ラクダ隊商の隊長こと松本です。
その後いかがお過ごしでしょうか。
暦の上では・・・
「風薫る五月」という言葉が実感できるような爽やかな季節です。
しかし早くも光化学スモッグなんてものが発生してしまいました。
かと思えば、突然風が吹き始めたかと思えば激しい雷雨となり、さらに雹まで降ってきたりなんかして、自然界の方もいろいろと慌しくなっております。
でもって人間界でもハシカが流行っているそうで、大学なども相次いで休校する騒ぎになっております。さらにワクチンの不足も懸念されているようで、こちらもかなり慌しい状況になっておるわけです。
私は幼稚園の終わり頃ハシカにかかり、そのお陰で卒園式に出ないで済んで嬉しかったのを覚えております。
なにしろ卒園証書のもらい方、そう、あの真っ直ぐに伸ばした腕を左右順番にさっ!さっ!と差し出したり、お辞儀をして回れ右をしたりといった一連の動作がうまく覚えられなかったものですから、卒園式が怖くて怖くて仕方がなかったわけですよ。
なので卒園式間近にハシカにかかったことは、私の人生の中でもかなり嬉しい出来事に入るのです。あー、よかった。
でも、今は卒園、卒業のシーズンではありませんので、みなさん充分に気をつけて、ハシカにならないように致しましょう。
えー、それではここからインドの話題、「ビカネールの旅」の続きです。
いつものように、あらすじからどうぞ。
【前回までのあらすじ】
ビカネールからさらに30km進んだ砂漠の只中、車一台分の幅しかない道路の先には、ちゃんとホテルが存在した。そしてそのフロントでは、これまたちゃんと約束の116号室の鍵が差し出されたのであった。
【あらすじおしまい】
ホテルの雰囲気はなかなかのもので、しかも約束通りの部屋が与えられるようでありましたが、まだまだ安心はできません。なにしろその116号室というのが本当にスイートルームなのか、この時点ではまだわからないのです。
私たちはボーイの案内でフロント横の通路から、ホテルの内部へと足を踏み入れました。
するとそこは、ぐるりを赤い石造りの建物に囲まれた四角い中庭になっていました。
建物と同じ赤い石敷きの庭の中央部には丸テーブルとそれを囲む椅子があり、その左右に植えられた大きな木が枝を大きく張り出して適度な木陰を作っています。
正面の三層ほどの建物はひときわ立派で、現在はダイニングバーとして使われているとのことです。
そして左右はそれぞれほぼ中央にアーチ型の通路を持つ二層の建物になっていて、そこにも客室があるとのことでした。
私たちの泊まる116号室は、右手の建物のアーチ型通路をくぐって行くようです。
通路を抜けたところは、先ほどの中庭と同じくらいの大きさのスペースになっていて、石畳こそありませんがほぼ中央には丸い噴水池があり、左手は湖に面していて湖面に下りる石段もあり、その石段の右側には小さいながらもヒンドゥー教のお寺まで建っています。
右手から正面にかけてはすべて建物になっていて、ここも客室として使われているようです。
では、我らが116号室はどこなのかなあと思っておりますと、案内のボーイは右手一番奥へと進んで行きました。どうやら一番隅っこの部屋のようです。
本当にここがスイートルームなのでしょうか。
*このメルマガの後半に続きます。
〔 中略 〕
*前半からの続きです。
隅っこの部屋は、なかなか実力派の部屋でした。
角地という利点を生かし、部屋の前はプライベートスペースのベランダになっていて、ガーデンテーブルと椅子のセットが置かれ、テーブルの中央にはパラソルまでさしてあるじゃあありませんか。
さて、それでは肝心の部屋はどうなのかと言いますと、はい、それはすばらしいスイートルームでした。
まず一間ほどの小さな観音開きのドアを入るとそこは二畳ほどのかわいい玄関スペースになっています。正面と右手にやはり観音開きの扉があり、右手には小さな電話台と椅子が置いてあったりなんかします。
正面の扉はバルコニーに出るためのものです。部屋には左手の扉から入ります。
メインルームはなかなか広く・・・えーと、何畳くらいでしょうか?
いえ、そんなにものすごく広い!というほどではないのですが、畳の枚数で表現できる部屋の大きさには限界があります。私の場合は最大で八畳です。
でもあえて思い出してみますと・・・20畳くらい?かな?
とにかくベッド以外にもソファーとかもあって、それでも床が余っていて、雑魚寝ならあと10人くらいは泊まれるんじゃないかってくらいありました。
で、そのメインルームの奥には四畳半くらいの部屋があり、そこにクローゼットやドレッサー、そして冷蔵庫などがあります。
そしてその小部屋の右手扉を開けると、そこは広々としたバスルームです。
広さは・・・えーと・・・八畳・・・よりちょっと広いかな?
とは言え、バスタブが特に巨大なわけではなく、また洋式便器が特別でかいわけでもなく、なんだか無駄なスペースが多いのですよ。
ここにも雑魚寝をすればあと8人は泊まれそうです。
とまあ部屋はそんな感じで広くて立派で、それに手入れも行き届いていて、とてもきれいで快適なのですが、自分のお金じゃ泊まらないかなあというのが本音でした。
だって玄関スペースやクローゼットの部屋まで雑魚寝すれば、あと25人くらい泊まれてしまいそうな部屋なんてもったいないです。
でも今回は普通の部屋の料金で泊まれるので、せいぜいこの2泊3日は普段のみみっちい考えは捨てて、マハラジャ気分で優雅に過ごすぞ!
おっといけない、デリーからわざわざ持ってきたビールを早く冷蔵庫に入れなきゃ。なにしろホテルのビールは高いからね。
つづく
はい、ついに今夜の宿にありつくことができました。
いえ、それどころか身分不相応な部屋をもらってしまい、はたして大丈夫なのでしょうか。
そのマハラジャ振りは、また次回にお話しさせて頂きます。
それでは今回はこの辺で失礼致します。
また来週!