ちょうどお昼頃、わりと大きな街でバスは長めの停車をしました。
するとすかさず物売りがわっ!とバスに取り付いて来たのですが、窓からカメラを向けたこともあってここだけ必要以上に集まって来てしまいました。こうなると物売りも目立ったもの勝ちになるわけですが、この中ではやはりそこの一本眉毛のおにいさんの勝ちですかね。なんだかその昔郷ひろみのモノマネで世に出て、その後海釣りに行って行方不明になり、記憶喪失になって小田原で保護された人みたいです。
このバスの座席はインドの路線バスでは定番の右側三人掛け左側二人掛けとなっていて、二人旅の私たちは本来なら左側の二人掛けに座った方が快適なのですが、事前に地図で走る方向を確認しましたら、右側の方が直射日光をまともに受けずに済みそうだったので、三人掛けの席に座りました。まあ始発の時点では乗車率が50%くらいでしたので、このまま三人掛けに二人という余裕のある座り方で行けたらなあと思っていたのですが、そんな甘い期待はたった5分後に打ち砕かれたわけです。
で、私の左隣に乗り込んで来たのがこのおっさんです。
そもそも席の一人分が狭めな上に、このがっしりとした体格で私の方へ常に圧力をかけて来るのです。しかもひっきりなしに携帯電話で大声で話しをするものですから、私ははっきり言って不快で不快でたまりませんでした。
しかしバルメールへ到着した時、このおっさんはそれが自分の義務であるかのように、勝手のわからぬ私たちを、とりあえずの目標地点である鉄道駅まで案内してくれました。
いやあ、インド人って本当に親切な人が多いです。特に期待をしていなかった時に受ける親切は感動すら覚えます。
義務を果たし立ち去ろうとするおっさんにお礼を言い、写真を撮らせてもらいました。
すると先ほどまで不快だったこの顔が、まるでチャールズ・ブロンソンのように良い顔に見えて来るから不思議です。
おじさん、あごに何か着いてるよ。
えっ? ここか? ごしごし・・・
う~ん、マンダム
*情報はすべて2010年3月時点のものです。