〔当時のメモより〕 *金額に関しては当時の1ルピー(Rs.と略す)のレートを約1.7円とお考え下さい。 2013年11月24日(日)ブジ 晴 ポストは宿の目の前に小さな郵便局があり、その前に吊るされていた。 11:30 リキシャに乗り駅へ Rs.50 水 Rs.15 定刻出発 12:25 |
〔以下メモに解説を加えて〕
2013年11月24日(日)ブジ 晴
11時頃宿に戻り、荷物を持って下りる。
チェックアウト
宿代@Rs.500x5=Rs.2500
朝食代計Rs.580(3日分)
合計Rs.3080
宿代はともかくとして、朝食代など細々した代金はその都度払わないと不明朗会計になっていけない。
といっても不当な額を請求されたわけではない。宿の主人と額を突き合わせ、「これは払った」「これはまだ」とひとつずつ確認しなければならなかったということ。
こちらもウソはついていないし、主人の方も素直にそれを信じてくれたので問題はなし。
ちょっと心配だったのが、一度はランドリーに出し、三日間も預かってもらっていたズボン代が計上されているかもしれないということだったが、さすがにそれはなかった。
呼んでもらったオートリキシャも到着し、いよいよお別れである。
ご丁寧にみんなして玄関まで見送りに来てくれた。それでは、みんさんさようなら。ご主人ありがとうございました。従業員のおっさん、洗濯は毎日やれよ。
ポストは宿の目の前に小さな郵便局があり、その前に吊るされていた。
ブジで書いた絵ハガキは、当然ブジから送りたい。
オートリキシャにポストのある場所で止まってもらおうと、宿の主人にポストの在りかを聞くと、なんとまあ宿の向かいが郵便局であった。日曜日で郵便局は閉まっていたのでポストに投函。
11:30 リキシャに乗り駅へ Rs.50
思えばブジでオートリキシャに乗るのはこれが初めてだった。駅まではほんの10分かそこらであったが、大の大人が二人とその荷物を載せて50ルピーは安いと思う。
ブジ駅は意外にも新しくてきれいな駅だった。でも西の最果ての駅にはもっと古い駅舎の方が似合うと思う。
せめてこの地方の民家風にすればよかったのに。
駅に着いてまずすることといえば、乗車予定の列車の発着確認である。
われわれがこれから乗るのは、電光掲示板一番上の「ALAHAZRAT EX」で予定通りのようである。ちなみにブジの時刻表には毎日4~6本の列車が載っている。ただしそのうち毎日運行があるのは3本のみで、あとは曜日によってあったりなかったりする。
で、今日は日曜日なので、12時25分発の次はなんと19時50分までない。
水 Rs.15
サムズアップ Rs.35
サモサ Rs.8
アルー・ワダ Rs.6
列車の発着確認が終われば、次は腹ごしらえと食料調達である。
列車本数は少ないが、ちゃんと売店があるところが偉い。私は昨日のポップコーンがまだ残っているので飲み物だけ買った。
サムズアップは今飲んで、水は列車に持ち込む。
アル―・ワダとはジャガイモの入った揚げパンのようなもので、ビニール袋に入れられたカレー汁に浸けて食べる。
それにしてもベンチまでステンレス製できれいである。とにかく発着本数が少ない上に終着&始発駅であるからして、すべての列車は1番線、つまりは駅舎を出たすぐのホームから出る。乗車予定の列車はすでに入線していたが、エアコン付の車両はあまり早く乗り込むのは考え物である。
なぜならまだ冷房が効いておらず、窓も開かないので暑くて仕方ないのである。
今回の旅は一か月前に急遽Y棒が参加することになり、切符の手配などをすべてやり直すことになったのだが、この列車では席が離れてしまった。
一人は向かい合わせの四人用席の上段ベッドである。そしてもう一人は通路を挟んだ二人用席の上段ベッドとなる。二人掛けの席は自分の空間だけをカーテンで仕切れるので、誰にも邪魔されたくない時などは実にいい席である。
長旅で疲れていた私は、本来Y棒の名前となっていた二人用の上段ベッドをさっさと押さえ、これから始まる長い列車旅を少しでも快適に過ごそうと目論んだ。
定刻出発 12:25
さすが始発駅、列車は定刻通りにゆっくりと動き出した。
ホームでは見送りに来た人たちが、まるで映画の一シーンのように手を振っているが、それはあたかも私に向かって振られてるように見える。いや、実際私に向かって振っているのではないだろうか。まあスモークフィルムが貼られた窓なので、あちらからは中がよく見えず適当に振っているという可能性もあるが。
とにかく私は、ポップコーンをつまむ手をしばし休め、指先の塩をパラパラと落とすと、万感の思いで手を振りかえしたのであった。
さようなら、みんな
さようなら、ブジ
そしてさようなら、グジャラート
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これにて2013年11月に行ったグジャラートの旅・実録編はおしまいです。
今回もまた長期間にわたりだらだらとやってしまいましたが、最後までお付き合い頂きありがとうございました。
なお、お話は列車がブジを出たところでおしまいとなりましたが、実際の旅はそれから26時間列車に乗り続けるというものでした。
列車に乗り込むや素早くY棒のベッドを横取りした私でしたが、出発してしばらくして乗り込んで来た周囲の乗客たちが、まだ明るいというのにどんどんカーテンを閉めて寝てしまったため、窓もない二人用上段ベッドに押し込まれる形となり、外の景色も見えず、従って時の流れもよく把握できぬまま、長い長い一夜を過ごさねばなりませんでした。
そんな私の頼りは、愛用のウォークマンに入れた膨大な量の昭和歌謡の名曲たちでしたが、さすがのソニー・ウォークマンも26時間もの再生には耐えられず、翌日の午前中、キャンディーズの危ない土曜日を歌い終えることなく、私を置き去りにして静かに深い眠りに就いたのでありました。
ああ、26時間とはかくも長きものかな・・・
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