〔当時のメモより〕 *金額に関しては当時Rs.1が約2.7円、3倍にして1割引けば簡単に計算できます。 6/9(土) バンガロール 晴 気温28℃ 7:45 起床 ランドリーサービス、ルームクリン 11:45 いつもの食堂 13:20 ガンディー像 Rs.2 水族館に入ろうとしたがRs.のところRs.100札しかなく、切符が買えなかった。 ネットカフェ Rs.15 屋台のゆでトウモロコシ 大Rs.5 中Rs.4 〔6/9の支出記録より〕 ネットカフェ Rs.50 合計 Rs.444 |
【以下の解説は2009年12月3日のものです】
今日は前々から気になっていた、大きなガンディー像のある公園に行ってみることにしました。
建国の父であるガンディーの像は、インド中どこの街に行っても目にしますが、日本の二宮金次郎像みたいにいつでもどこでもたいてい同じポーズ(薪を背負って本を読むという「苦学」の具現化)であるのとは違って、それぞれポーズが違います。
その公園にあったものは、ガンディーが杖をついて歩いている姿でした。
私はそんなガンディー像を写真に収めようとしたのですが、像の向こう側にはクリケット・スタジアムの巨大照明装置がそびえていて、写真を撮るにはちょっとジャマなのです。でもまあ「大きな照明装置と対峙するガンディー」という構図は、まるで強大な大英帝国に体一つで立ち向かって行ったガンディーを象徴しているようで、なかなか面白いのではないかと思い、あえて両者が入るように写したのですが、出来上がった写真はただの「ジャマなものが写り込んでしまった写真」になっておりました。
とまあ、そんな風にひとりであれこれ考えながら楽しんでおりましたら、向こうからひとりのおっさんがやってきて、私の顔を見て「2ルピー」と言うのです。どうもバンガロールのおっさんは、人の顔を見るといきなり1ルピーだ2ルピーだと言うのでびっくりします。
話を聞くと、このおっさんは公園の管理をしている人で、この公園の入場料として2ルピー払うようにと言っているようなのです。
しかしこのカボン公園という名の広大な公園は、これまでも何度か通り抜けなどで入っているのに、今までお金を取られたことなどありません。このガンディー像の周辺だけは特別なのでしょうか?その割には特に頑丈な柵で囲われているわけでもなく、ましてやチケットブースなどありません。どうもこのおっさんはアヤシイです・・・
そんな私の猜疑心を感じたのか、おっさんは「レシートを持って来る」と言って立ち去り、しばらくして本当に「2ルピー」と書いたチケットのようなものを持って来ました。
手渡されたそのチケットは通し番号まで入っている正式な物のようで、「ECO-FEE」という表記がありますので、どうやら入場料というよりは緑化募金といった意味合いのものなのでしょう。さすがはインドIT産業の中枢を担う、最先端都市バンガロールです。
ちなみにその3日後、私は懲りずにまたこの公園のトイレにのこのこと入って行き、再び2ルピー取られました。
で、その時もらったチケットの通し番号と以前のものとを比べてみましたら、その差は139でした。つまりこの3日間で、延べ139人の入場者があり、278ルピーの収入があったということになるわけです。
はたしてその金額でどれだけの緑化並びに環境保護活動ができるのかはわかりませんが、私も4ルピー分は貢献しているということを、ここに書き記しておくのであります。
ガンディー像見学を終えた私は、次に近くにある水族館に行きました。
水族館の外観はあまり大きくなく、また入場料もガンディー像の所で払った金額と同じ2ルピーでしたので、正直あまり期待できないだろうなあとは思ったのですが、内陸の街バンガロールの水族館がどんなものかを見たいという気持ちがあって、入ろうと思ったのです。
ところがこの入場料の安さが裏目に出て、100ルピー札で払おうとすると、なんとお釣りがないから切符を売れないと言うのです。
まあこういう「釣銭切れ」はインドではよくあることなので、別にそう驚きはしないのですが、水族館に入れないというのは実に残念でした。
仕方がないのでそのまた近くにある「産業技術館」に行ってみることにしました。こちらは入場料が10ルピーと水族館の5倍もするのですが、それだけに展示物も充実しているのか入場者も多いようで、ちゃんとお釣りがありました。
「産業技術館」というだけのことはあり、建物の中には各種技術系の展示物や、ちょっとした実験ができる体験コーナーなどがあり、子どもはもとより大人たちも結構楽しそうに見学しています。
展示物はそれほど最先端というんほどでもなく、逆にちょっと古ぼけた感じのものが多いのですが、そのレトロな感じが返って「技術」というものを身近に感じさせてくれます。そして私は、そんな展示物を見て、子どもの頃に連れて行ってもらった横浜の青少年センターのことを思い出していました。
横浜の青少年センターにもたくさんの展示物があり、ボタンを押すことでエンジンの動きが確認できたり、物体の落下実験ができたり、地震による建物の揺れの変化が見られたりと、のちに文系になってしまった私でさえ、夢中になってしまう場所だったのです。
なので今、こうして各種展示物に夢中になっているインドの青少年たちを見ていると、つい「がんばって理系に進みなさいよ」と、余計なおせっかいなどしてみたくなってしまうのでありました。
インドの未来に幸あれ!
つづく
[dfads params=’groups=39&limit=1′]