーマダバード 晴 朝28℃ 日中33℃ 廟を出てさらに先に進むとまたしても門があり、たくさんのチャッパルが脱いであった。 近くの人に「ジャマー・マスジッドか?」と聞けば「そうだ」との答え。 時に金曜日の昼の礼拝時間とあって次々に信者が集まって来ており、広場中央の水場では信者たちが手足や顔、口などを清めていた。 本堂では聖職者による説教が延々と続いており、スピーカーを通して辺り一帯に流されている。 その間にも信者は続々と集まり、水場へ続く細長いカーペットの上を、そして水場から本堂へ続くカーペットの上を、一列になって巡礼のように進んで来る。 礼拝の時間を記したと思われる看板には「2:00」の文字があり、現在時刻1:50なのでしばらくそのまま待つ。 一向に一斉礼拝の始まる気配がなく、しびれを切らして左側の回廊からじわじわと出口方面へ移動。 そうこうするうちあの「アッラー!アクバル!」の掛け声が響き渡り、一斉礼拝が始まった。 靴番のばあさんにRs.10あげた。 再びアフマド・シャー廟の前を通り市場へ 喉が渇き、ティーン・ダルワーザ近辺をうろうろし、ようやくジュース屋を発見。オレンジジュースRs.10 近くの店でコーラとポテトチップRs.33を買いホテルへ フロントでタオルの交換を頼むが夜まで待てとのこと。どうやらここで洗っているらしい。 メロンを食べる。まだ熟れてないようで、あまりおいしくなかった。 |
【以下の解説は2012年10月3日のものです】
〔以下メモに解説を加えて〕
2010年3月26日(金) アーマダバード 晴 朝28℃ 日中33℃
廟を出てさらに先に進むとまたしても門があり、たくさんのチャッパルが脱いであった。 一瞬本当の廟の入り口はここで、敷地内で靴を履いていることを咎められてしまうのではないかと思ったが、さにあらず、門の先に大きく立派な建物が見えた。
「チャッパル」とはサンダルのこと。アフマド・シャー廟は旧市街の真っただ中にあるため、周りの景色とすっかり同化した感じで、門の近くにたくさんのサンダルが脱いであるのを見た時には、自分がうっかり土足で廟の敷地内に侵入していたのではないかと思い肝を冷やした。しかし門の先に石敷きの広場と大きな古い建物を発見した時、やはりここは「外」であったのだと知りホッとした。
近くの人に「ジャマー・マスジッドか?」と聞けば「そうだ」との答え。 何の予備知識もなしにいきなり目の前に現れた古いモスクは感動的ですらあった。
「ジャマー・マスジッド」とは「金曜モスク」という意味。イスラム教徒が金曜日に集団礼拝するためのモスクということで、同名(で呼ばれる)のモスクはイスラム圏各地にある。アーマダバードのものは1424年に創建された。 入り口で中へ入ろうかどうかためらっていると、その辺にいた人たちが「入れ入れ」と言うので靴を預けて入ることにした。
時に金曜日の昼の礼拝時間とあって次々に信者が集まって来ており、広場中央の水場では信者たちが手足や顔、口などを清めていた。
今日はまさに「金曜モスク」のその金曜日であった。しかもちょうどこれから集団礼拝が始まるところらしく、後から後から門をくぐって信者たちが集まって来る。そして広場中央に設置されたプールのような水場で身を清めると、礼拝所である本堂へと向かって行くのであった。
本堂では聖職者による説教が延々と続いており、スピーカーを通して辺り一帯に流されている。 本堂の入り口付近に立ち、信者たちをしばらく眺める。
本堂を覗くとちょっと奥まった所に聖職者らしき老人が鎮座し、マイクに向かってなにやら話していた。その声は先ほどからずっと広場に流されていたのだが、私は録音されたものを流しているのだろうと思っていたので、生で話している光景を見て少々驚いてしまった。
その間にも信者は続々と集まり、水場へ続く細長いカーペットの上を、そして水場から本堂へ続くカーペットの上を、一列になって巡礼のように進んで来る。
モスク内は土足厳禁なのでみな裸足である。この時私は靴下を履いていたのでそれほどでもなかったが、陽に照らされた石の床はさぞ熱いことであろう。そのためかそれともそうすることが決まりなのか、信者たちは石の床に真っ直ぐに敷かれたカーペットの上を一列で歩いていた。そしてその姿が礼拝の神聖さをさらに高めているように思えた。
礼拝の時間を記したと思われる看板には「2:00」の文字があり、現在時刻1:50なのでしばらくそのまま待つ。 しかし聖職者の演説はなかなか終わらず、それどころか次第に語調が激しくなって来てアジ演説のようで聞いていて怖い。
イスラム教徒は一日に五回礼拝を行うが、その正確な時間は場所によって違う。ここでは昼の礼拝は午後2時のようだった。せっかくこの時に居合わせたのだから、大勢の信者たちが一斉に礼拝する壮観な光景を見たいと思って待っていたが、聖職者の話しは終わるどころか次第にヒートアップして来ているようで、異教徒である私はだんだん居づらくなって来た。
一向に一斉礼拝の始まる気配がなく、しびれを切らして左側の回廊からじわじわと出口方面へ移動。 遠目から本堂を眺めているとじいさんに話し掛けられた。 「どこから来た?」の問いに「日本」と答えると、すかさず「ヒタチ」と言う。こちらも返礼とばかりに「パナソニック、トヨタ」と言うと、「おお、そうだそうだ」と嬉しそうである。おそらくじいさんは「日本製品は優秀だ」と言いたいのだと思うが、次に「CCDカメラ」と言いながらモスク内の四ヶ所を指差す。そんなセキュリティーに関することを外国人に教えてしまってもよいのだろうか?
