すでにインドに来てから4度目の朝を迎えました。
今日のデリーも快晴!気温もどんどん上がるでしょう。やれやれ・・・
さて、さっそく今日もインドの話題を始めさせて頂きます。
【本題開始】
前回のお話は「エアコンのせいで安眠できなかった」というものでした。
今回はその続きとなります。
まずは前回の最後の部分から入らせて頂きます。
しかし!
しかし私の安眠を妨害するものは、文明の利器の落ちこぼれ的エアコンだけではなかったのです!
それは・・・
それは虫の波状攻撃でした。
部屋の床に小さいアリが何匹か歩いているのはすでに気づいていました。
でもそれくらいは中級の下の身分では仕方がないだろうと、あまり気にしないようにして眠りについたのです。
夜中に目が覚めたのはエアコンのせいだけではなく、腕のかゆみでもありました。
どうやら部屋に蚊がいたようです。
私は普段から蚊が一匹でもいると安眠どころかうたた寝もできない根性なし・・・・ではなく、繊細な神経の持ち主なのです。
そんな私なので、蚊に刺されたかゆみで目が覚めてしまいますと、部屋中の電気を点けまわり蚊を一匹残らず叩き潰さなければ気が済みません。
しかもここはインドです。インドには蚊が媒介する怖い病気がたくさんあるのです。マラリアとデング熱とかです。
たぶんご存知かと思いますが、人気が出て天狗になったマライヤ・キャリーの話をしてるんじゃなくて、病気の名前を言ってるわけです。
さて、とにかく部屋の電気を全部点けたのですが、私を刺した不埒な蚊はいずこに飛び去ったものか見当たりません。
そこで私はいったんトイレに行くことにしました。
その後の蚊の探索作業及び撃滅作戦には、かなりの時間が予想されますので、その前に身を軽くしておこうと思ったのです。
そして私は用を足そうと洋式便器に対峙し、ふと床を見るとなにやら黒っぽい物体があるじゃありませんか。
トイレの床は大理石風の白い石の床なのですが、そこになにやら息をひそめている「何か」がたしかにいます。
私は寝ぼけ眼を凝らしてもう一度よぉ~く見てみました。
それは一匹のゴキブリでした。
色と大きさは日本の茶羽ゴキブリと同じようです。
しかしここはインドですので油断はできません。
なにか恐ろしい武器を持って人を襲う恐ろしい「インド茶羽ゴキブリモドキ」とかいったものかもしれません。
さらには何か悪い病気を運ぶ「天狗マライヤ・キャリー」かもしれません。
とにかくインドの虫には充分警戒しなければならないでしょう。
私はそのゴキブリを殲滅しなけらばならない!と決意しました。
このままでは平和な生活を望む私の生活が脅かされててしまいます。
もっと具体的に言えば、寝ている顔にあのぬらぬらの体とギザギザの足で張り付かれたらとても気持ち悪いです。
トイレとベッドはドアを隔てて1メートル足らずの距離なのです。
そしてドアの下にはゴキブリが立って歩けるほども隙間が空いているのです。その可能性は充分すぎるくらいに考えられるのです。
とにかく私はゴキブリと戦う武器を探しました。
日本ですとゴキブリに対してはスリッパという図式が一般的です。
一瞬今履いているスリッパでと思ったのですが、これは私の私物です。
しかも旅行用の携帯式スリッパなので底も薄く、そんな底にあのゴキブリのぬらぬら体液及びもげたギザギザ足の2、3本が張り付いてしまったら気持ち悪いです。
そのスリッパはもう二度と履けなくなり、明日からは片足だけ裸足で過ごさなければならなくなります。それは困ります。
そこで私は再度武器探しを始めました。
そしたら、ありました。格好の武器が。
それはプラスチック製の手桶でした。
その手桶はインド人のみならず、インドに行った人なら誰でもお世話になる、用便後のケツ洗い用の手桶です。
そんな手桶がバスルームにあること自体が「中級ホテル」の証拠です。
しかしここではその手桶が別の用途で役立つわけです。
高級ホテルではこうはいかないでしょう。
もっとも高級ホテルではゴキブリも出ないかもしれませんが・・・
私は慎重にその手桶の「取っ手の部分」を持ちました。
うっかり桶のふちをさわってしまうと、なんだかばっちい感じがするからです。
さていよいよ攻撃に移ろうとすると、ゴキブリは便器の根元(?)のパイプの下に入り込んでしまいました。
その位置ではちょっと手桶攻撃はできません。
そこで私はゴキブリをそのパイプの下から外へ追い出すべく、至近距離の床を手桶で叩いてみることにしました。
ぱっこ~ん!
