インドのホテルの鍵に関しての第二弾です。
以前のお話にも、主役の南京錠とともにカンヌキが登場し、部屋の外からカンヌキを掛けられてしまった時の恐怖というものを書いたのですが、それではそのカンヌキとはどんなものなのか?ということで、この写真なのですよ。どうです、なんとも頑丈そうでしょう。
さて、カンヌキというものを漢字で書くと「閂」となります。象形文字から発達した漢字界に於いても、なんともまったく象形な文字ではありませんか。
ではもう一度ご覧下さい。「閂」
まったく見れば見るほどカンヌキで、もうそれ以外の何ものでもなく、門構えの中に横棒が一本がっちりと効いているその姿は、大人が三人掛りでも開きそうにない感じがして実にすばらしいものです。
というわけで、カンヌキは扉に棒を横たえるだけで立派な戸締りとなるわけですが、この写真のものはそれがステンレス製で、しかも閂の「一」の部分の太さが10円玉ほどもあるのです。
さらにその「一」がはまり込む穴は、ドアの周りのコンクリートに直接明けられたものなので、ますますもって頑丈この上ないわけです。
こんな丈夫なカンヌキを、ほんの出来心でガシャリと掛けられたらたまりません。
そうなるともう部屋の中からはどうすることもできないのです。
それでも部屋の中に4、5人の屈強な男たちと、電信柱くらいの太い棒と、そいつをみんなで抱えて助走をつけられるくらいのスペースがあるならば、全員一致協力の下、晴れてドアを突き破り、そのまま勢い余って向かい側の部屋のドアまで突き破れるかもしれませんが、まあそれは現実的ではありません。
では、もし本当にそんな事態になってしまったらどうしましょう?
そんな時は慌てず騒がず、フロントに電話をして開けてもらえばいいのです。
でも、英語で「カンヌキ」って何て言うのでしょうか?
門がゲートで棒がバーですから、ゲートバー、略してゲイバーとでもいうのでしょうか?
そこで辞書で調べてみましたら、バー(bar)だけで良いようです。
そして「bar」は動詞として「カンヌキを掛ける」となり、「unbar」で「カンヌキを開ける」となるようなのです。
さあ、これでもう安心して部屋の中でくつろげます。
カンヌキを掛けたきゃ、いつでも掛ければいーのです。
ガシャリ!
ん?
あっ、電話機がない・・・
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