暦の上では・・・
ゴールデン・ウィークも終わりまして、今週は社会復帰に苦労された方も多いのではないでしょうか。
今年は曜日の並びから連休が取りやすく、私も生意気に連休を頂き行楽に出掛けて参りました。
行き先は浅草です。
晴天に恵まれた5月3日、先手必勝!とばかりに早めに浅草の駅に降り立った私ですが、ゴールデン・ウィークのさなかの午前10時半はぜんぜん「先手」などではなく、もうまったく「必勝」とは程遠い状況でした。
すでに雷門の前には大勢の人が群がり記念写真を撮っています。
そしてその群集の中で、人力車夫のマッチョなお兄さんたちが客引きをしていました。
言うまでもなくこの人力車は観光用のもので、お客さんを乗せて浅草寺界隈をぐるっと周って見せるもので、「おい、ちょいとな、八つ山下までやってくんねい」なんて言っても行ってもらえません、たぶん。
そんな通称「雷門」、正式にはなんて言うのか分からない門をくぐりますと、浅草寺まで両側にびっしりとお土産屋が並ぶ仲見世通りが続いているわけですが、そこもすでに人があふれているじゃあないですか。
早くもすっかり気後れしてしまった私ですが、せっかく浅草まで来たのですから、お参りくらいはしたいものです。
そこで私は深呼吸一発、覚悟を決めて人波をかき分けかき分け進み始めたのでございます。
ゴールデン・ウィークの浅草仲見世通り縦断は、口では表現できないほどの難事業であり、実際途中で何度も何度も縦断をあきらめかけたのでございますが、その都度後ろを振り返ると、そこにも大勢の人がおり、帰るにしてもまたあの人波をかき分けていかなきゃならないのかと思えば、まだ前進の方が楽かもね、なんてことを思いながら泳ぎきったのでありました。
狭い仲見世通りから浅草寺の境内に入りますと、人の波が分散されようやくのことで圧迫感から開放されました。
そして少しゆったりとした気分で周りを見渡しますと、おおっ、境内には小屋掛けのお休み処がたくさん立ち並んでいるじゃないですか。おでんにヤキトリ、イカ焼きに焼きそば・・・そしてビール!
小屋の中を見ればすでにお客さんが入っていて、中にはもうビールを飲んでいる先手必勝組の人たちもいるじゃあないですか。あの人たちはいったい何時に来たのでしょうか?
とにかくこちらもうかうかしてはいられません。時間が経てば経つほど人は増え、お昼ご飯を食べることもままならなくなってしまうでしょう。
では、さっさとお参りを済ませてしまいましょう。
広い境内は人波もなく比較的ゆったりしていたものの、浅草寺の本堂はまたまた人であふれていました。
お参りを済ませた人と少しずつ入れ替わりながら、やっと賽銭箱の前までたどり着き、お金を投げ入れすかさずパンパンとかしわ手を打っ・・・ちゃあいけないのでした。ここは神社じゃなくてお寺なのです。そっと両手を合わせてお参りするのです。
ところが私のように勘違いをする人が多いようで、あちらこちらからパンパンという音が聞こえて来ます。でもさすがに十字を切る人や五体投地する人はいなかったようでした。
お参りの後はおみくじと相場が決まっています。どれ、私も引いてみましょうかねえ。
ここのおみくじは無人店舗形式になっていて、おみくじ台の料金入れに100円玉をちゃりんと入れたのち、八角柱状の木製容器をバーテンダーよろしくシャカシャカ振り、えいやっ!とばかりに逆さにするや、頭を覗かせたる竹の棒を引き抜き、そこに書かれた番号と同じ番号の引き出しを開け、その一番上にあるおみくじを自分で取り出すというシステムになっています。
しかしそんなセルフサービスのおみくじを知らない人は、その番号だけ見て、「あら、あたしの今日の運勢は二十四番だわ。ちょーラッキー!」とか訳のわからないことを言ってしまわないとは限りません。
さらに外人さんなどは、漢数字で書かれた番号の意味さえ分からず、「ナニカ、イミアリゲナ、ショーケイモジガ、デマシタ」とか言いながら、その竹の棒を持ち帰ってしまったりするでしょう。浅草寺の人たちは、たまに八角の箱を開け、全部の数字がちゃんとそろっているか確かめなくていけません。