結局炎天下にじっと待ち続けることに耐えられなくなり、広場の周囲に巡らされた回廊の屋根の下へ逃げ込んだ。まったく修行が足りないのである。 回廊の日陰を伝って出口近くまで移動すると、そこにいたじいさんがいろいろ話し掛けて来たのだが、この人は本堂にも行かずこんなところで無駄話をしていていいのだろうか。またその付近には女性(おばちゃんだったけど)の姿も見られた。金曜礼拝は成年男子には義務付けられているが、女性は各自の気持ちに任されているらしい。しかし本堂には女性の姿を見かけなかったので、そこには立ち入れないのかもしれない。
そうこうするうちあの「アッラー!アクバル!」の掛け声が響き渡り、一斉礼拝が始まった。 その声を聞きながらモスクを後にした。
まだ話したそうにしているじいさんをやんわりと振り切り出口へ向かうと、そのタイミングでようやく一斉礼拝が始まったようであった。しかし本堂は遠く、足はすでに出口へ向いていたので、アッラー!アクバル!の声を背に門を出たのであった。
靴番のばあさんにRs.10あげた。 信者たちのチャッパルが山と積まれていたが、自分の靴はその一番上にあった。
おそらく観光客などほとんど来ない(いや、ここに限った話でなく、アーマダバード全体に言えることなのだが)ので、本来靴の預け賃はいらないと思われたが、信者たちが脱いでいったサンダルが山のように積み上げてある中で、私の靴がその頂点に君臨するように置かれていたため、番をしていたおばちゃんに10ルピー渡した。ここでは素直に受け取ってもらえた。
再びアフマド・シャー廟の前を通り市場へ 右に回り込むとカチュマルの入っている果物市場。その前にもたくさんの露店が並ぶが、露店が背にしている壁がジャマー・マスジッドの外壁のようだ。
昨日は適当に歩き回ってたどり着いた「カチュマル」だったが、今日はジャマー・マスジッドという大きな目標物を基準に見つけたので、ようやく位置関係がわかった。ジャマー・マスジッドの正面から見て右に二回折れた辺りが各種食品(食材)の市場ということで、つまりそこはジャマー・マスジッドの向かって左側になるのである。
喉が渇き、ティーン・ダルワーザ近辺をうろうろし、ようやくジュース屋を発見。オレンジジュースRs.10 プラスチックの使い捨てカップだが、ジュースの量が少なそう。塩と氷も入れてくれた。
生搾りジュースはおいしいのもさることながら、塩などを適度に加えてくれるので、この国(街)の気候に合っているのだと思う。氷の危険性についてはいろいろなところで注意喚起が行われているのであえてここには書かないが、初めは警戒して可能な限り「氷抜きで」と言っていたのが、慣れて来るとやはり氷で冷やされてる方がいいと思うようになり、さらには氷をガリガリ噛んで食べてしまったりするようになるのである。危ない危ない・・・
近くの店でコーラとポテトチップRs.33を買いホテルへ
私はコーラとM社のハンバーガーは日本ではまず食べない(飲まない)のだが、なぜかインドではよく食べる(飲む)。ポテトチップもあまり日本では食べないが、インドではこんなものを「夕飯」にしてしまったりして、まったく不健康だったらありゃしない。
フロントでタオルの交換を頼むが夜まで待てとのこと。どうやらここで洗っているらしい。 それにしてももう少し枚数を用意しておかないものだろうか。
安いホテルではこちらから要求するまで何のサービスもしないということがよくある。このホテルもそうで、二泊目なのにバスタオルを交換してくれない。で、フロントに言ったところ、今は替えがないとのことだった。「ここで洗っているらしい」と書いたが、実際は出入りの洗濯屋に出しているのだろう。でも出したものが返って来るまで替えがないとはちとひどい。もっともバスタオルがあるだけシアワセと思わなければいけないのかもしれないが。
メロンを食べる。まだ熟れてないようで、あまりおいしくなかった。
昨日カチュマルで買ったメロンを食べたが、残念ながらあまりおいしくなかった。しかしこれがポテトチップとコーラという夕飯に彩りを加えてくれた。はたしてこんなんで下痢は治るのか。