〔当時のメモより〕 *金額に関しては当時1ルピーが約2円だったので、ただ単に2倍にすれば円価になります。 2010年5月6日(木) ジャグダルプル 明け方、雨 朝、曇23℃ 晴 30℃くらい 雷と雨の音を聞き、その後部屋のブザーが鳴らされたような気がして起きる。 出発5分前に下に降りる。 車は一時間ほどきれいな風景の中を突っ走り、目的の町「Kondagaon」に到着。 初めに奥のチャールパイに座る老人に挨拶に行く。 作業場で作業の手順を教わる。 |
【以下の解説は2013年3月4日のものです】
〔以下メモに解説を加えて〕
2010年5月6日(木) ジャグダルプル 明け方、雨 朝、曇23℃ 晴 30℃くらい
雷と雨の音を聞き、その後部屋のブザーが鳴らされたような気がして起きる。 なにしろ今日は8時出発予定なので、寝過ごしてしまったのではないかと思ったのだ。 時計を見ると5:55、まだ早いと思ったが、よく考えてみればもう2時間しかない。お腹の調子が悪いので、早めに体を起こしてしっかりトイレに行っておかないといけない。 今朝は朝食抜き。
お腹の調子が悪いのに相変わらずビールを飲んでしまう。インドでは飲める時に飲んでおかないと、という意識が常に働く。いや、日本でも飲めるならどんどん飲んでしまうが・・・
出発5分前に下に降りる。 しかしまだドライバーが来ていない。 二度ほど急かせるが、結局出発したのは8時20分だった。
昨日あれほど私の「荒くれ振り」を見せたというのに、遅刻するとはいい度胸である。しかも二度急かしてこの時間なのである。恐るべしインド人。
車は一時間ほどきれいな風景の中を突っ走り、目的の町「Kondagaon」に到着。
道の両側はなんてことはない森なのだが、なんだかすごく美しく見える。この地域の人々がもともとは自然信仰だったというのも頷ける。
目指すロストワックスで作品を創る家は、小ぢんまりした家と作業場であった。
規模が小さいことは意外ではなかったが、ちゃんとした作業場があるのが意外だった。もっとも作業場の床は土で、そこに屋根が掛けられている程度のものではあるのだが、それすらないような庭で作業をしていると思っていたのである。
初めに奥のチャールパイに座る老人に挨拶に行く。 老人はこの道の権威で9度も表彰されたとのこと。
「チャールパイ」とはインド式ベッドのこと。インドではこれを屋外に置いて、ベンチ代わりにしたりする。 シャツとステテコ姿でチャールパイに腰掛けるその姿からは、その老人がインドを代表するほどの名工で、海外にも何度も行っているすごい人だとはとても思えなかった。 そして老人は、あくまでも謙虚な姿勢と物腰の柔らかい口調で、ドクラに関することをいろいろ教えてくれた。
作業場で作業の手順を教わる。 しかし一番重要な金属を流し込む作業をやっていなかったので、ぜひ見たいとお願いする。 土曜日にやってもらえることになった。(たぶん)
実際の制作工程は老人の弟子(息子かも)が教えてくれた。しかし金属を溶かす作業に関しては、暑い夏場にはやらないのだとかで見られなかった。 そこで再度老人のところへ行き、ここまでやって来た経緯とドクラへの熱い思いを淡々と伝え、異例の夏場の鋳造をお願いした。 老人はちょっと検討して見ると言い、結果はパテルに電話で知らせると言ってくれた。