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2010年9月17日:パインズクラブ通信 第392号

         
  • 公開日:2022年8月18日
  • 最終更新日:2022年8月21日

その後いかがお過ごしでしょうか。

厳しい残暑がうそのようにどこかに行ってしまい、ここ2、3日はとても過ごしやすい気候となっております。
でも急に涼しくなると服装が追いついて行かず、超クールビズのTシャツと短パンのままでおりましたら、さすがに寒かったです。

さて、先日わたくし中学校の同窓会に行って参りました。

まあ「中学校の」と申しましても、実際にはほとんどの人が小学校から一緒でありまして、さらには多くの人が幼稚園から一緒なのです。
こうしたケースは地方には多いと思いますが、とにかく10年間くらい同じ学校(そして幼稚園にも)にいたことになり、そりゃあもうお互いの成長過程を見て来ているので嬉しいやら恐ろしいやらなのです。

今回の同窓会は「第3回」ということだったのですが、私は6年前に開催された第2回を欠席してしまいましたので、第1回以来の参加でした。
じゃあ第1回はいつやったのか?と言えば、これがあーた20年前なのですよ。もう笑っちゃうじゃあありませんか。

20年前の1990年といえば、まだ景気が良かった時代です。
もっとも私は転職と引っ越しを同時にしたりしてお金がなく、バブルで浮かれる人たちを横目で見ながら、「ああ、ご飯くらいお腹いっぱい食べたいなあ」なんて、戦時中の人みたいなことを思ってた時期でした。

そしてあっという間に20年という歳月が流れ、景気はどんどん悪くなり、みんなの方が私の経済レベルに近づいて来たわけです。

だから参加したというわけではないのですが、そろそろこの辺で一度参加しておかないと、二度と会うことができなくなってしまう人、まあ早い話が死んでしまう人(特に先生、あっ、失礼)なんてのも出て来るかもしれませんし、そう言ってる自分がそうなるかもしれないわけですし、とにかく会える時に会っておこうと思い参加したのであります。

私は地元生まれの地元育ちで、先ほどもちょっと述べましたように、バブルの時期に5年ほど地元を離れ、やや貧乏な生活をしていたのですが、今はまた地元に戻り生活しております。

しかし中学を卒業してからは地元の友達とは次第に疎遠になってしまい、今も交流のあるのはせいぜい3、4人くらい(同学年は180名近くいましたが)で、さらには私の容姿がその当時とはとてもとても変わってしまったために、正直なところ20年ぶりの同窓会は少々気が重かったのです。

案の定、会場に入ると知らない顔のおっさんとおばちゃんばかりです。
そしてあちらも私が誰だかわからない様子で誰も話しかけて来ません。
それでもかろうじて顔のわかり合える(?)人を見つけて挨拶し、そこを突破口に次々と横の人を紹介してもらい、こちらも自己紹介をするなどして、あらためて同級生の再構築を図っていったのです。

しかし会はなかなか盛況で、70名ほどの同級生が参加しているということでしたので、とてもじゃないけど全員に自己紹介して回るなんてことはできないわけです。
そこで遠くにいる人についてはその場で顔を観察して、横にいるつい先ほど関係を修復した友人に「もしかしたらあれは○○か?」とか、「あれはいったい誰なんだ?」などと尋ねては、その都度記憶の中にいる同級生の顔と、今現実にあそこにいるおっさんおばちゃんの顔を重ね合わせては記憶を修正し、また修正しきれない場合は思い切って上書きしてしまうなどして行くと、あ~ら不思議、初めはぜんぜん知らない人だったり、加齢による容姿の変化に戸惑ってしまった人たちが、あの制服を着ていた頃の顔になって行くではありませんか。

人間の記憶や識別能力なんてそんなものなのです。
そうだと思えばそう見えて来るのです。「あばたもえくぼ」って言うじゃありませんか。うんこの匂いだと思ってたのに実はタクアンだったとわかると、急にいい匂いに思えて来て、あまつさえご飯を食べたくなってしまったりするのと同じなのです。

まあお酒の力もあったかもしれませんが、とにかく会が進むにつれ、まるで魔法の粉が振りかけられて行くように、次々とかつての同級生の顔が目の前に現れて行ったのでございます。

そんな中、三人の女の子(もう完全に頭が中学生化しているのでこの表現でいいのです)が私の所にやって来て、「松本くんでしょ?」と言うのです。

おお、そういうあなたたちは、ユリちゃん、マリちゃん、リエちゃんじゃあありませんか!(ホントはすぐにはわかりませんでしたが)

実はこの子たち(だからこれでいいの)は、20年前の同窓会の閉会間際に同じように私のところにやって来て、同じように「松本くんだよね?」と聞いたのです。なんでもそれまで私が誰だかわからず、「転校生?」なんて思ってたらしく、ようやく閉会寸前に「もしかして・・・」と気付いて確認に来てくれたのです。

ああ、あれから20年。私はさらなる進化と退化を繰り返し、まただいぶ容姿が変わったというのに、今回は閉会間際ではなく、まだまだ時間がたっぷりあるうちに来てくれましたので、あの頃の楽しかった思い出などを語り合いながら、今日のこの再会を喜び合おうではありませんか!

と思ったら、私が「松本くん」だという確認が済むと、三人の女の子はまた元の位置に戻って行ってしまいました。

まっ、そんなもんだよね。

なにしろ私、中学卒業時点で身長150cmくらいのチビすけだったので、そもそも異性として認識されておらず、特にそれ以上なにがどうとかいうこともないわけです。たぶん道端に横たわるヘビを見つけ、それが生きているのか死んでいるのかが気になって、恐る恐る棒で突っついてみたというようなものなのです。

それでも私は立ち去る女の子たちの背中に向かって、「そうだよ!ぼく松本くんだよ!」と心の中でもう一度叫んでみました。

だってそれが私と彼女たちとの唯一の接点なのですから。

次回の同窓会は3年後だそうです。

そのくらいしか時間が経っていないと、もう本人確認にすら来てくれないだろうなと、今から欠席の線で行こうかなと思っている私なのであります。

 

*このメルマガの後半へ続く

〔本題〕実際のメルマガではここに新着情報などが載ります。

*このメルマガの前半からの続きです。

 

といったところで今回のメルマガはこれでおしまいです。

みなさんも同窓会などがあっても、諸般の事情で「出たくないなあ」なんて思う時期もあるかと思いますが、きっとみんなも自分と同じようにいろいろなことを抱えて生きているわけですので、思い切って参加してみると結構楽しいかもしれませんよ。

それでは来週まで、

ごきげんよう!

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