暦の上では・・・
ついにお盆休みに突入致しました。
通勤電車もかなり空いていますし、朝の新宿駅にいるのはいつもと違った面々です。
駅から外に出ますと長距離の深夜バスがいろんな方面からぞくぞく到着して来ます。寝不足で早朝の新宿駅に降り立ち、今日はどちらへ向かうのでしょうか?ディズニーランドでしょうか、それともお台場でしょうか、はたまた新宿末広亭でしょうか。
でも東京に関して言えば、今年のお盆は残念ながらお天気には恵まれないようです。今日(8/14)も冷たい雨がしとしと降っております。
せっかくの夏休みだというのに太陽はいったい何をやっているのでしょうか。いくら本家本元の「お天気屋」とはいえ夏に失礼だと思います。
さて、いくらお天気が悪くてもこの時期の観光地はどこも混み合います。こんな時はわざわざ出かけず、家でテレビなど見てのんびりするのもいいものです。
先日NHKを見ておりましたら「なつかしのメロディー」(略して「なつメロ」)をやっていました。
最近の「なつメロ番組」には私の学生時代の曲などがたくさん登場するようになり、「もうおまえも人生を振り返って懐かしむ歳なんだよ!」と、頼みもしないのにわざわざ教えてくれているようです。まったくありがたいことです。
私が中学生の頃友達と交した会話に「西城秀樹なんかも今になつメロ番組に出るのだろうか?」というのがありました。
出てました秀樹さん。
私は知らなかったのですが、なんでもご病気をされていて復活を遂げたところだったとか。あの元気な姿を見られて感激でした。
病み上がりなのでおとなし目の曲「ブルースカイ・ブルー」などにしておけばいいのにと他人事ながら心配して見ていたのですが、そこはしっかり「傷だらけのローラ」などを熱唱しておりました。あの後大丈夫だったでしょうか?私、本当に心配しております。
さて、そのなつメロ番組はなかなかしっかりした作りの、「さすがNHK!」という感じのものでした。
ヘタななつメロ番組など見ますと、かつてのスターが当時のヒット曲を熱唱した後、必ず「最新曲」など歌うのです。おそらくお茶の間のテレビの前で見ているお父さんは、往年のスターが往年のヒット曲を歌うところが見たいだけで、今どんな歌を歌っているかなどは興味がないと思うのです。
中にはかつて観衆を総立ちにさせてしまったノリのいい曲を歌った後、新曲の演歌なんかを歌い出す人もいます。別に演歌が悪いとはいいません。ただ、せめて「青春のなつメロ番組」では演歌を歌うのやめてもらえないでしょうか。青春の思い出を汚されてしまったようでやるせないです。
さて、そのNHKのなつメロ番組はわりと淡々と進行して行き、ついにあの城みちるが登場しました。曲はもちろん「イルカに乗った少年」です。他に選択肢などあろうはずがありません。
テレビの中の城みちるは体型も声も当時とほとんど変わらないように見えます。それは見事です。もうかれこれ30年くらいたっているはずなのにです。
テレビに出なくなった後、イルカに乗って龍宮城にでも行っていたのでしょうか。不思議なくらいの若々しさです。
そして城みちるが「最新曲」など歌わずに舞台袖に引っ込むと、次は伊藤咲子の登場です。
NHKもなかなかやるものです。当時の二人のゴシップを考慮しての組み合わせなのでしょう。しかもそれにはなんにも触れずにサラッとやってしまうところが憎いじゃないですか。
伊藤咲子は少し歳を取ったように見えました。かつてのように満面の笑みをたたえて「ひまわり娘」を歌うのですが、ちょっとムリがあるようにも感じます。でも仕方ないことです。なにしろ30年ですから。
そんな中、昔とちっとも変わらない二人がいました。
それは「狩人」です。
狩人はあの名曲「あずさ2号」を歌いました。いつ聞いてもいい曲です。
8時ちょうどのぉ~、あずさ2号ぉ~でぇ~
と熱唱します。
あー、そう言えばあの「8時ちょうどのあずさ2号」は健在なのでしょうか?
