暦の上では・・・
9月に入って早一週間、すでに夏は遠い記憶のかなたへと飛び去り、耳を澄ませば虫の声がみーんみーんみーん・・・うっせえなあ。
ということで、外ではまだセミがやかましく啼いておりまして、気温も日中30度近くまで上がるのであります。
でもまあ暦の上ではしっかり秋なのですよ。
高校などでは早くも文化祭が行われ、すでに先週(まだ9月の3日ですよ)終えてしまったところなんかもあるようで、秋の行事もどんどんやって来ては、すぱっと過ぎ去って行くのであります。
私の高校時代の文化祭は、毎年9月の第4土日でした。
私は写真部に所属しておりましたので、毎年文化祭には作品を展示しなければならず、この時期は忙しかったです。
夏休みの最後の一週間は、文化祭に向けての準備のため部活動が始まります。
まずは夏休みに撮り溜めたフィルムの現像をします。
ダークバッグと呼ばれる黒い袋の中にフィルムと現像タンクを突っ込み、袋についた「袖」のようなところから手を入れ、手探りでフィルムの抜き取りから現像タンクのリールへの巻き取りまで行います。
リールへの巻き取りがきつ過ぎると、現像液がうまく行き渡らず現像ムラを引き起こしますので、ここは慎重に進めなければなりません。光を遮断するためのダークバッグに手を突っ込んでるだけに、まったく手が抜けない作業なのです。わっはっはっ!
・・・
なのでこのときばかりは何をされても抵抗できません。
たとえばわきの下をくすぐられても、顔にマジックで落書きされても、突然シャンプーされてもなすがままなのです。
そのように身をよじらせ、目の周りを黒く塗られ、頭からは泡ぶくを出しながらも、フィルムを現像タンクに装填し、フタをしっかり閉めれば完了です。
これでようやく手をダークバッグから抜き取ることができるのです。
で、ダークバッグから手を抜くと、必ずやってしまう行為があります。
はい、そこのあなた、正解です。
そうですね、手の臭いを嗅いでしまうのですね。
嗅ぎ方は、手をつぼみのように少しすぼめて、その指先を嗅ぐわけです。
くんくんくん・・・
うっ!
人間だれでも「怖いもの見たさ」という感情がありますが、この場合は「臭いもの嗅ぎたさ」と言います。
その他にも「汚いもの触りたさ」や「嫌な事聞きたさ」などもあり、さらにその仲間に「まずいもの食べたさ」というのがありますが、人は時々その衝動に駆られたりするわけです。
私の場合は「カツカレー」です。
お奨めは高速道路のサービスエリアのやつです。
自動販売機で食券を買ってカウンターに出す形式のお店のやつです。
先日夏休みを頂いたときに、そんなお店でカツカレーを食べました。
中央自動車道の某サービスエリアにそいつはありました。
まだ朝の7時でしたが、せっかくのお出かけなんだから、カツカレーを食べたいじゃないですか。私は旅行などに行って気が大きくなると、たいていウナギかカツカレーを食べるのです。
しかし値段を見て目を疑いましたねえ、なんと580円なのですよ。
いいですか、一応カツカレーですよ。カレーライスの上にカツが乗っかっているのですよ。いわばカレーとトンカツの両方が楽しめる豪華食なのです。
ここはせめて780円くらい取って欲しいと思うところでもありますが、580円のカツカレーなら「まずいもの食べたさ」にはぴったりかもしれません。
そんなわけでカツカレーの食券を買い、プラスチックのコップで冷水を3杯飲んだところで私の番号が呼ばれました。さあ、いよいよカツカレー580円也との出会いです。
カウンターで渡されたカツカレーは、少し待たされただけあって、揚げたてのカツが乗っているようです。見た目はおいしそうじゃないですかあ。
では、さっそく食べると致しますか。
しかしカツカレーの食べ方というのは意外に難しいものなのです。
素人はとかくカツにカレーをつけて食べてしまいますが、それではカレールーはカツを食べるためのおかずとなってしまい、ご飯が取り残されてしまうのです。特に安いカツカレーは、ご飯もあまりおいしくありませんので、この方法では後半の食い込みが辛くなります。
ではどうするかと申しますれば、先にカツでご飯を食べるのです。もちろんカツにはソースを付けます。そうすれば前半トンカツ定食、後半カレーライスという夢の豪華二大食品祭りが開催されるわけです。ぱふぱふぱふ!
