暦の上では・・・
梅や桜の便りが届けられる季節となりました。
例年桜前線は梅前線を追いかける形で北上し、5月の初め頃北海道で追いつくそうなのですが、今年の桜前線はどうやら関東地方で梅前線に追いつきそうだということを天気予報で言っておりました。
新宿御苑などでも、3月下旬には梅と桜の競演が見られるかもしれないとのことですのですので、今年の花見は梅と桜の花びらとスギの花粉を浴びての豪勢なものになりそうなのであります。へっくしょん!
しかしまあ、今年は桜が関東地方で梅に追いついてしまうということは、東北地方では完全に順位が逆転し、北海道などでは周回遅れで来年の桜に追いつかれてしまい、年度を越えた梅桜の競い咲きが楽しめるかもしれません。
北海道の方、今から楽しみですね。
さて、春の話題はここらへんで終わりまして、インドの話題に移らせて頂きます。
今回は、インドでの宿泊に関してです。
「インドではいったいどこに泊まったらいいのさ?その1」
インドに旅行に行った場合、いったいどんなところに泊まったらいいのでしょうか。
インドでは結構たくさんの人が、半野宿みたいな感じで外に寝ていたりしますが、私たち旅行者は決してマネしてはいけません。
インドやパキスタン方面には「ダコイツ」という強盗団などもいますので、そこら辺で野宿やキャンプなんかするのはとても危険です。なにしろ多勢に無勢のダコイツ相手では、「なんだコイツゥ~!」なんて粋がっても、あっという間にやられてガイコツにされてしまいます。
実際に15年ほど前に、パキスタンでキャンプをしていた日本の学生が殺され、それがダコイツの仕業だと報じられていました。
さて、ダコイツが怖いなあと思われる方は、やはりホテルに泊まることになるわけですが、インドのホテルにもいろいろなランクがあります。
そこで今回から、さまざまな角度からインドのホテルを比較検討し、今後のみなさまのインドにおけるホテルライフが、益々幸多からんことをお祈り申し上げる次第なのであります。
安ホテルと中級、高級、さらには超高級マハラジャホテルを分ける要因と致しましては、なんといっても客室の装備の違いがあります。
今回は、そんな「装備」にはどんなものがあるかを見ていきましょう。
最初は「お風呂」です。
最近ではすっかり日本人も「国際化」して参りましたので、外国のホテルに宿泊しましても、浴衣とスリッパで廊下に出て大浴場を探すといった光景は見られなくなったようでありますが、しかし日本人にとってお風呂は今でも生活の大切な一部であります。たとえインドへ旅行に行っても、いえ、暑くて埃っぽいインドだからこそ、夜はちゃんと汗を流し、ゆったりとお湯につかり、一日の疲れをとりたいものです。
というわけで、インドのホテルでのお風呂を取り巻く状況を比較してみましょう。
*注1:比較はあくまでも私の実体験により、客観的かつ冷静な分析と、個人的うらみによる主観的偏見が混ざったものです。
*注2:高級並びに最高級ホテルに関しては、ほとんど想像の世界です。
高級、最高級ホテルでは、バスタブにたっぷりお湯が入れられます。
このあたりはあくまで想像になりますが、高級以上のホテルは全世界どこへ行っても設備と値段が同じようなものなので、インドでもそれほど遜色はないのではないかと思います。たぶんそうですので、あまり突っ込まず、先に進みたいと思います。
中級ホテルでも部屋のランクによってはバスタブがありますが、たいていバスタブに栓がなく、仕方がないのでタオルを丸めて詰めたりするのですが、お湯の出が悪いためバスタブにお湯を満たすことはまず不可能です。
しかし、お湯を貯めると水が茶色いのが気になって、ちょっと気持ち悪かったりしますので、栓がないのは返って良い事なのかもしれません。
低級ホテルではバスタブはなく、シャワーしかありません。
それでも電気式のボイラーがついていて、お湯が使えるところが多いです。
ただどうしてもお湯が出て来ず、水シャワーで我慢することも多々ありますが、ずーと後になってから、フロントに電話して電源を入れてもらわないとボイラーが作動しないことを知り、すっごく損した気持ちになることもありますので注意が必要です。
また、シャワーのノズルがなく、蛇口から出るお湯をバケツに貯めて使う所もありますが、蛇口からお湯が出るのはまだいい方で、従業員がバケツにお湯を入れて運んで来るというところもあります。この方式ですと、風呂の途中でお湯を追加するのが難しく、お湯を使う配分にとても気を使います。
