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2006年12月1日:パインズクラブ通信 第235号

         
  • 公開日:2022年8月12日
  • 最終更新日:2022年8月20日

暦の上では・・・

ついに12月を迎えました。

12月は「師走」なんて言い方をしますが、先日行われた女子マラソンでは、復活をかけた有望選手が3位に終わってしまい、その選手を育てた師匠も見ているだけでなく、自分も一緒に走り出したかったことでありましょう。

・・・

はい・・・

先週使った文章でした・・・すみません。

えー、12月に入りましていよいよ冬本番です。
寒波なんかもやって参りまして、ぶるぶる震える日が続くわけです。

私が高校生の時にも、たまにカンパがやって来て震え上がったものです。

学校の廊下をひとりで歩いていたりなんかしますと、ふいに見知らぬ上級生が親しげに肩に手を回してきて、耳元でこう囁くのです。

「あのよぉ、ダチがバイクで事故っちゃってぇ、わりぃけどカンパしてくんねえか?」

語尾に?マークが付いていますので、これはあくまでも疑問形であり、その問い掛けに対してどう答えるかは各自の自由なのではありますが、その場の雰囲気を読み取り、肩を組むほどの友好関係にヒビを入れないためには、

「は、はい・・・」

と答えるしかありません。

いくらでもいいから、という寛大なお言葉に甘え、ポケットにあった100円玉を渡しますと、ようやく先輩は私の肩、というか首根っこに回していた腕をとき、次なる親友探しに向かうのでありました。めでたしめでたし。

さて、先週は久々にインドからの生レポートを頂き、話題作りに苦労せずに済んだのですが、今週はまだチョロチョロちゃんからメールが来ません。

まあ、あまり人に頼ってばかりではいけませんので、そういった時はカレンダーに載っている記念日なんか見るわけです。

えーと・・・12月1日は・・・

「映画の日」かあ・・・

私が初めて映画館で見た映画は、カラーアニメーションの「サイボーグ009」でした。
地元の古い映画館の3本立ての上映でしたが、このサイボーグ009がそのときの上映の目玉で、私が見たかった映画でもありました。

でも、初めて映画館に行った割には、あのスクリーンの大きさに驚いたという印象がありません。
それはきっとその前に、学校や町内会で映画を見ていたからだと思います。

その頃は小学校などでも、年に一度くらいの割合で映画の上映がありました。
とは言え、それは昔の話で聞く野外上映でもありませんでしたし、興行師が行う巡業上映などでもなかったと思います。
それはおそらく学校が主体となって企画し、地元の映画館に出張してもらうというものだったのだと思います。

私の小学校には当時体育館というものはなく、戦前(太平洋戦争です。日露戦争でも湾岸戦争でもありません)からある古い講堂で上映されました。

記憶に残る映画としては、ディズニー映画の「王様の剣」でしょうか。
やせっぽちで非力な少年が、物語の最後には王位継承者となるお話です。
お話の中心となる、魔法使いとのやりとりがなんとも楽しく、夢見心地で見たものです。

また、一番感動した映画は、「父ちゃんのポーが聞こえる」です。

難病に侵された娘と、その父親のお話なのですが、これには参りました。
普段はいたずらばっかりしている悪ガキどもも、みんな静かになってしまい、おそらく薄暗いのをいいことに、涙をぽろぽろこぼしていたと思います。

でも、はたして今見たらどうなんでしょう。またあの日と同じように泣けるのでしょうか。
もし泣けなかったとしたら、それだけ心が汚れてしまったということになるのでしょうか。

ちょっと見るのが怖いです。

 

*このメルマガの後半へ続く

〔本題〕実際のメルマガではここに新着情報などが載ります。

*このメルマガの前半からの続きです。

 

学校での映画上映は、もう何日も前からものすごく楽しみにしていたことで、その日はどんなに熱が出ようと、どんなに下痢をしていようと、たとえ全身に発疹が現れ、目は血走り、吐く息荒く、口からねばつくよだれをダラダラ垂れ流そうと、休むわけには参りません!それこそ這ってでも行く!といった気の入れようなのです。

ところが、学校側はそんな生徒児童の心を知ってか知らずか、すぐに目的の映画を上映してくれないのです。
確かにその頃は映画館でも、最初にニュース映画を上映したりしましたが、学校のそれはちょっと長めの教育映画なものですから、全校児童のほとんどを占める「こらえ性の無い子どもたち」は、じれてしまうのです。

しかしそんな教育映画の中でも、印象に残っているものがあります。

それは「南氷洋の捕鯨」とかいう題名のもので、厳しい自然環境の南氷洋で鯨を捕る男たちのドキュメンタリー映画でした。
ただ、今のドキュメンタリーものとは違い、男たちの「人間性」にはスポットは当たらず、あくまでも鯨の捕り方、さばき方、利用法といったものを、将来を担うニッポンの子どもたちに教えようというような内容でした。
なにしろその頃鯨は、日本人にとってなくてはならないものだったのです。
なので「まあ、クジラさんがかわいそう!」とか言ってはいけないのです。
当時の日本人の食生活の方が、もっと「かわいそう!」だったのです。

さて、そんな話をしているうちに、映画の方ではキャッチャーボートから鯨にモリが撃ち込まれ、その鯨が母船に引き上げられて行くところです。

母船の甲板に横たわった鯨は、さすがにでっかいです。
周りにいる人間と比べるとよくわかります。

そんな鯨のお腹を、ナギナタのような大包丁でもって、さぁ~~~~~~ぁ(なにしろ大きいのでなかなか切り終わりません)っと切りますってえと、お腹の中からぶわぁ~~~~~・・・

・・・・・

ここからの描写はもう現代にはそぐわず、そして必要のないものなのかもしれません。

捕鯨に関しましては、資源保護の面と、動物愛護の面などから賛否の大きく別れるところかと思いますので、ここでわざわざ私がこの話を持ち出して、南氷洋のごとき荒波を立てる必要はないわけです。避けた方が無難なのです。

と、そんな風に考える私は、もはや純真な心を持っていないのでしょうか。

それを知るためにも、もう一度「父ちゃんのポーが聞こえる」を見なくてはいけないのかもしれません。

映画の話題は尽きることを知りませんが、この続きはまたの機会ということで、今回はこの辺でおしまいと致します。

では、また来週!

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