ガンディー記念博物館とラジャジー・チルドレン・パークの見学を終え、私はホテルへ帰るべくミナークシ寺院を目指して歩いておりました。炎天下、マドライの埃っぽい大通りをどのくらい歩いたでしょうか。ヴァイハイ川に架かる大きな橋を、砂交じりの強い風に耐えながら目を細めてようやく渡り終えたあたりで、ジャックフルーツの問屋街(通り沿いに数件が並んでいただけでしたが)を見つけました。ジャックフルーツは日本ではあまり(と言うかまったく)見かけませんが、全体ににとげのような突起がついた一抱えもある大きな果物で、インドではごく普通に食べられているものです。
特に南インドでは民家の庭先や林の中にジャックフルーツの木がひょっこり生えて(植えられて?)いたりして、日本で言えば柿の木みたいな存在です。ところが私はいまだその実を食べたことがなかったのです。
その理由としては、なんといっても実が大き過ぎるということがあります。
うっかりあんなの丸ごと買っちゃったら、絶対に一人で食べきれるわけがなく、食べかけのジャックフルーツをぶら下げて旅を続けるというのも大変でしょう。
まあそれはインド人にとっても同じ事のようで、このフルーツはよくビニール袋に小分けにされたものが売られていたりします。
ただそれが私にはどうにも衛生的でないように見え、どうしても手が出せなかったのです。
ほら、この問屋の前にもいくつか屋台が出て、小さくしたジャックフルーツを売っています。と、そんな風景を写真に撮っておりましたら、お店の人が「まあ食べてみなよ」(現地語なのでよくわかりませんが、そんな感じでした)と言って、ジャックフルーツの切り身(?)をひとつ、新聞紙に乗せて手渡してくれました。ほほお、私は今までジャックフルーツの中身を間近で見たことがなかったのですが、実のひとつひとつはこうした房状になっていて、そいつがあの大きな中にぎっしり詰まっているのですねえ。
さっそく食べてみましたら、房の中にはこんな大きな種が入っていました。ビワの種くらいの大きさでしょうか。肝心のお味の方はと申しますと、食感はバナナのようなねっとりとした感じで、味と香りはそれほど強くなく、あまり特徴のないものでした。
まあ決してまずくはありませんし、勧められたらどんどん食べてしまうと思いますが、お金を出してまで食べるかと言えば・・・う~ん
屋台のおっさんには味見をさせてもらった上に、飛びっきりの笑顔までもらっちゃいましたが、たぶん私は買っては食べないと思います。
でもくれるんなら喜んで頂きます。
ありがとね!
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