インド亜大陸最南端のカニャークマリ。ヒンドゥー教の聖地であるここでは、毎日たくさんの信者が海で沐浴をします。
そんなガート(沐浴場)で、黙々とザルで海中をさらう男が一人・・・私はすぐそこで買ったポップコーンを食べながら、「ふ~ん、こんなところでもアサリ獲りなんかするんだなあ~」と思って眺めていたのですが、やがて男はザルの中に何かを見つけると、それを持ってたくさんの人が集まっているすぐ横の浜辺へと向かいました。
あれ?なんだろう? と思いながらなおも男の行動を観察していると、男は目星をつけた老夫婦に、手のひらに乗せたなにやら小さなものを見せています。
しかし老夫婦はそれを見て小さく首を振りました。
すると男は、また違う女性に手のひらの小さなものを見せ、そしてまた首を振られています。
ははぁ~ん、おそらく男は海の中から沐浴した人が落とした物を見つけ出し、それの持ち主を探しては謝礼をもらうことを商売にしているのではないでしょうか。まああくまでも私の観察と推理によるものですが、たぶんそうだと思います。
男が見つけ出した物が貴金属品なら、なにも持ち主を見つけ出さなくても換金できるでしょうが、その物になにかしらの思い出がからんでいる持ち主に返した方が、きっと感謝され実勢価格以上の謝礼をもらえることでしょう。
でもこの商売、水中から物を探すより、人中から落とし主を探し出す方が数倍難しいかもしれません。それに中には失くした恋にけじめをつけるために、海にリングを投げた人だっているかもしれませんしねえ。
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