*このメルマガの後半へ続く
〔本題〕実際のメルマガではここに新着情報などが載ります。
*このメルマガの前半からの続きです。
狩人が「あずさ2号」を歌った頃はまだ「日本国有鉄道」が存在していました。
しかしあれからもう25年以上が経過し、国鉄もJRへと変化してしまいました。はたして「8時ちょうどのあずさ2号」はまだあるのでしょうか。
そこで私はあずさ2号の発着駅である新宿駅に調べに行くことにしました。
たのむ、あずさ2号、なんとか元気でいてくれ・・・
新宿駅は大きなかばんを持った人でにぎわっていました。さすが夏休みです。
私ははやる気持ちを抑えて電光掲示板に「あずさ」の名前を探しました。
あっ!ありました!しかも8時ちょうど発です。
いやぁ~、よかったです。どうやら「8時ちょうどのあずさ2号」は狩人ともども健在だったようです。
私はなんだか嬉しくなってしまい、知らず知らずのうちにあの名曲のサビの部分を歌い出だしていました。
「はぁちじちょぉどのぉ~、あぁ~ずさにごぉ~ぉでぇ~・・・」
あれ?
ちょっと変です。なにか違うようです。
え~と・・・
あっ、あずさ2号じゃない・・・3号になってる・・・
そうなのです。なんでもあの歌がヒットした翌年あたりのダイヤ改正で、信州行の特急あずさは奇数番だけになってしまったようなのです。
ですからあの歌も今では「8時ちょうどのあずさ3号」と歌わなければなりません。
でもそれくらいの違いはたいしたことはないでしょう。なにしろ25年以上たって数字がひとつ増えただけなのです。それはむしろ奇跡と言っても過言ではないでしょう。
それによく2年生から3年生になったとき、持ち物に書かれた「2」をむりやり「3」に書き換える子どもだってよく見かけます。つまり2と3は親戚みたいなものです。
ですからここは「3」を「サン」とは読まず「ミ」として、「はぁぁちじちょぉ~どのぉ~、あぁ~ずさみごうぉ~ぉでぇ~」と歌えばいいのです。
これくらいの変更なら狩人も納得してくれるでしょう。
それでは新生「あずさ3号(ミゴウ)」をみなさんで歌ってみましょう。
「はぁぁ~ちじちょぉ~どのぉ~、あぁ~ずさみごうぉ~ぉでぇ~」
ストップ!
ストップ、ストップ・・・ストップです。
ちょっと待って下さい。何かまだ変です・・・
え~と・・・・
ぎょっ!
みなさん・・・大変まずいことになってました。
新宿駅発8時ちょうどの列車は「あずさ3号」ではなく、「スーパーあずさ3号」でした。
数字がひとつ増えたくらいならたいした問題でもなかったのですが、「スーパー」がついてしまってはもうどうにもなりません。
なにしろ「スーパー」って「超」って意味です。「超」というのはもともとあったものを超えてしまったものなのです。つまり「スーパーあずさ」は「あずさ」を超えたものであって「あずさ」本人ではないのです。
たとえば久しぶりに「あずさ」に会った人が、
「おー、あずさ!久しぶりだなぁ~、元気だったか、ん?」
なんて話しかけても、
「何よ気安く呼びかけないでよ、アタシはあんたの知ってる『あずさ』とは違うのよ!人違いなの、ヒ、ト、チ、ガ、イ!まったくもう」
と言われてしまうのです。
考えてみれば当然かもしれません。
「山田さん」と「小山田さん」は別人です。
「太郎くん」と「一太郎くん」も別人です。
「さくらと一郎」と「桜井長一郎」も別人です。
「インド」と「インドネシア」も別人なのです。
ならば「あずさ」と「スーパーあずさ」も別人ということになるでしょう。
残念です。番号が変わったくらいならよかったのですが・・・人違いとは・・・
それでは「あずさ2号」本人は今どこでどうしているのでしょうか?
信州行の列車が奇数番になったとしても、たとえ出発時刻が8時ちょうどでないとしてもどこかに「あずさ2号」はいる筈です。
あずさにごぉ~お!まってろよぉ~!かならず見つけ出してやるからなぁ~!
ところがです。
いないのです、どこを探しても。
実は現在の特急あずさは51号からの番号なんだそうです。
そりゃ見つからないわけです。はっはっは
25年の歳月は15歳の少年を40歳に変化させます。
そして特急あずさはその倍にあたる50という数字を増やしてしまったのです。
きっと「あなたの知らない人とふたり」で旅立った彼女もずいぶん歳を・・・
おっと、歳の話はやめておきましょう。
それから今はもうない「あずさ」を追い求めるのはやめましょう。
なにしろ今は夏休みなのです。
今必要なのは「あずさ」じゃなくて「暑さ」かと思います。
こら!太陽!もっと働け!
それでは今回はこんなもんで失礼致します。
また来週!