このほかにも水シャワーのみのところや、共同シャワーのみの所もあり、つまりは「いつでも」「容易に」「豊富に」「お湯を」使えるかどうかで、ホテルの値段も変わって来るわけです。
*このメルマガの後半へ続く
〔本題〕実際のメルマガではここに新着情報などが載ります。
*このメルマガの前半からの続きです。
次に「エアコン」というものを比較してみます。
最近経済成長目覚しいインドですが、まだまだエアコンは贅沢品です。
なにしろ都市部でも電力事情があまりよろしくなく、停電などもよく起こりますので、電気を大量に使うエアコンなどが各家庭に普及するのはもう少し先になるのではないでしょうか。
考えてみれば日本だって、私が子どもの頃には家庭にエアコンなどというものはなく、こと我が家に関しては「あぶない」との理由から、長いこと扇風機すらなかったのであります。
では、インドのホテルに於ける冷房対策とは、どのようなものがあるのでしょうか。
まず、高級、最高級ホテルは全館冷房というやつで、常に建物の中は快適な温度に調整されています。
まあこの辺のところは、日本の公共施設ではごく普通のことですので、特にあらためて申す必要はないでしょう。
これが中級になりますと、各客室にエアコンが設置されています。
最近では日本の壁掛けタイプ(普通に家庭などで見られるやつです)みたいなものが普及して参りましたが、ちょっと前までは壁に四角い穴を開け、そこにすっぽりはめ込むタイプのものが主流でした。
まあエアコンがついているだけでもとてもありがたいのですが、全館冷房ではないので廊下はすごく暑いです。さらに外壁も日中の熱をたっぷりと溜め込んでいますので、猛暑の時季に下手な部屋に泊まるとエアコンがほとんど効かず、エアコンをフル回転させても部屋の温度が35度から下がらないといったことも起こります。その時季にはなるべく日当たりの悪い下の方の階の部屋に泊まるのが良いでしょう。
さらにホテルのランクが下がりますと、インド式クーラーというものになります。
これは最近日本でも「冷風扇」というような呼び名で売られていますが、水の気化熱を利用したものです。
つまり、水の染みた布(インドの場合はワラのマットみたいなもの)にファンで風をあて、水が気化するときに熱を奪って行くのを利用して、涼しい風を作り出すというものです。
日本で売られているものは、移動可能な小さいものが主流ですが、インドの場合は前出のクーラーのように、壁に開けられた穴にはめ込んで使います。
そして低級のホテルになりますと、当然エアコンはなく、天井についた大きな三枚羽のファンが、ゆるゆると部屋の空気をかき回すのであります。
以上がインドのホテルライフにおける二大設備になりますが、この他にも、「あればいいなあ」という設備がいくつかありますので、箇条書きで紹介しておきます。
◎テレビ・・・もちろん番組が映らなければ意味がないのですが、映りの良し悪しの他にも、チャンネル数なども気になるところです。
◎冷蔵庫・・・高級以上のホテルではたいていあるでしょうが、最初から飲み物が詰められていて、長期滞在で自分のものを冷やしたい時には使いづらいです。(最初から入ってるビールは当然高いですしね)
◎窓・・・・・高級以上のホテルの客室には当然窓があり、おまけに眺望もよかったりしますが、中級以下では窓があっても隣の家がすぐ鼻の先だったり、エアコンが窓の大半を占有していたり、そもそも窓というものが存在しなかったりします。
◎バスタオル・これもあると便利です。なにしろ持って行かなくていいですから。
◎シーツ・・・安いホテルでもたいていシーツは敷いてありますが、毛布を使うときに、できれば直接毛布を体に掛けるのではなく、毛布と体を隔てるシーツがもう1枚欲しいと思います。また、毛布がいらない季節でも、なにも掛けずに寝るという行為は、結構不安になるものです。
◎トイレ・・・インドでは下痢をすることもしばしばですので、できればトイレは共同でないものを確保したいものです。
とまあ、思いつくままにインドのホテルでの「設備の基準」といったものを書き連ねてみましたが、まあお金さえ出せば快適なホテルに泊まれますし、節約しようと思えばいくらでも安いところはありますので、いろいろご検討してみて下さい。
次回もインドのホテルについて書く予定でおります。
では、また来週!