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階段は地中深くへと続いていたのだ:アーマダバード

         
  • 公開日:2010年8月3日
  • 最終更新日:2022年6月3日

アーマダバードにある「ダーダー・ハリの階段井戸」にやって参りました。ここはアーマダバード駅からは2kmほどしか離れていない所なのですが、駅近くから乗ったオートリキシャのドライバー氏に「Dada Hari Wav」と何度か繰り返し言っても、私の発音が悪いのかそれとも本当に知らなかったのかとにかくよくわかってもらえず、ドライバー氏は近くの屋台のおやじとなにやら相談した挙句、頼んでもいないジャイナ教寺院に連れて行ってくれたのでありました。

そして私は予定外のジャイナ教寺院見学を終え、再びオートリキシャをつかまえようやくここに辿り着いたのですが、着いてみればなるほどここはちょっと引っ込んだ場所でわかりづらいのかもしれません。

井戸の入口付近には、おそらく近所の住民であろう老若男(女性はいませんでした)が集まり、世間話(たぶん)などしながらのんびりとしています。

そもそもアーマダバードは外国人観光客の少ない街ではありますが、それにしても世界的に知られた井戸(ガイドブック談)だというのに、観光客は他にひと組いるだけで、寂しいったらありゃしません。さて、そんな希少な外国人旅行者がドデッと座っているここが階段の最上段でありまして、この階段をどんどんどんどん降りて行きますってえと、やがて水の湧き出す井戸の底に到着するってえ寸法で、それがためにここを「階段井戸」と言うわけです。

ではさっそく井戸の底へと降りて行ってみましょう。この井戸は1499年に、時のスルタンのハーレムにいた女性ダーダー・ハリが造らせたものということで、内部は美しい彫刻で飾られています。

地上から井戸までは約20mの深さで四層から五層くらいの建築構造(数えなかったのでうろ覚えです)になっておりまして、外気温が35℃くらいに上がったこの日でも内部はひんやりとして涼しく、絶好のお昼寝ポイントになりそうです。

階段を降り切ったところには、このような四角い穴がありました。中に水が溜まっていませんので、井戸ではなく囲炉裏という可能性も捨てきれませんが、もちろんそんなわけはなく、昔はちゃんと水の湧き出る井戸だったようです。

ただしこの井戸は飲料用のものではなく、主に涼を取るためのものだったそうです。

う~む、するとかつてはこの穴の周りにハーレムの女性たちがたくさん座り、足でぴちゃぴちゃ水を跳ね上げ、「やっだぁ~、冷たい~ん!」なんてキャッキャッしていたのでありましょうか、うふふ。

そんな四角い井戸から上を振り仰ぎますと、そこは何層にもなった(だからたぶん四層か五層だと思うのですが、数えてないのでわからないのです)八角形の楼のようになっていて、おそらく上の階でも涼を楽しむことができたのではないでしょうか。ここで一度地上に戻って、上からこの階段井戸の様子を見てみましょう。

ほら、そこにちょっと突き出ているのが、地底八角楼の最上部になるわけです。

それでは今度は上から下を覗いて見ましょう。

どうです、四層か五層かよくわからないでしょう、ははっ。この八角楼のそばにはこうした螺旋階段も設置されていますので、今度はこいつを降りてもう一度井戸の底まで行ってみましょう。かなり狭いですから、途中で詰まってしまわないように注意しましょう。

さあ、再び底まで降りて来ました。

そして先ほどの四角い井戸のその奥を覗きますと、ほら、ありました。
この円形のものがこの階段井戸の心臓部とも言える本当の井戸なのです。こちらの井戸も今はすっかり水が枯れてしまっていますが、きっと昔は満々と水を湛えたところにこうして光が降り注ぎ、それはもうきれいだったことでしょう。

またまた地上に戻って参りました。

先ほどから下がったり上がったりと忙しいですが、ここが円形井戸の上になります。ここも今は廃墟のような感じになっておりますが、おそらく昔はここに滑車が掛かっていて、桶で水をばんばん汲み上げては、そこに見える石造りの水路にざぶざぶと流し込んでいたのでありましょう。

とまあ、これがダーダー・ハリの階段井戸の概要になりますが、井戸の規模に比べてずいぶんと大がかり(過ぎる)な構造だなあと、ちょっとあきれてしまったというのが正直なところなのであります。

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