今日のインドも快晴です。気温も40度に達するでしょう。
(もうかなりだいぶ前からここまで定型文になりました)
改めましてこんにちは、デリーの隊長です。
夕べ残り半分のパイナップルを食べようと、洗面台のところで皮の部分を切っておりましたところ、外皮のあの茶色いのがぽろぽろと洗面台の流しに落ちてしまいました。
そのままでは排水パイプが詰まってしまいますので、そいつを手で取り去ったのですが、見ればすでに排水口のところにも茶色っぽいカスが入り込んでいます。
おっ、こりゃいかん!とそいつを摘まもうとしたら・・・・
しゃらしゃらしゃら・・・・動きました。
パイナップルの皮じゃなくて、ムカデだったのです。
その後ムカデは多量の水によって、その渦巻きに巻かれて消え去りました。
はたしてそのときムカデはあのたくさんの手足でバイバイをしていたかは、私の視力では判断不可能でありました。う~ん残念。
それでは今日もくそ暑いデリーからお届け致します。
【本題開始】
週末が近づきみなさまの心にも余裕が出てきたのか、たくさんの書き込みを頂き、私の心にも余裕が出て来ました。
今日は少しぐらいのことでインド人とケンカをするのは止めましょう。
さて、そんな書き込みの中からイニシャル「G」さんのご質問にお答え致しましょう。
「インドを旅するアジア人は多いですか?それはなに人ですか?」
といった内容のものです。
今インドは酷暑季ですので旅行者自体少ないのですが、それでもいますよ、アジア人。
それではどこの国の人が多いのか?ということの答えを握るカギとして、今私が使っているパソコン(メインバザールの某ネットカフェのもの)で使える言語(フォント)を見ればある程度が分かります。
ちょっと待って下さい・・・今確認しますから・・・
えーと、出てきた順に言いますと、英語、ヘブライ語、日本語、韓国語、中国語・・・ですね。
メインバザールあたりのネットカフェでも、3年前は日本語の使えるパソコンは限られていて、始めに確認せず、うっかり使い始めて日本語が出なかったりすることもありました。ましてや韓国語や中国語は少なかったと思います。
またもうひとつの目安に、今インド人はアジア人を見たときに、どこの国を連想するか?というものがあります。
調査方法は簡単です。
いくらクリーン・アップ作戦で以前より静かになったとはいえ、まだまだ声を掛けてくる人はいます。そしてそういうやつは必ず「どこから来たの?」と聞いてきますので、すかさず「当ててみな」と問い返すのです。
私の調査(?)では、今デリーでこの問いに対して返って来る答えの輝く第一位!は「韓国」です。
その他の答えとしては「日本」「ネパール」あたりが多いようです。(これはその人の顔つきによっても違いがあるとは思いますが)
以上のふたつの点からだいたいのご想像をして頂くということで、私の回答とさせて頂きたいと思います。
さて、以前より「静かになったデリー」ということは毎回のようにお伝えしておりますが、その「静か」という意味は「わずらわしくない」といった意味でありまして、「静寂」とは違うのであります。
街の騒音は相変わらずものすごく、特に車のクラクションの音には参ってしまいます。
いくら車の後ろに「HORN PLEASE」と書いてあるとはいえ、あれはクラクションの鳴らし過ぎですね。
今回も顔見知りの通称「バルジ」とこちらが勝手に呼んでいるの男のタクシーを何度か使用したのですが、まあしょっちゅうクラクションを鳴らすこと鳴らすこと・・・
あんなに鳴らされると後部座席におとなしく座っているだけの私まで、「おいこら!どけどけ!ニッポン人様のお通りだぞ、オラ!」と言ってるように思われて、交差点で停車したところを車から引きずり出され、殴る蹴る、つねるくすぐるの暴行を加えられたあげく、「ニッポン人ならハラキリをやれ!それができなきゃゲイシャをやれ!それもできなきゃスキヤキをやれ!」などと迫られる可能性だって考えられます。
まずいでしょ、インドでスキヤキは・・・
バルジは前の車が少しでももたつくとクラクションを鳴らします。
走りの遅いオートリキシャにもビービー鳴らします。
痩せた男のこぐサイクルリキシャにもビービーです。
自転車や歩行者にもビービーです。
警察の車にもビービー・・・・
おいおい、頼むぞバルジ! 警察を怒らせないでくれ、頼む・・・
昨日ホテルへ向う時に乗ったオートリキシャも、それはもうビービー、ビービーとのべつまくなしに鳴らしまくります。
ところが後ろからもっとやかましい車が近づいて来ました。しかもすごいスピードです。
それにはさすがのオートリキシャの運転手も道を譲りました。
私のすぐ脇を猛スピードで通り過ぎていったのは、赤い大きな消防車でした。そしてその消防車が走り去っていった方向を見ますと、なにやら黒い煙が立ち昇っているではありませんか。
そうです、火事なのです。
オートリキシャから降りた私はさっそく現場へと急行しました。
火事現場はわりと広い道路の交差する角の建物で、私の泊まっているホテルからも程近い位置にあり、そのあたりでは一番の繁華街でもあります。
4階建ての建物からは相変わらず黒煙が立ち昇り、野次馬が埋め尽くす通り一帯にも煙がたちこめています。
広い交差点の角の建物なので商業的にもよい立地なのですが、消火活動にもよい立地です。
大きな消防車も建物に面するふたつの道路に2台ずつ停められ、各方面から一斉放水が始まり、一気に火は沈下に向うやと思ったのですが、なぜか消火活動、つまりは放水をしているのは1台だけなのです。
私の見ている場所から言いますと、燃えている建物の右手の消防車の1台のみが放水をしています。
そうこうしているうちに、3階部分の火の勢いが増し、めらめらと盛大に燃え広がり始めました。
その炎が一番激しく燃えているのは、私から見て左手方面でしたので、右手からの放水では水が届きづらい位置なのです。
そしてその手前、つまりは私と同じ位置にも大きな消防車が2台も停まっており、その上には消防士が立っているのです。なぜ消さん?
