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第21回:ジュナーガル / ウパルコート砦のナヴァハンクーヴァの井戸

         
  • 公開日:2014年3月6日
  • 最終更新日:2022年6月17日
〔当時のメモより〕
*金額に関しては当時の1ルピー(Rs.と略す)のレートを約1.7円とお考え下さい。

2013年11月15日(金) ジュナーガル 晴 30℃くらい

内部も当然、人人人でごった返していた。
そしてあちこちから「どこから来た?」の質問と「一緒に写真を撮ろう」の声が掛かる。

砦は思ったより見るところが多い。

二つの井戸はなかなかよかったが、ゴミをなんとかした方がいいと思う。

〔以下メモに解説を加えて〕

2013年11月15日(金) ジュナーガル 晴 30℃くらい

内部も当然、人人人でごった返していた。

某ガイドブックに載っていた写真からは、森閑としたいかにも打ち捨てられた遺跡のように思え、こんなところに少人数で行ったら亡霊に憑かれてしまうのではと恐れていたが、これだけ人がいたら逆に亡霊の方で恐れをなしてどこかへ隠れてしまうだろう。この砦は朝の7時から入れるので、すでに見学を終えて帰る人もいたが、まだ時刻は10時前なのでこれからどんどん人が増えて来るであろう。そしてあちこちから「どこから来た?」の質問と「一緒に写真を撮ろう」の声が掛かる。

ただでさえも人懐っこいグジャラートの人たちであるが、ましてや観光名所ともなれば、その高揚感からいつもよりたくさん声が掛かるのは仕方ないことだろう。私も中学の修学旅行で京都に行った時外人を見つけ、英語の先生に「何か話しかけてみてよ」とお願いし、「そんなことできるか」とあきれられたことがあった。今思えば話し掛けていったい何をしようと思ったのだろう。そしてそれを自分でやるのではなく英語の先生に託したということで、二重に恥ずかしい思い出である。砦は思ったより見るところが多い。

まさしく見ると聞くでは大違いである。
私の読解力と想像力の不足もあるだろうが、ガイドブックの記述からは想像できないほど、この砦は巨大でありまた見どころも多い。

そもそもこの砦は、紀元前319年にチャンドラグプタ王によって築かれたと言われる相当古い砦である。
そして7世紀から10世紀には完全に廃れ、一度は森にうずもれた砦となってしまったが、その後再び発見され今では町の象徴であり、町の名前からして「ジュナーガル(古い砦)」となっているのである。
まるで「一度や二度の失敗であきらちゃいけないよ」と教えてくれているような砦なのだ。二つの井戸はなかなかよかったが、ゴミをなんとかした方がいいと思う。

そんなウパルコート砦の見どころのひとつ(ふたつ?)に階段井戸がある。造られたのは15世紀頃とのことなので、この砦が再発見されたのちの建造ということになる。
階段井戸はすでにこの旅の話でも、アーマダバードでふたつ紹介しているので、またかよと思うかもしれないが、こちらはこちらでまたすごいのでぜひともご紹介させて頂きたい。まずはナヴァハン・クーヴァと呼ばれる井戸である。
こちらの井戸は途中の中庭的な場所まで階段を降りて行く。そしてそこからは四角い巨大な井戸の周囲の岩壁に掘られた、らせん状の階段を降りて行く。階段の途中にはいくつか明かり取りの窓があり、人々はそこから下に溜まる水を覗き込んだり、四角い天を仰いだりするのである。階段の行きつく先はもちろん井戸の水面なのだが、そこでは燈明が灯され聖職者らしき男が、喜捨の小銭と引き換えに人々にプジャ(祝福)を与えていた。しかしそんな静謐な雰囲気も、水面に浮かぶおびただしいゴミを目の当たりにすると、完全に興ざめしてしまうのであった。

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