私の滞在中マハーバリプラムはお祭りの真っ最中でしたが、同時になにかの選挙が近いようで、そちらもお祭り騒ぎのようでした。なるほど政治のことを「マツリゴト」と言うわけです。とにかくこの小さな町の至る所に候補者や政党のポスターが貼られ、頭上には政党のトレードマークが印刷された政党色の小旗が張り巡らされ、パチンコ屋の開店祝いの花輪のような大きな立て看板まで設置される始末です。
まあ私はポスターを見ても字が読めず、演説を聞いても言葉がわからず、そっと手にお金を握らされて「どうぞよろしく」と微笑みかけられても選挙権がありませんのでまったくの蚊帳の外なわけです。
で、それは街中にいる動物たちも同じでありまして、彼らは選挙のなんたるかをまったく理解しておりませんので、ヤギはこうして壁のポスターをむしゃむしゃと食べてしまいます。でもってウシもこの通りポスターをむしゃむしゃ食べてしまいます。子どもの頃「ヤギは紙を食べる」ということを知り、その数年後今度は「ホントはヤギだって草の方が好き」という話を聞かされ認識を改めたのですが、この歳にしてまたまた「でもやっぱヤギは紙が好き」という衝撃のジジツを目の当たりにして、もう何を信じていいのかわからなくなりました。
ただハッキリ言えることは、この選挙で一番得をしているのはこのヤギやウシたちであろうということと、動物はポスターを剥がしても選挙違反には問われないであろうということなのであります。
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