で、
私のおみくじは「半吉」でした。
ここで「凶」でも出れば話のネタにもなりますし、「大吉」なら嬉しい限りなのですが、なんとも半端なものが出たものです。
しかし「小吉」や「末吉」というものは知っていましたが、「半吉」というものは知りませんでした。英語で言えばハーフ・ラッキーです。
それでも多少は「吉」が残っているのだからと内容を見ますれば、あらら、なんだかちっとも良いことなんか書いてありません。待ち人は来ず、失せものは出ず、家移りよろしからずでは、今日はビールにもありつけないかもしれません。
そんな不吉なおみくじを「おみくじ縛り棒」に結わいつけ、本堂の脇に出てみれば、なにやら黒山の人だかり・・・
はて?なんだろう?と歩み寄れば、おおっ、おサルの次郎だ。
そこではかつてテレビなどでも人気を博した「反省猿」次郎が、芸をしている真っ最中でした。
なんだ、「半吉」の私にもまだまだ運が残っているじゃあないか。こうして思わぬところで猿回しが見られたんだもんな。
予想を上回る人波と、期待を裏切るおみくじで少し疲れていた私は、次郎のすばらしくも愛嬌たっぷりの芸で次第に癒されて行ったのです。
がしかし、その時私はまだ、猿回しの最後の出し物が、観客からお金を集めることとは知らなかったのであります。
おい次郎よ。
途中から見始めた私から、千円も取るんじゃない。反省せよ。
あー、半吉だから半分しか見られなかったのか。
納得。
*このメルマガの後半へ続く
〔本題〕実際のメルマガではここに新着情報などが載ります。
*このメルマガの前半からの続きです。
さて、ここからはインドの話題です。
前回からインド特派員としてさっそうと登場した「チョロチョロちゃん」から、またメールを頂きました。
さてさて、今回はどんな話題が飛び出すのでしょうか。楽しみです。
隊長!
チョロチョロです。
おかげさまで日本に帰ってきました。
やはり日本はいいですね!
なにもかも美味しく!最高です。
ありゃりゃ、帰って来ちゃったんだ・・・
それは残念、あっ、いや、お帰りなさい!
そうでしたか、すでに灼熱地獄と化してるデリーから、薫風さわやかにして新緑やさしい日本に戻られては、さぞかしほっとしたことでありましょう。
ぜひ美味しい日本の味覚を堪能され、早くインドに戻って下さい。
と、そんな願いが通じたのか、つい昨日、
こんにちは。
無事にインドへ帰国しました。
かなり気温が上がっていて、びっくりしました。
とのメールが入りました。
無事にインドに帰国(?)したようで実によかったです。
あのまま居心地のいい日本に残ると言い出したらどうしようかと心配しておりましたが、またあの地獄、いえ、心も気温もホットなインドへ戻られたと聞き安心致しました。
と言うわけで、デリーはいよいよ本格的な酷暑季に入って参りました。
チョロチョロちゃんからのメールには気温が書いてありませんでしたが、いろいろなところからの情報を総合してみますと、連日45度近い気温になっているようです。
私もよく酷暑季にインドに行くのですが、それはそれはかなりあぢーです。
40度でももちろん暑いのですが、45度に達するとまた一段と暑さを感じます。
そりゃああたりまえじゃん!と言うかもしれませんが、なんか45度というのは40度とは段違いに暑いのですよ。
うーん・・・たとえばね、その差をスポーツに置き換えるとですね、40度というのがフルマラソンだとしたら、45度というのはお相撲さん着ぐるみ仮装フルマラソンみたいなもんなのです。
で、40度がドーバー海峡横断遠泳だとしたら、45度はお相撲さん着ぐるみ仮装ドーバー海峡横断遠泳みたいな感じになるのですよ。
まあつまりが、気温が45度に達すると、体になんか余計なものを付けてるくらいだるく感じるというわけなのです。
そんな気温の中、インドの情報をお待ちしていますよ、チョロチョロちゃん!