大きな音に驚いたゴキブリは、私の意図した通りすばやく外に出て来ました。
私はすかさず手桶の攻撃を加えます。
ぱっこ~ん!
しかしゴキブリも命が惜しいのか、卑怯にもまたパイプの下に入ってしまいます。
そこで再び追い立てのための威嚇攻撃を加えます。
ぱっこ~ん!
そして出てくるゴキブリ。それを叩き潰そうとする私。
ぱっこ~ん!
逃げるゴキブリ。それを追い出そうとする私。
ぱっこ~ん!
出てくるゴキブリ。それを叩き潰そうとする私。
ぱっこ~ん!
逃げるゴキブリ。それを追い出そうとする私。
ぱっこ~ん!
出てくるゴキブリ。それを叩き潰そうとする私。
ぱっこ~ん!
逃げるゴキブリ。それを追い出そうとする私。
ぱっこ~ん!
はあはあはあはあはあ・・・・
夜中の中級ホテルの角部屋からは、時ならぬ手桶ドラムの音が鳴り響き、ホテル関係者は、あの日本人を隅っこの部屋に押し込んだのは、やはり正解だったと思ったことでしょう。
しかし私の執拗な攻撃に対し、さすがの凶暴インド茶羽ゴキブリモドキもついには力尽き、その亡骸はトイレの渦に巻き込まれて消えていきました。
壮絶な戦いを経て、ようやく安泰な市民生活に戻るべく、私はベッドに上がりました。
そしてまた何気なく床に目をやりますと・・・
今度はムカデです。
体長約7cmくらいのムカデが、壁沿いの床をせわしなく行ったり来たりしています。
私は先ほどの戦いでかなり疲労しておりましたので、どうしようかなぁと考えてしまいました。
しかし私の寝顔の上をあのムカデの無数の足がざわざわと歩き回ったらと想像すると、もうそれだけでぞぉーとしてしまい、やはり平和な市民生活を守るためにもう一度戦わねばと意を決し、のろのろとバスルームへ唯一の武器であるケツ洗い手桶を取りに行ったのです。
ところが私が武器を手に戻って来たときには、ムカデはあの無数の足をフル稼働させ、ちょうどスタビライザーの裏側に逃げ込むところでした。
スタビライザーというのは、電気事情の悪いインドで電圧を安定させるための装置で、コンセントと電気器具の間に置く一抱えもある鉄の箱です。
そんな装置の裏側に逃げ込んだムカデを深追いすると、感電してしまう恐れがあります。
なにしろインドの電圧は230Vもあるのです。冗談じゃ済みません。
しかしそのスタビライザーは私のベッドのすぐ脇のテーブル下に収納されているため、私はムカデの隠棲場所とはごくごく近い場所で寝なければならないのです。
私はしばらくの間スタビライザーを睨みつけていましたが、ムカデが出てくる気配はありませんでした。
そこで私はベッドに横になりながら、どうかあのムカデがベッドに上がって来ませんように!そしてどうかもっと恐ろしい虫、たとえばサソリなんかが出現しませんように!とインドの神に祈ったのでした。
ムカデやサソリに比べれば、蚊なんてどうってことないや・・・
なんだあれくらい! あんなの蚊に刺されたくらいにしか感じないぞ!
インドに来て、少したくましくなった私でした。
【本題終了】
きょうで3回目のインドからのメルマガです。
すでにうんざりしている方もいらっしゃることでしょう。
でも、またすぐに出します!
インドの虫に負けないくらいにしつこくしつこく・・・
まだインドには1週間以上おりますので、何かインドに関してのご質問などございましたら、メールや掲示板でお受け致します。
できる範囲ではありますが、なんとかお答えしていけるようにします。
それでは、また明日!(たぶん)