これはインドに限ったことではありませんが、旅先で絵ハガキを買おうとすると何枚かのセットになってしまっていて、欲しい絵柄だけが買えないということがよくあります。
そりゃあどれもその土地の名所だとか美しい風景だとかが写っているのだとは思うのですが、「この土地ならこの風景だろ」という定番というのがあると思うわけですよ。たとえばフランスならエッフェル塔とか、イタリアならピサの斜塔とか、京都なら京都タワーとかです。
で、ここマハーバリプラムならなんといってもクリシュナのバターボールなわけですよ、わたし的にはですけどね。
ところがここでも絵ハガキはセット販売ばかりで、たまにバラ売りしている店を見つけても、やはり人気なのかバターボールのものが売り切れていたりするのです。
そこで私は宿の主人にそのことを相談してみました。つまり「バターボールの絵ハガキだけ手に入んないかなあ」と頼んでみたわけです。すると主人は「よし!さっそく行こう!」と、私をバイクの後ろに乗せると颯爽と走り出しました。さすが地元生まれの地元育ち(たぶん)、小さなマハーバリプラムの町のことならなんでも知っているという頼もしさです。
ところが主人は店の並ぶ通りに出るとバイクのスピードを緩め、目を凝らして一軒一軒店の中を覗き込んでいるようです。そして目星を付けた店の前でバイクを止めると、「この店で聞いてみろ」というのです。
なんだよお~、特別なルートを知ってるとか、せめて心当たりがあるとかじゃなかったのかよお~
残念ながらその店でもバターボールの絵ハガキは手に入らず、今度は作戦を変えて観光スポットにいる絵ハガキ売りに直接交渉してみることにしました。
もちろんその交渉も私が自分でやるのであって、主人はただ横で黙ってバイクにまたがっているだけです。
結局ちょっと割高にはなりましたが、セット販売のものを崩してもらってバターボールの絵ハガキだけを手に入れることができましたが、宿の主人はバイクを運転しただけでたいして役には立ちませんでした。まったく何年ここに住んでんだよ・・・
しかし私が絵ハガキのセットを崩してしまったために、もしかしたらその後バターボールなしの絵ハガキセットを買わされてしまった人が7人くらい出てしまったかもしれないと思うと、ちょっと心が痛まないでもないのでありました。
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