インドにもテレビはあります。もちろんカラーです。
それどころかチャンネル数もものすごくたくさんあります。
これは放送衛星のお陰でありまして、放送衛星が打ち上げられる前は、え~と・・・何チャンネルあったんだろう?
とにかくチャンネル数は少ないし、娯楽番組も少なかったのです。
ところが今は新聞のテレビ欄に載ってるだけでも30を越えるチャンネルがあります。
日本でも各種衛星放送やケーブルテレビなどと契約をしていれば、それ以上の数のチャンネル数を保有することになり、さらにテレビにDVDプレーヤーをつなぎ、ビデオもVHS、ベータ、8mm等をつなぎ、ついでにめったに見なくなったレーザーディスクプレーヤーもつなぎ、それでも足らずにプレイステーション、ニンテンドー64、エポック社のカセットビジョン等のゲーム機をつなぎ、いったい一生の内にそんなに見られんのかよ! とつっこみたくなるくらいの選択肢がありますが、私の家はふつーの地上波とNHKのふつーの衛星放送(ハイビジョンじゃないやつです)だけなので、全部あわせても・・・え~と・・・
NHK総合、NHK教育、日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、東京12チャンネル、テレビ神奈川、そして衛星放送のふたっつですから、全部あわせても10チャンネルですね。
しかもNHKは同じ放送が多いから・・・・って、日本のテレビの話をしていたんではありませんでした・・・すんません。
とにかく私の場合は、普段の生活よりインドにいた方がテレビ番組の選択肢が増えるので嬉しいです。
あの暑い日中を乗り切り無事ホテルに帰り着くと、まず始めにするのはホテルのロビーにある新聞をあさることです。
なぜか私の部屋だけ朝刊のサービスがないので、テレビ欄を手に入れるためにはそうするしかないのです。
もちろんフロントの係りの人に断ってから新聞をもらうのですが、部屋には新聞を届けてくれないくせに、「新聞もらっていい?」と聞くと毎回、
「もちろんです! ぜぇ~んぶあなたのものです!」
なんて調子のいいことを言うのです、あいつら。
何はともあれロビーにある公共の新聞をもらうわけですが、表紙に大きなホテルのスタンプが押され、すでに何人もの人に読まれてちょっとくたびれた新聞をがさがさ物色するのは、プライドの高い人間にはできないことです。
あっ、私は平気ですよ。ぜんぜん。
まあそんな感じでようやく自分の部屋に戻り、シャワーを浴び、ビールを用意してテレビの前に座る・・・そんなひと時がすごく幸せに感じるのです。
さて、それではインドではいったいどんな番組が見られるのでしょうか?
ちょっと手元にある新聞のテレビ欄を見てみましょう。
2004.4.17(土)の「Hindustan Times」紙より
ふむふむ・・・
さすがは映画大国インドです。テレビでも映画番組が目立ちます。
( STAR MOVIES / HBO / ZEE MGM / STAR GOLD などなど)
さらに映画音楽をばんばん流す番組や、映画音楽自体のCD、DVDのコマーシャルなどもあり、全テレビ番組の中で「映画関係」の占める割合は相当に高いものがあります。
これをわかりやすく説明しますと、関西地方のテレビ番組で「お笑い番組」が占める割合と同じと言ってもいいでしょう。
なにしろ関西地方に行ってテレビのスイッチを入れると、最初に映し出される番組は、ほぼ間違いなくお笑い番組なのです。
しかも関東地方では見たこともない芸人が、見たこともないギャグを繰り出して客席を沸かせているのです。
最近はどんな人が関西で受けているのでしょうか?
「おかる」という人はまだいらっしゃるのでしょうか?
おっと、インドのテレビ番組の話をしていたのでした・・・
え~と、つまりインド人の映画好きは、関西人のお笑い好きくらいすごいということを言いたかったわけです。
先日のインド滞在でもテレビの映画番組を何度か見ました。
ただインド映画は本編が3時間もかかる上に、テレビの宿命として途中でCMをはさみますので総放送時間が異常に長いのです。
たとえばアイシュワリヤ・ラーイ主演の「Dil Ka Rishta」という映画をテレビで放映すると、8時に始まって11時を過ぎてもまだまだ終わらないのです。4時間近くかかります。
なにしろ間にはさむCMを、それはそれはすっごく長い時間流すので、途中で映画を見ていたことを忘れてしまい、チャンネルを他の番組に変えてしまうくらいなのです。まったく逆効果です。
さらに私の場合はビールを飲みながら見ますので、酔って眠くなってしまい、だいたい途中で見るのをあきらめてしまいます。
結局前回のインド滞在中、初めから最後までちゃんと見たのは、比較的早い時間帯にやっていた洋画の「Black Rain」だけでした。
ご存知の方も多いかもしれませんが、この映画はマイケル・ダグラス主演で、ロケ地が大阪、日本側の俳優も高倉健を始めとして多数出演している映画です。
実は私はこの映画を見るのはこれが二度目だったのですが、一度目は南インドのコーチンのホテルでだったのです。
従いまして両方とも字幕なしの英語放送でしたので、ほとんど何を言ってるのかわからず、一番よくわかったのは逮捕されたヤクザ役のガッツ石松がマイケル・ダグラスに向かって言う、
「英語わかんねぇーんだよ!」
でした。
あらら・・・またインドのテレビと関係ない話に・・・
えーと・・・インドのテレビ番組はなにも映画だけではありません。
関西のテレビ番組だってお笑いだけではないでしょう。
クイズ番組やバラエティー番組、それからドラマなどもあります。
ニュースだってCNNやインドのニュース専門チャンネルNDTVがありますし、宗教関係の専門チャンネルや、隣国パキスタンの放送、サウジアラビアの放送なども見られます。
また場所によってはNHKの海外向けの放送が見られることもあります。
(もしかしたら高級ホテルでは見られるのかも?)
とにかく今のインドのテレビ番組は、かなり充実していると言えるでしょう。
あとまだ足りないものがあるとしたら、関西系お笑い番組でしょうか・・・