「おかあさん!天然果汁100パーセントのものしかジュースって言わないんだよ!」
なんてことを母親に訴えるふりをして、全国のお茶の間のみなさんに訴えかけるというCMが昔ありました。
確かに、アメリカなどでは天然果汁100パーセントのものだけを「ジュース」と呼び、それ以外は「エード」と呼ぶということです。
なのでグラスに氷を入れジュースを注ぎますと、そのグラスの中身は初めは確かに「ジュース」なのですが、氷が溶け出して参りますと果汁の純度が落ち「エード」になってしまうわけです。
つまり飲んでるうちに違う飲み物に変化してしまうと言うことです。恐ろしいことです。
さて、そんな屁理屈はどうでもよくて、今回は果汁100パーセントのフルーツジュースのお話です。
日本でもデパートの地下や大きな駅の構内などでフレッシュジュースのスタンドを見かけます。
たいていカウンターの上にミキサーが何台か置いてありまして、メロンやバナナなんかを投入しては「ぎゅい~ん!」なんて音を高らかに撒き散らし、「ほら、おいしそうでしょ。今まさにフルーツを入れて作ってるんだからね」なんてことを主張していたりします。まったく生ツバごくりです。
実はそんなフレッシュジュースの店は、インドの街角ではそこらじゅうで見かけられるのです。
それがまた安くておいしいんです!もう一度飲んだらヤミツキになります!
それでは、そんなインドのジュース屋さんを覗いて見ましょう。
どうです、この色鮮やかなこと!
後方に控えるマックが霞んでしまうほどです。
このお店ではフレッシュジュース以外にも色々な種類のジュース・・・いえ、エードを扱っています。
一番手前のビンは「アップル・ビア(Apple Beer)」というものです。
と言いましても、アルコール分は微塵も含まれておらず、早い話ただのリンゴジュース・・・いえ、リンゴエードです。
他にも様々なエード類やミネラルウォーターにはさまれながらも、その存在感を遺憾なく発揮しているフルーツたちがおわかりになるかと思います。
緑色の丸いのはミカンです。そして赤いのはザクロで、ぼさぼさの葉っぱだけ見えているのがパイナップルです。まあこの時季(6月)の主要3種と言ってよいのではないでしょうか。
(おっさんの目の前のカゴに山盛りになっているのは、ザクロの実を外したものです)
まずジュース屋のおっさんはズダ袋の中からミカンを取り出します。
まあこの工程はあえて説明するほどのものではなく、写真を見て頂ければわかりますよね。
まさか台風に備えて土嚢を積んでいるようには見えないかとは思いますが、何か書かないとスペースが空いてマヌケな感じになってしまいますのでタラタラ書いてます。
あー、やっと次の工程に進んだぞ。
皮のむき方は、外皮の厚み分だけナイフでタテにスジを入れ、ぺろっぺろっと素早くむいていきます。
その手際のよさは見ていて気持ちがいいくらいです。
マニアになりますと、その技が見たいがためにジュースを注文するほどなのです。(うそ)
さあ、いよいよジューサーにミカンを投入してジュースにします。
おっさんがジャマでよく見えないですね。
ここが一番肝心なところなのになあ。
まあとにかく手回しハンドル式ジューサーにミカンを数個投入して、専用の「押し棒」でぐりぐり押しながらハンドルをがらがら回します。
すると、さっきまで丸い形をしていたミカンが液体になって出て来るではありませんか。つまりその液体は「ミカン汁」なわけです。そりゃそうですね。
そのミカン汁は漉し網を通して器に集められます。
器の中には砕いた氷の破片が入っておりまして、まあ「多少は冷やそう」という心遣いが見て取れます。
ただその程度では気温43度の「常温」のミカン汁がおいそれと冷やされるわけがありません。むしろ「あ~、氷はやめてくれえ!腹壊しそうだよ。そのままでいいよ、そのままで!」と言いたくなります。
さらにジュースの中に塩などを入れたりもしますが、店によっては入れるか入れないかを聞いてくれたりしますので、まあその辺はお好みで選べます。(たぶん)
さあ、いよいよジュースが完成しました!
その完成作品をお見せしたかったのですが、このお店ではすぐにジュースを手渡されてしまいましたので、写真が撮れませんでした。
そこで、別のお店の写真を掲載させて頂きます。
おっさんの右手に持っているジョッキ1杯でだいたい20ルピー(50~60円)くらいです。
あっ、ザクロジュースはちょっと高くて、30ルピーくらいします。
ただ初めに予算を言えば、それに見合った量だけ作ってくれると思います。
またお店によってはグラスの大きさを選べるところもあります。
みなさんもインドに行ったらチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
ただし!
その後のことは、私は保証できませんけど・・・