昨日の昼から何も食べていない。
つまりほぼ24時間何も食べていないということで、さすがに何か食べなくてはと思う。
長引く下痢ですっかり体力が落ちてしまいふらふらではあるが、食事と見物を兼ねて旧市街へ向かうことにした。
ホテルの前の通りステーションロードを北東に進み、ロータリーの交差点を緩やかに左折すると、コンクリートの壁沿いに衣料品の露店がたくさん並んでいた。
まだ本格的に開店していないのか、あちらこちらの路上に服の入った包みが置いてある。
たぶん新品の服だとは思うのだが、こんな風に無造作に投げ出してあると古着だと思ってしまう。
あらかじめ見たバーヴナガルの地図では、この道を少し行くと近距離用のバススタンドがあり、その近くに「チャイニーズ」の名を冠した店があるようなので、そこに行こうと思っていたのだが、バススタンドがあるはずの場所はオートリキシャのたまり場になっていた。
さらにお目当ての食堂も見つからないので、とりあえず適当な路地に入ってみる。
路地を抜けると賑やかな場所に出た。たぶんここが旧市街のメインストリートなのだろう。
通りに面した家はなかなか豪壮なベランダを持ち、その昔はこの街が今よりずっと栄えていたであろうことがわかる。
また三叉路には漁船を思わせる古い家が建っていた。
この家が船のように見えるのは、鋭角の先端を覆うようにブリキ板が貼られていることに加え、少しかしいでいるのがまるで波にもまれているように見えるからだろう。もしこれが本当の船なら、さしづめ取り舵(左旋回)を切っているところであろうか。映画「ジョーズ」を思い出してしまう。
しばらくバザールをうろついたが、適当な食堂が見つからない。
だんだん面倒になり、また限界を超えてしまったのかあまり空腹を感じないので、露店の果物屋でバナナを買うことにした。しかもたったの二本だけ。これが今夜と明朝の食事となるのである。ちなみに値段は10ルピー(約16円)だった。
もう昼飯を食べるのを完全にあきらめたので、代わりにサムズアップを飲む。こいつは20ルピー(約32円)である。
サムズアップはインド独自の炭酸飲料で、コーラというかドクター・ペッパーというか、とにかくそういう代物である。
私は日本にいる時はほとんどコーラの類を飲まないが、インドに行くとよく飲む。
同様にM字印のハンバーガーも日本ではまず食べないが、インドではたまに食べる。
こんなことを言ってはなんだが、すきっ腹にまずいものなし、ということか。
*情報はすべて2016年11月時点のものです。
[dfads params=’groups=39&limit=1′]