で、さっそくカツにソースをかけて・・・と思ったのですが、あー、私としたことが・・・
こういう形式のお店では、テーブルの上に調味料、特にソースは置いていないのです。そういうものは受け取りカウンターの横にまとめて置いてあり、受け取った直後にその場でかけて来るのです。
あー、しまったなあ。
と思いながらも、今さらカツカレーのお盆を持ってカウンターまでソースをかけになんか行けません。それはなんだかルール違反のような気がするのであります。串カツのタレの二度漬けみたいな気がしてしまうのです。
そこで仕方なく、素人のカツカレーの食べ方で食べ始めたのですが、これが実に期待を裏切らないカツとカレーとご飯の連合軍でして、朝食としてはかなりきついものとなりました。
なにしろカツが紙みたいな味なんです。たぶん寄せ集めの合成肉なんでしょうが、それにしてもすごかったです。
そこへ味のひねりとか隠し味とか秘伝のタレとかいったものとはまるで無縁の業務用のカレールーですよ。もう半分まで食べたところで感無量でした。
こう書いていると悪口みたいに聞こえてしまうかもしれませんが、そんなことはまったくありません。事実私は580円のカツカレーを堪能し、ちゃんと完食させて頂きました。
さらに帰り道では、他のサービスエリアで630円のカツカレーを食べたのであります。
ああ、まずいものばんざい!
彦麻呂様にも、ぜひご試食あそばされたく候。
*このメルマガの後半へ続く
〔本題〕実際のメルマガではここに新着情報などが載ります。
*このメルマガの前半からの続きです。
ここからはインドのお話です。
またチョロチョロちゃんから情報を頂きましたので、それを元にお話しさせて頂きます。
今回はインドの銀行のお話なのですが、今インドでは預金金利がかなりいいそうで、なんでも定期預金で8%もの利息が付くものもあるそうなのです。
8%の金利といえばあーた、100万円預けて8万円の利息がつくわけです。
1000万円預けりゃ80万円、1億円なら800万円、百億円なら・・・えーと、えーと・・・は、はちおくえん? えー! それっていったい、いくら万円ですねん?
とまあそこだけ見ますとなんだか夢のような話ですが、預金の利息がよければそれだけ貸付金利も高いわけです。
今まさにインドはマイカーブームの渦中にありまして、一説によりますと首都デリーでは毎日100台の新車登録があるとのことです。
その新車購入にローンを利用する人も多いわけです。街角のあちこちには、オートバイや車の絵と一緒に銀行名がでかでかと書き込まれた、オートローンの広告看板などが掲げられ、「さあ、車を買うならお金貸しまっせえ!」ってな具合に、消費者の購買意欲を掻き立てているのであります。
また、家電製品もどんどん家庭に入り始めています。
大きな電気屋さんにはテレビや冷蔵庫、エアコン、洗濯機などが所狭しと並び、しかも結構な価格帯のものばかりなのです。
そういう高額商品を、インド人は今ローンを組んでどんどん買っているわけで、なんだか日本のバブル景気を見るような感じでちょっと怖い気がするのであります。
まあ私にはインド人がローンで車を買おうがエアコンを買おうが、あまり関係ないのですが、インフレが進行するのはちょっと困ります。
なにしろインドは元々価格があやふやな国で、いちいち交渉しなければならないわけです。そりゃあ仕入のときの交渉でしたら必死にやりますが、普段飲むチャイとか、道端で焼いているトウモロコシとか、荷物持ちにあげるチップや、そして何よりリキシャやタクシーの値段などが変動しては困るのです。せっかく覚えた相場が崩れてしまい、また最初から相手を疑いながら交渉しなければならないわけですよ。
あー、あの苦労を毎回毎回やんなきゃいけないのかあ。めんどくせー。
それから前回も書きましたが、2016年のオリンピックの開催都市に、ニューデリーもエントリーしていることから、きっと今後も道路やホテルの建設がばんばん進むと思うのですが、それにつれてホテルの料金なんかも上がってしまうのではないかと思うと気が気ではありません。
インドでのオリンピック開催を見たい気も致しますが、それに伴う物価の上昇は本当に困るのであります。
インドよ、選手村なんて路上でもいーじゃん。あったかい国なんだしさあ。
とにかく、あまりやり過ぎてインドらしさをなくさないようにね。お願いよ。
えー、今回はこんなところでおしまいです。
ではまた来週まで、ごきげんよう!