ラクダ隊商の隊長こと松本です。
その後いかがお過ごしでしょうか。
暦の上では・・・
夏至です。
この時季は梅雨に入っておりますので、通常ならあまりお天道様の顔を見ないはずなのですが、今年はあまり雨が降らないですね。
なので夏至前後の一番強烈な太陽光が容赦なく降り注ぎ、夏好きの私と致しましては嬉しくって庭駆け回り、ネコはコタツで丸くなっているわけです。
しかし本当に雨が降りません。
特に関西ではすでに節水対策を取り始めていて、たとえばガソリンスタンドで洗車機の使用をやめたりしているとのことです。
まあまずは人間が使う水の確保が優先ですから、車を洗うのはしばらくは我慢した方がいいでしょう。
そりゃあいつも車をきれいにしておくのはいいことですが、車は洗わなくったって臭っては来ませんし、痒くなることもないでしょう。
車を汚くしておいて困るのは、指で落書きされてしまうことくらいでしょうか。
私もかつてホコリだらけにしていた愛車に指で落書きされたことがあります。
で、しばらくしてから洗車してみましたら、落書きのあとがうっすら残っているではありませんか。
どうやら指で落書きするときに、積もったホコリが研磨剤の役目をして、ボディにその跡を残してしまったようでした。
そんなわけで私の車は廃車処分にされるまでずっと、ボディに「マジックザギャザリング」と、当時子どもを中心に流行っていたトレーディングカードの名前を刻み込んだまま走ることになってしまったのであります。
マジックザギャザリングカードの発行元は、私に広告料を支払うべきです。
しかしなんでまた、「マジックザギャザリング」だったのでしょう。
まあ、「ばか」とか「アホ」とか書かれるよりはいいか・・・
それではここからはインドのお話しです。
まだビカネールのお話しをやっております。
【前回までのあらすじ】
いよいよビカネールの市内観光へ繰り出さんとするも、迎えの車は一時間の遅れ・・・あれ?これはブログの方の進行状況だな・・・
えーと、メルマガは・・・あー、わかったわかった。
ランチの後の時間つぶしに訪れた「王家の墓」はあまりおもしろくなく、いよいよこれから待望のラクダ牧場へと向かう我われだったのである。
【あらすじおしまい】
ラクダ牧場はビカネール市の郊外にあります。
「王家の墓」からは、そのまま砂漠を横切る細い道路を通って行けるようで、アンバサダーは幹線道路からそれると、薄茶色の砂の大地を真っ直ぐに切り裂いて延びる細い道路を走り始めました。このドライバー氏は実に道をよく知っています。
まあ、そもそもこのラクダ牧場もドライバー氏からの情報で知ったのです。
ビカネールへの道すがら、ドライバー氏はビカネールのことをいろいろ教えてくれたのですが、その中のひとつがラクダ牧場だったわけです。
で、私がそれに興味を示すと、すかさずドライバー氏は、
「ラクダにも種類があるのをご存知ですか?」
と聞いてきました。
なにを言っちゃってくれちゃってんでしょう、この人わあ。ラクダの種類なんて子どもでも知ってることじゃないですかあ。
「ヒトコブラクダとフタコブラクダでしょ」
と私が答えると、ドライバー氏は苦笑いをして、
「いえ、そうではないのです。そもそもインドにいるラクダはヒトコブラクダなのです。そのヒトコブラクダに、いくつかの種類があるのです」
などと言うのですよ。
知ってました?
それで「どんな種類があるの?」と聞けば、「それは現地で実際に見て下さい」などと逃げるわけですよ。
なんだ、きっとたいした違いじゃないんですよ。たとえば天然物のヒトコブラクダと養殖物のヒトコブラクダとか、よっぽどのラクダ通じゃなきゃわからない程度の違いなのでしょう。
しかし個人的にラクダには興味があるものですから、このラクダ牧場見学は結構楽しみなのであります。
*このメルマガの後半に続きます。
〔 中略 〕
*前半からの続きです。
ラクダ牧場(実際は「Camel Farm」という名称でした)はラクダの繁殖や調教、そして更なる有効利用などを研究する目的で設立されているのです。
まあ日本がマグロを研究をするのと同じようなものかもしれません。
より良くラクダを理解するために、ちょっと高い(120ルピー)なあとも思ったのですが、ガイドを雇うことにしました。
ガイドの男は垂れ目で、少し長めの顔がどことなくラクダに似ていました。
犬やネコでも飼い主に似る(または似ている)ということが良くありますが、この男も飼い主に似て・・・って、ラクダの仕事をしているとは言え、ラクダに飼われているわけではないのでそれは失礼でした。すまんすまん。
さて、まずはラクダ舎へと歩きながら、ラクダの基本的な特徴の説明です。
曰く、
ラクダの妊娠期間は約14ヶ月、通常一回に一頭の子どもを産み、一生で5から7頭の子どもをもうける。
子どもは約36から40kgで生れ落ち、約14ヶ月ミルクで育つ。
成長したラクダは一日に50kmを歩き、300kgの荷を積むことができる。
一日50から70リットルの水を飲み(夏場)、10から15kgの干草を食べる。
そして寿命は約25年である。
ほっほお~、知らないことだらけだ。
さらに男はラクダの鳴き声を真似て見せてくれました。
その鳴き声を文字で表現するのは非常に難しいのですが、そうですねえ、喉から搾り出すような声と申しますか、ちょっと汚い表現ですが、ゲロをですね・・・いえ、その、えーと、一度食べたものを吐き出す前の、あの声にならない声ってあるじゃないですかあ。ああ、風邪ひいてお医者さんに行った時、金属ヘラで舌の奥を押し下げられて喉を診られることってあるじゃないですかあ。で、そんとき「おえっ!」って言いますよね、ねっ、言うでしょ。
とにかくそんな「空ゲロ」とでも申しましょうか、まあそれをもっとすごくした「うおっっえぇぇぇ~」というようなですね、そんな心の叫びの様な、思わず涙ぐんでしまうような、とにかくそんな鳴き声なんですよ、はい。
その他にも唇をブルブル振るわせるような鳴き方なども披露されながら、私たちは最初のラクダ舎の前まで来たのであります。
つづく
今回はラクダの基本情報で終わってしまいましたが、来週はいよいよラクダとご対面です。
それまでにみなさん、ラクダの鳴き声ができるようにしておいて下さい。
それでは今週はこの辺で失礼致します。
また来週!
うおっっえぇぇぇ~!