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2003年8月14日:インドでもビールくらい飲みたいぞ

         
  • 公開日:2003年8月14日
  • 最終更新日:2022年8月5日

私はビールが大好きです。
誰もそんなことを知りたいとも思わないかもしれませんが、ビールが好きです。

そんな私ですからエア・インディアの機内サービスでもビールをもらいます。
エア・インディアの唯一の長所は「ビール」と言っただけで2本くれることです。
ちょっと前までは3本くれました。

インドに着いてからは食事の時にビールを飲みます。
インドでは公衆の面前でお酒を飲んだりするのは良くないこととされているので、お酒のあるようなレストランはガラスにスモークフィルムが貼ってあったりします。
従いましてインド人にとってはやや高級な部類のお店ということになり、この文章を読んだ人は「贅沢三昧してやがる!」と怒るかもしれませんが、私はインドではまともな食事は夜の1食だけなのです。それくらい許してやって下さい。

さて、そうは言ってもやはりレストランで出されるビールはやはり割高です。
店によっては午後6時くらいまでを「ハッピーアワー」と称してビールを割安で飲ませるようなこともしていますが、それでもビールの大瓶1本が80ルピー(約216円)くらいしてしまいます。
仕事が終わった後ですと、当然「ハッピーアワー」には間に合わないので、ビール1本は100ルピー以上になってしまいます。私はいつも2本くらい飲みますので200ルピーはかかってしまいます。
さすがにこれでは贅沢三昧と言われても仕方ないかもしれません・・・

そこでどうするかと言いますと、酒屋に自分で買いに行くのです。
そこでは缶ビールが30ルピー(約81円)で買えます。
ただ酒屋は鉄格子で守られていて、銀行のような窓口から金を突っ込みビールを受け取るという、なんだかすっごく悪いことでもしているような構造になっているので、ちょっと罪悪感を感じます。
たしかに30ルピーというお金はインド人からしたら結構な額ではあります。

ところが久しぶりに行った6月のデリーでは、コンノートプレイスに明るい雰囲気の酒屋が出現しているのを発見しました。
そこはまるで日本のコンビニのように明るく、何と言っても店の中まで客が入ることができるのです。
大きな冷蔵庫でビールもたくさん冷やされています。
ここなら罪悪感をほとんど感じずにお買物ができます。インドも変わって行くんですね。

まあ大都市なら簡単に冷えたビールが飲めるのですが、ちょっと地方のあまり観光客が入らないようなレストランでは、普段はビールをおいていないようです。

先日行ったジャイプールは観光都市で外国人も多いのですが、私の入ったレストランは地元の人の行くような店でした。
そういう店だったので、まず入るときに「ビールはあるか?」と確認してからでないと後悔することになります。
そこのおやじは「ある」とはっきり言いましたので、安心してテーブルにつき、まずはビールを注文しました。

おそらく酒屋に買いに行っているのでしょう、出てくるまで少し時間がかかります。

やがて店のおやじが運んできたのは、ステンレス製の水差しと紙ナプキンが巻かれたコップでした。

私の「これは何か?」の問いに、おやじは「他にお客さんがいるのでこっそり飲んでくれ」と言いました。
そうなんです。ここは地元の人が来るお店なので、あまり公然とお酒を飲ませるわけにはいかないのです。
あくまでも水差しの「水」を、ナプキンで目隠しをしたコップに注いで飲まなければならないのです。

郷に入ったら郷に従えです。

分かりました。これは水なんですね。さっきまでビンに入っていた水なんですね。
わざわざ酒屋で買って来た水なんですね。それからおそらく私から100ルピーくらい取ろうとしてる水なんですね。

私は水差しから「水」を汲み、水のように飲みました。

のどを鳴らしてはいけません、水ですから。

ぷはぁ~と言ってはいけません、水ですから。

顔を赤くしてはいけません、水ですから。

ゲップなんてしてはいけません・・・あー、インド人はビールを飲まなくてもゲップをよくするんだっけ、げっふぅ~

私はもくもくと「水」を口に運んでは飲み、コップを口から離す前にすばやく口についた泡を舐め落とすという作業を繰り返し、こんなことをしてまでもビールを飲みたいのか、えっ!と自問自答していたのであります。

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