インド亜大陸最南端の聖地カニャークマリ。ここには毎日インド全土より大勢の信者たちが集まり、またそんな人たちを相手に日々いろいろな商売が繰り広げられております。
さてこの家族、ここでいったい何をしているのかというと、これからこのおじさんに占ってもらおうとしているのです。実はこのおじさん、インコを遣った占い師なのです。
日本にも昔文鳥だか十姉妹だかがおみくじを持って来るというのがありましたが、基本的な仕組みはあれと同じようなものです。
ほら、下に降りて来たインコが、ずらぁ~と並べられたカードから適当に、いえ、神の思し召しの通りにカードを引き抜き、おじさんに渡しています。
でもっておじさんは、インコから手渡されたカードに描かれた絵(神様の絵だと思います)を見て、この家族にご託宣をするのです。おじさんの説明にいちいち小さくうなずきながら真剣に耳を傾けているこの家族が、いったいおじさんにいくらくらい払うのかに興味があってずっと見ていたのですが、話が終わると父親は財布から100ルピー(約200円)のお札を出すと子どもに手渡し、子どもの手から占い師のおじさんにお金を渡しておりました。
はたしてその100ルピーという金額が高いのか安いのかはわかりませんが、その時の私には「ずいぶん出すんだなあ」と感じられました。
まあこうした商売はおそらく定価というものはなく、あくまでも依頼者の「気持ち」として金額が決まるのだと思いますが、ならば悪いことより良いことを言った方がよりたくさんお金をもらえることになりそうで、それを考えるとどうなんだかなあと思ってしまうのでありました。
ちなみにご託宣はすべて現地語で行われておりますので、私などが興味半分で占ってもらったとしても、何を言われているのかまったくわからず、まさに御託を並べられているようにしか思えないことでしょう。
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