すでにその時点で、その4階建ての建物はほぼ全焼状態ではあったのですが、ここらあたりの建物は隣とくっついて造られているので、いくらレンガ造りとはいえあれでは類焼も免れません。
野次馬からも消防士に向って「そこじゃなくて、あっちだあっち!」みたいな指示が飛びます。
そして恐ろしいことに燃えている建物の隣の建物の屋上にも人がいて、身を乗り出して指示を与えています。そんなことより非難したほうがいいんじゃないかと、見ていて気が気じゃありませんでした。
野次馬の指示を受け、放水目標を3階部分に絞り込み、さあ、ばんばん水を入れちゃってくださいよぉ~、と思ったら、あらら水が止まっちゃったじゃありませんか。
消防士もホースを持ったまま、ちょっと困ったような顔をしています。
そりゃそうでしょ、火のほうは休まず燃えてるんですから。
ホースからは時折水が力なく出るくらいで、とても3階まで届きません。
あー、もう万事休すだ! この繁華街は一面火の海になってしまい、私の泊まっているホテルにまで火の手が及び、せっかく洗濯して乾いたパンツもみんな燃えてしまうのだ。私はパンツを2枚しか持っていないんだぞ。なんとかしろよぉ~!デリー消防署よぉ~!
もうすべてが灰に帰してしまうかに思えたその時、私の前に停まっていた消防車の上で、「ったく、しょうがねえなあ~」みたいな緩慢な身のこなしで、ようやく消防士が放水準備を始めました。
その放水開始までに要した時間は非常に長く感じられたのですが、一旦放水を始めるとそこはさすが消防士!一気に火の喉元に水を突き入れ、あっというまに火を消し止めてしまったではありませんか!
つーか、なんでもっと早くやんなかったの?えっ!
建物からはまだ白煙が上がっておりますが、すでに現場の建物には別の消防士が入り込み、普通の細いホースでちょろちょろとお花に水をやるような感じで最後の仕上げをしているようです。
また屋上にも偉そうな消防官が上がり、トランシーバー片手になにやら報告のようなことをしています。一番かっこいい役です。
そのようなわけで、このくそ暑い中での火事だったのですが、周りの人の雰囲気からは死者その他行方不明者などは出ていない様子で、野次馬たちも三々五々散らばっていったのであります。
しかしようやく火事騒動が収まり、平穏を取り戻した商店街にまたしても大騒音を撒き散らしながら現れた一団がありました。
私もつい、3本のビールで重くなったリュックを背負っていることも忘れ、道端でその一団が近づいて来るのを眺めていました。
近くまで進んで来たその一団を見ますと、どうやら選挙がらみの車の列のようです。
先頭の大きなトラックには、インド国旗に右手のマークが染め抜かれた旗がひるがえっています。
ボディーのいたるところには、ソニア・ガンディーとその他の候補者らしき人のポスターがべたべたと貼られ、荷台にはたくさんの支持者らしき人たちが乗り込み、沿道の人々に手を振ったりなんかしています。
その一団は、かつてインド共和国初代首相ネルーを始め、インディラ・ガンディー、ラジブ・ガンディーなどの首相を輩出してきた国民会議派の一団でした。
さすがに現党首でちょっと顔の怖いおばさんであるソニア・ガンディー本人はいませんでしたが、その代わりにトラックの一番前の部分には、右手を高く掲げるソニアの全身像パネルが、ちゃんと輪郭をくりぬかれて取り付けられていたのであります。
その姿は、今は野党に甘んじている国民会議派を、なんとかもとの与党に戻したいという強い意志が現れているようにも見えましたが、なんせ混雑する商店街の道路ゆえ、さすがの選挙カーの運転手もクラクションを鳴らしまくっては前を行くサイクルリキシャをあおるものですから、ソニアの右手がサイクルリキシャの車夫の後頭部を「おい、早く走れよ!うらうら!」と、小突き回しているようにも見えたのであります。
いつにも増して騒々しい一日もこうして暮れて行きました。
【本題終了】
ついに今回のデリー滞在も今日と明日の2日のみとなってしまいました。
明日は移動日ですので、もしかしたらメルマガを出せないかもしれません。
でも帰国後もインドの話題を中心に、こんな感じのメルマガを配信し続けますので、どうぞよろしくお願い致します。