私は旅行に行くと自分用のお土産として、その土地の地図を買ったりするのですが、できれば観光客相手のお土産屋で買うのではなく、地元の本屋さんで買いたいと思っています。なるべくなら地元の人が使うようなものが欲しいわけです。
で、ホテルを後にした車中でドライバー氏にその旨伝えたのですが、思い当たるような店を知らないようで、ちょっと困った顔をしていました。
それでもドライバー氏は運転をしながら本屋を探してくれました。
そしてようやく見つけたのがここです。ここは大きな街道沿いでお菓子や雑貨を商っているお店なのですが、新聞や雑誌類も置いているようです。まあいわばインド式コンビニエンスストアーですね。さっそく私は車を降り、店番のおにいちゃんに地図はないかと尋ねました。
しかしその返事は無常にも「ノ~・・・」でした。
まあ考えてみたらこういう店で地図を買う人っていうのは皆無に近いかもしれません。
そこで律儀な我らがドライバー氏は、バザールへと車を走らせてくれることになりました。
バザールはビカネールに到着した日にも車で突入し、その喧騒振りがとても面白かったのですが、ドライバー氏としては道の細さとそれゆえの渋滞から、あまり行きたくなかったようです。
そんなわけで車は再びバザールに進入して来ました。 道はいよいよ狭くなり、そして車が一台しか通れないような道に入ろうとしたとき、アンバサダーは突然ガックンという音を出してその場に止まってしまいました。
あらら・・・もしかして、またバッテリートラブル?
またえらい所で止まったもんだと、後部座席で私たちがハラハラしていると、そこはさすがの百戦錬磨のドライバー氏です、慌てず騒がず車を降りボンネットを開けると、やおら傍らに転がっていた大きな石を両手でつかみ、いきなりガツンガツンとどこぞを殴り始めたではありませんか。まるでサーベルタイガーと闘う石器時代の人みたいです、見たことないけど。
そんな風にドライバー氏はしばらく石器で修理に取り掛かっていましたが、ある時点で石を投げ捨て運転席に戻ると、おもむろにキイを回しました。
クケケケケケ・・・ケッケッケッ・・・ぶろろろろろろろろ・・・
おお!エンジンがかかったぞ!
まったくインド人の器用さといったらすごいものがあります。
偉いぞ!ドライバー氏!・・・・って、その前に車ちゃんと万全に整備しとけよ。
さて、そんな苦労をしながら見つけたバザールの本屋にも、残念ながらビカネールの市街図はありませんでした。
しかし顧客満足度向上を目指すドライバー氏は、翌日のジャイプールで「ラジャスタン州・ロードマップ」というものを見つけて来てくれたのです。
そんな気持ちが嬉しいじゃあありませんか。
まあその地図はあまり欲しいものではなかったのですが、その気持ちを買うってことで、お金を出させて頂いたのでございます。めでたしめでたし。
*すべて2007年3月時点の情報です。
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