南インド随一の美しさと言われるコヴァラム・ビーチへは、トリヴァンドラムからローカルバスで簡単に行くことができます。
バスが出ているのはイースト・フォート・バススタンドで、場所はシュリー・パドマナーバスワミー寺院と道を挟んだ反対側です。
ただしコヴァラム・ビーチ行きのバスはターミナル内ではなく、道沿いにある9番の乗り場から出ます。バススタンドを出発したバスは、椰子の林に囲まれたなかなかいい雰囲気の田舎道を、途中何度も停車しながら進んで行きます。ちなみにこの椰子の林で隔てられたずっと右の方には新しいバイパス道が通っていて、オートリキシャやタクシーでビーチを目指す際には、そちらを通ることになります。
こうしたインドのローカルバスはまだワンマン化されていません(というかその気配すらありません)ので、常に車掌(男です)が乗務しているのですが、その車掌の仕事というのがなかなか重要でありまして、たとえば天井に這わせた紐を引いては、運転手の頭上近くにある鐘を鳴らし、乗客が乗降する際の停車や発車のタイミングを知らせたりするのです。まあこれは昔の日本のバスでも同じで、ただ日本の場合は鐘を鳴らすのではなく、車掌がピッ!と笛を吹いて知らせていたというだけの違いなのであります。(インドでも笛を使っているバスもあります)
やがてバスは田舎道からバイパス道へ出ます。道が広くなった分もっと遠くまで景色が見渡せ、一面に広がる椰子の林、いえ、椰子のジャングルがいやがうえにも南国情緒を掻き立てるじゃあありませんか。
なお、なんだか変な四角いものが空の一部を隠しておりますが、これはバスのフロントガラスの汚れです。
どうやらガラスに糊で貼った紙が取れずに残ったもののようなのですが、だいたいなんでそんなところに貼っちゃったのかなあ・・・
やがてバスはバイパス道から右に反れ、はるか左下に海を見ながら何度かカーブを曲がり、コヴァラム・ビーチのバスターミナルに到着します。トリヴァンドラムから約30分、料金は9ルピー(約18円)という手軽なバスの旅(というほどのものでもありませんが)で、しかも土地の人たちと触れ合うこともできますので、なかなかお勧めなのであります。
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