現在私はインドの首都ニューデリーにおります。
本日から何回か、現地発のなまめかしい・・・いえ、生々しい情報をお届けしたいと思います。
ではさっそく、始まり始まりぃ~
暦の上では・・・
いよいよ風薫る5月も最終日となり、明日からは6月なわけです。あたりまえですが。
6月と言いますと・・・えーと・・・
なんかイベントに乏しい月ですねえ・・・
あー、夏至だゲシ、ゲシがあったでげし。
と、そんな失笑を買うようなことをわざわざインドから書いているわけなのですが、インドはまさしく夏至を前に、凶暴なまでの太陽がぎらぎらぎんぎん、キンは百歳ギンも百歳、ひゃっひゃっひゃあ、と強烈に照り付けております。
気温は昨日(5/30)で40度ちょいという感じでして、熱風がかなり強く吹き荒れたりなんかしておりました。
今回のエア・インディアは、ほぼ定刻通りの運行となりました。
ニューデリー空港到着後、私は二番目に機外に出たのですが、そのあとの廊下で前のインド人のおっさんを抜き去り、見事今年の「福男」を手にするほどの迅速さでした。
なにしろ昨年の11月に来た時には、入国審査に長い列ができていて、1時間も待たされてしまったのです。なのでできるだけ早く列に並ぶ方が有利に決まっているのです。そうなのです。
そんな努力の甲斐あって、一番でたどり着いた入国審査場なのですが、なんとそこにはひとっ子ひとり、けろっこデメタン一匹いませんでした。
なのに、長蛇の列をコントロールするためにジグザグに張り巡らされた帯状ロープが設置されており、最短距離である直線で入国審査のおっさんのところへ行かれないのです。すぐそこにおっさんはいるというのに、顔が見えているというのに、はみ出た鼻毛すら見えているというのに。ああ、それなのにそれなのに、無情のロープは2人を引き離し・・・
あっ、入国審査までの話でこんなぐだぐだ書いてたら、インドの話にならないじゃあないですか。
まあ、とにかく私は巨大迷路のような、それでいて周りからは丸見えのジグザグ通路を、早足でくねくねと間抜けに通り過ぎ、無事入国を許されたのであります。
そんな具合で、今回はフライトから入国、滞在先到着までものすごく順調に進み、その後の私の幸多きインド滞在を祝福しているかのようでした。
しかし、ここで油断してはいけないのがインドなのです。
あまりの順調さにいい気になっていると、思わぬところで足をすくわれるのです。
その点私はインドのベテランですから、そういうヘマはありません。
いつも心に緊張感を持ち、それでいて常に笑顔で振舞うということのできる紳士なのです。
その「紳士」を試される機会は、驚くほど早くやって来ました。
初日の朝、市内中心部のコンノートプレイスに行こうと乗ったオートリキシャが、交差点で停止中にいきなり「ぱん!」という破裂音を上げたかと思うと、エンジンが止まってしまいました。
外に下りた運転手は、私を乗せたまま路肩までリキシャを押して行き、そこで修理と相成ったわけですが、もともと大きな交差点でかなり交通量の多いところである上に、その時間帯は通勤通学時間のために大型バスなども頻繁に行き交っています。そのまま車内に留まっていては、追突でもされたらイチコロです。そこで私はリキシャを下り、道端の小さな木陰で修理を見守ることにしました。
故障の原因は点火プラグが抜けたことでした。
いいですか、点火プラグのソケットではないのですよ。点火プラグ自体が抜けてしまったのですよ。
きっとネジ山がバカになりかけていたのでしょう。それでシリンダー内の圧力に耐えかねて、ぱん!と抜けてしまったのでしょう。
運転手は工具と予備の点火プラグを持ち出すと、せっせと修理をすませ、道端の木陰で待つ私に向かって「乗れ」という仕草をしました。
私は日陰を出て、リキシャの後部座席に収まり、いよいよエンジンスタートとなるわけですが、これがならないのです。エンジンはスターターには反応せず、相変わらず沈黙を続けています。
再び運転手は修理に取り掛かり、私は道端の木陰へ移動し、修理を見守ります。そして、修理完了、乗り込む、エンジンスタート、やっぱりダメ。
これを4回くらい繰り返しました。
その間も乗客を満載したバスが赤信号で止まり、その窓からたくさんのインド人の目が、交差点で止まってしまった邪魔なオートリキシャと、そのそばで所在無くたたずむ間抜けな日本人をじろじろ見下ろすのでした。
でも、そんな時でも私は笑顔を忘れず、穏やかな表情で修理が終わるのを暖かく見守り続けていたのであります。うそ。
そんなわけで今回も始まりましたインドレポートですが、次回からはいよいよ街に繰り出します。
暑い暑いデリーの街角から、熱い熱いレポートをお届け致します。
乞うご期待!