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2005年2月25日:パインズクラブ通信 第126号

         
  • 公開日:2022年8月10日
  • 最終更新日:2022年8月20日

暦の上では・・・

スギ花粉の季節です。

東京など関東では一昨日(2/23)春一番が吹きました。
気温も4月並みに上がり、花粉もぶんぶん飛んだようです。

私、そんな日に限って外出してまして、せっかく「引きこもり療法」で今年の花粉を乗り切ろうとしていたのに、一発でやられてしまいました。

もちろんちゃんとマスクをして家を出たのですが、電車に乗ってから外してしまったのです。なにしろマスクをしてるとメガネが曇って本も読めないんです。普段から難しい漢字などは読めないのですが、メガネが曇るとひらがなでさえ満足に読めなくなるのです。

それでも途中で鼻がムズムズしてきたら、素早くマスクをしようと準備だけはしていたのですが、目的地の新宿に着くまでまったく大丈夫でした。

だから「おっ、もしかしたらこれは花粉症が治ったのでは」と思い、試しに外へ出た後もマスクなしで通しました。そして本当にクシャミはおろか鼻がムズリとすることもなく、用事を済ませ無事家に帰り着いたのです。それはアレルギー克服の感動すべき瞬間でした。

「やったぞ! 発症から20年、私は幾多の苦難に打ち勝ち、花粉症克服という大事業を達成したのだ! 今年の花見は盛大に行おう!」

ところがです。
夜中からアレルギー症状が出始めました。
鼻がつまるところまではいかないのですが、鼻から口に抜ける空気穴、そうあの舌を丸めて後ろに反らして天井を触るとぶよぶよしてるあそこです。あそこが炎症を起こしたようになって気持ち悪いのです。そしてクシャミを一発すると、それがそのぶよぶよ天井を刺激して、次なるクシャミが誘発されるという、まさしく無限地獄の様を呈するのであります。

朝など気温が低いと、もうそれだけでクシャミが出てしまい、くっしゃんくっしゃんとうるさいのなんのって、ツバくさいのなんのって・・・

さらに昨日になると症状はますます悪化し、夜ビールを飲み始めるとクシャミが止まらなくなってしまいました。

ところが今年はまだ医者に行っていなかったために薬がありません。
本当はインドに行く前に医者に行き、花粉症の薬だけでなく、風邪気味なんですと言っては風邪薬をもらい、腹の具合もあまりよくないと言っては下痢止めを出してもらい、頭の調子がどーも・・・と言ってはカナヅチで殴ってもらったりするのですが、今年はまだ行ってなかったのです。

しかしあまりの苦しさに耐え切れず、かといってビールを飲むのを途中でやめてしまうのは実に惜しいので、薬箱をかきまわして古い薬を引っ張り出しました。

「はっくし! あったあった、へっくし!・・・もう大丈夫だ、ひっくし!」

まずは点鼻薬の表記ラベルをみると「2003.10」って書いてあります。
どうやらそのくらいまでに使わないと味が落ちてしまうようです。
もうひとつあったので、そちらを見ますと「2003.9」でした。
こちらはもっと味が変わっていそうです。

まあこの際味なんかどうでもいいや!っと鼻にしゅこしゅこ薬を噴霧し、お次は飲み薬です。

飲み薬の方は去年のものが見つかりましたが、その薬は服用するともう眠くて仕方がなくなるのであまり飲みたくないのです。しかしビールに眠気は換えられないと思い飲みました。もちろんビールでです。

注:私はすでに脳が少し(いやホントに少しね)やられてるのでいいのですが、普通の人は決してこんなことをしてはいけません。

おかげで薬はよく効いて、今朝は眠くてしかたありませんでした。
そしてその症状は午前中から午後3時頃までずーと続いてしまい、頭がうまく働かないので重要な仕事はできません。そこでメルマガを書く事にしたのです。
だから誤字脱字があったり、内容があんまりおもしろくなくても、今回は文句を言ってはいけないのです。