それでは今回は、チョロチョロちゃんが日本帰国前に送ってくれたメールからインドの話題をお伝え致します。
えーと・・・まずは、
コンノートプレイスにあるインターコンチネンタルザグランドが、近々リニューアル工事をするようです。
デザイナーは、トライデントヒルトングルガオンをも手がけた建築家でいまでも立派なホテルなのに、もっとビジネスマンにとって良いホテルに生まれ変わるそうです。
ということなのですが、これは私にとっては無縁クラスのホテルの話題ですので、残念ながらコメントできません。
でも、このメルマガをお読みの方の中には、もしかしたら「おおっ、そうかあ!あのインターコンチネンタルザグランドがリニューアルされるのかあ!」と、この情報を喜ばれる方もいないとも限りませんので、貴重な情報としてお伝え致します。
しかしリニューアルも良し悪しがありまして、きれいになるのは良いのですが、その分料金が高くなってしまうのが難点です。
やはりコンノートプレースにほど近いパークホテルというのも、リニューアル前にはツインルーム(2名使用)で90ドル(これは特別料金ですが)で宿泊できたものが、今ではその倍出しても泊まれません。下手したら3倍くらいしてしまいます。
とにかくインドは近年ぷちバブルっぽい景気で、インド人の旅行熱も高まっているようです。
そのためかデリーでも大小のホテルが建設、リニューアルラッシュでして、料金も上昇気味のようです。
私の様な者にとっては、あまり良くない傾向にあるのであります。
では、次の話題です。
地下鉄の南デリー線の路線が、どうやら(私の拙い英語力でざっと読む限り)クッタブミナールは世界遺産なので、その周辺の土地を陥落してはいけないということで大回りした路線になるようです。
ほうほう、なるほど。
昔からは想像できないほどの急速なピッチで工事が進められているデリーメトロですが、その建設にはやはり様々な問題があるようです。
クトゥブミナール、あっ、これはチョロチョロちゃんのメールの中の「クッタブミナール」のことです。これに限らず地名などのカタカナ表記は、私とチョロチョロちゃんでは多少の違いがあるかもしれませんが、何卒ご了承下さい。
ちなみに特派員の名前「チョロチョロ」は、ヒンディー語で「行け行け」とかそんな意味なのですが、私の耳にはそれが「チャロチャロ」と聞こえます。
えーと、とにかくそのクトゥブミナールというのは、デリーの南部にある石塔で、高さが72.5mあります。
ミナールというのは塔という意味で、クトゥブというのは昔の王様の名前です。つまりクトゥブミナールは「クトゥブさんの塔」という意味なわけです。
そもそもこの塔はもっと高さがあったものを、飛行機事故(どのような事故なのかは知りませんが)で先っぽを無くしてしまったということなのです。
そしてまた今回無理をしてデリーメトロを近くに通し、それがために倒壊などに至ってしまっては、近代の交通手段による世界遺産の破壊という前代未聞の事態になってしまうわけです。
インド政府やインド観光協会、並びにクトゥブミナール保存会、さらにはクトゥブミナール商店会、クトゥブミナール祭実行委員会などは、何としてもそんな事態は避けたい!と思うのは無理もないことなのであります。
そんなわけで大回りのルートを余儀なくされたデリーメトロではありますが、その路線は当初の計画より伸ばされ、将来はデリー郊外の新興都市ノイダやグルガオンにも達するという情報もあります。
こんな風にデリーはどんどん便利になり、そしてつまらない都会になってしまうのでしょうか。
そんな変貌振りは、今後のチョロチョロちゃんからの情報にご期待下さい。
以上
さて、そんなこんなでお送りして参りましたこのメルマガも、お蔭様を持ちまして今回200号を迎えることができました。
先日メジャーリーグのイチローが日米通産400盗塁を達成し、昨日は横浜ベイスターズの石井選手が2000本安打を達成致しました。
私のメルマガはそんな偉業を引き合いに出すほど立派なものではございませんが、こんなくだらない内容でよくまあ200回(約4年)も出したものだと自分でも呆れております。
そんなメルマガにお付き合い頂いております皆様に、この場を借りて一言御礼を申し上げさせて頂きます。
いつもメルマガをお読み頂き本当にありがとうございます。
そしてまた、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
そんなわけで、私のバカの一念はまだまだ続くのであります。
では、また来週!