さて、ニュースなどではしきりに「今年のスギ花粉は例年の30倍の量です」とか言っております。

信じられますか?30倍ですよ、30倍。

最近ではスギ花粉対策として、花粉を出なくする薬を杉の木に注射したりする実験も始まっているようですが、それで本当に大丈夫なのでしょうか。

害虫駆除などでも殺虫剤を使いますと、その薬では死なない特異体質の虫が生き残り繁殖するケースがあると聞きます。つまりその虫はもう以前の薬では殺せないものとなるわけです。あーおそろしい。

スギの花粉も薬では発生を抑えられない特異体質なものが生き残り、そいつがまたとてつもないアレルギーを引き起す原因となり、鼻どころか顔全体がぱんぱんに腫れてしまうようになったら、シャツを脱いだりするときにさぞかし大変でしょう。そう考えますと怖くておちおち呼吸もできません。

こういった対処方法は、下手をすると「開発」と「進化」の繰り返しになり、泥沼化する恐れがあります。ちょうどハッカーとセキュリティーの開発競争の様にきりがなくなるのです。

害虫駆除の方ですと、ガンマ線を照射した不妊のメスを放ちオスと交尾させることによって種を根絶やしにするという方法があり、実際にその方法でウリミバエに有効な打撃を与えた実績もあるようです。

この方法なんかは非常にユニークな発想です。「邪魔者は消す」のではなく、甘いエサで「骨抜き」にするようなやり方です。

スパイものの映画などでも、特殊諜報員に美女を近づけ骨抜きにしてしまうというのがありますが、そんな感じでしょうか。

とにかくそのものが持つ特性を利用してしまうのは、なかなかいい方法でしょう。

スギ花粉だってなにも好き好んでヒトの鼻の中に入って来るわけではないわけです。彼らだって本当なら、ステキなメシベにくっつきたいのです。だれがあんなおやじのきたない鼻毛に引っかかりたくて生まれて来るもんですか。それなのにあのおやじったら「鼻の出口のところが腫れちゃって気持ち悪い」なんて言うんだもんな。気持ち悪いのはこっちの方だい!

なのでここはそういうスギ花粉の性質を利用してしまいましょう。

とにかくスギ花粉はメシベにくっつきたいんです。
スギ花粉はみんな「あー、ぜひともメシベとお近づきになりたいなあ。おれなんか結構いい家庭を作る自信があるんだけどなあ。そしたら花粉なんてどんどん作っちゃうんだけどなあ」なんてことを思っているわけですね。

しかし、スギ界では慢性的なメシベ不足で結婚できない花粉が多いのです。

そこで、人工の「スギメシベ」ってのを作りまして、杉の木の近くに置くんです。

すると本物のメシベにくっつくことができずに、「じゃあ、おれたち町の方へ行って、ナンパでもして来るかな」っていうような、メシベにあぶれた花粉たちを、根こそぎゲットできるってえ寸法です。これでもうスギ花粉が人里まで下りることはなくなるのであります。

どうです。スギ花粉の心理を見事に利用した解決策じゃあありませんか。

「うむ、でかしたぞ! その方、あっぱれじゃ!」

「ははっ~~ぁ カブンなお褒めのお言葉、ありがたきシアワセ!」

 

*このメルマガの後半へ続く

〔本題〕実際のメルマガではここに新着情報などが載ります。

*このメルマガの前半からの続きです。

 

まあこれからしばらくは花粉に泣かされる日々が続くのですが、もうハナなんかかんでばかりいますので、カサカサになって痛くてしかたありません。

最近は少しやわらかめのティッシュがありまして、これですとハナにも優しいのですが、その分価格が高かったりしますのであまり思う存分使えません。

それでも昔に比べれば、こういう紙事情はよくなりましたね。

私はさすがに新聞紙でハナをかんで、顔を真っ黒にした年代ではありませんが、子どもの頃はティッシュなんてなかったです。

じゃあなにを使っていたかといいますと、それは「チリガミ」なわけです。

チリガミはもともと便所(あえてトイレとは言わない)で使う紙です。B5かA4くらいの大きさの四角い紙で、粗末な材質のものでした。その頃はほとんどの家庭が水洗便所ではありませんでしたから、トイレットペーパーなど使わず、みーんなチリガミを使っていたのです。トイレの中にはチリガミを置くためのカゴなんてもんが置いてありまして、中にはお菓子の入っていた紙箱などを利用している家庭もありました。そしてそのチリガミでハナもかんだわけです。

ではなぜ「チリガミ」という名前かというと、それは南米はチリから渡来したる紙というわけではなく、漢字では「塵紙」と書くことから、「塵」を集めて作った紙なのでありましょう。だから材質が粗末なんですね。

さて、学校へ持っていく必需品として、チリガミはハンカチと並んでメジャーな存在でした。それに比べれば「名札」なんていうものは序列が低いのです。だいたいにおいて、ハンカチ、チリガミ、名札、給食袋というのがその順番かと思います。そんなわけで昔の子どもは、みんなポケットに折りたたんだチリガミを持っていたものです。

そして中学校に上がり、制服着用の生活ともなりますと、もうチリガミは長期間制服の上着のポケットに入れたままの存在となってしまいます。
もともと素材が粗末なチリガミは、長期間ポケットに入れておくと、日々の活動で徐々に元の「チリ」に返って行ってしまいます。だんだん周りがボロボロになり、ワタボコリ化してゆくのです。
だからたまに使おうとしてポケットからチリガミを取り出しますと、分解したチリが辺りに舞い上がり、窓から差し込む光がくっきりと空気中に浮かび上がって見えたもんです。
そしてチリガミの外側3枚くらいはすでに使い物にならず、内側の比較的無傷なものを選んで使用するのですが、内側のものとはいえ折り目がそうとうに弱っているため、ハナなどかむとやぶけてしまうのです。そんなでした。

学校ではクラスに保健委員なるものがおり、時折「衛生検査」なんてのをやりまして、クラス全員のハンカチ、チリガミの保有状況、または爪が伸びていないかなどを調べて表に記入したりしたもんです。まったく余計なお世話です。

そして中学2年になったとき、やはりクラスで行われた衛生検査で、机の上に折りたたんだチリガミを出しましたところ、

「あっ! 本当の『チリガミ』だ!」

などと保健委員の女子がゆーわけです。

その時になってようやく他の友だちのものを観察してみれば、そんなものを持っているものはおらず、いつの間にやらみんなはビニール袋に入った紙を持っているではありませんか。

えっ!いつの間に・・・

というようなわけで、日本人はもはやチリガミを持ち歩かなくなったのです。

なのにいまだに「チリガミ」という言葉はあり、古新聞と交換してくれるものがトイレットペーパーであるというのに、「チリガミ交換」などと言うのです。

このように、すでにその「物」は激しい時代の流れの中で消えてゆきつつあるというのに、その言葉だけは厳然と残っているものが他にもあります。

たとえば「下駄箱」です。

だれも下駄なんぞ入れていないのに「下駄箱」なんです。

「筆箱」なんてものもあります。

一本も筆など入っていないのに「筆箱」なんです。

これが「カニ入りシューマイ」だったらどうでしょうか?

カニの入っていないカニ入りシューマイだったら、きっとみんな怒るはずです。

食品などではこれだけ内容物の表記が厳しくなっているというのにです。また他の商品などでも、不当表示がやかましく叫ばれているというのにです。

なぜ、フデバコなのか。なぜ、ゲタバコなのか。なぜ、チリガミなのか。

とてもフシギに思うわけです。

そこんとこ! おかしかないか? あん?

あっ、

すみません・・・

薬の効き目で眠たくて体もだるいものですから、ついつい物にあたってしまいました。どうやら気持ちが少し荒れているようです。

でももちろん、元々そんな気などなかったのです。

みんなあのスギ花粉のせいで、「荒れる気」になってしまったんです。


さて、そんな花粉ともおさらばです。
私は明後日(2/27)インドへ旅立ちます。
ですから次回のメルマガは、インドからのものとなります。

今の見込みですと、3月1日(火)あたりに配信できるのではないかと思っておりますが、多少前後してしまうかもしれません。

でも必ず現地より熱いレポートをお送りさせて頂きますので、お楽しみに!

それでは、次回はインドからです!

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