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2007年10月12日:パインズクラブ通信 第281号

         
  • 公開日:2022年8月14日
  • 最終更新日:2022年8月20日

暦の上では・・・

ようやく秋雨前線も弱まり、秋本番といった気配が漂う今日この頃です。

で、月並みですがスポーツの秋ということで、今年も始めましたよ、早朝のウォーキング!

えー、まあ、「今年も」ってことは、昨年一度始めて途中でやめちゃってるということになるのですが、今年の私は去年とはちょっと違うのです!

実は8月の終わり頃、実に数年ぶりに健康診断を受けました。
数年ぶりということは、言い換えれば「今世紀初!」ということになるのですが、お陰さまで私は、今世紀に入って医者に行くのは花粉症の薬をもらうときくらいで、まあ健康優良児・・・あー、子どもじゃないから「児」じゃないなあ・・・健康優良じ・・・じい?だったのです。

で、先日その結果が手元に届きました。

内容はと申しますと、やはりお酒の飲みすぎのようで、脂質系と肝機能が最高ランクの「F」でした。やった!
数値的に見ますと(私はそーゆーのがよくわかんないのですが)以下のようになります。

【脂質系】()内は基準値

 総コレステロール 305 mg/dl(150~199)
 中性脂肪 1158 mg/dl(149以下)

【肝機能】()内は基準値

 AST 61 U/l(8~40)
 ALT 68 U/l(5~35)
 γ-GTP 265 U/l(59以下)

以上の項目が「F」判定だったのですが、実際のところどうなんでしょう?

確かに中性脂肪の数値はなんだかすごそうですが、あとはちょっと基準値を超えてるといった程度で、それほどのことはなさそうに思えます。

でもまあ、やっぱりたまにはお酒を飲まない日を作って、毎日きちんと運動することは必要かもしれないなあ・・・でもなあ・・・

なんて感じで、この診断結果を見てもこれといった自覚症状がないものですから、あまり真剣に考えようとしない私だったのでありますが、そんな時にひとつの小包が私の手元に届けられたのでございます。

なんだろう?

 

*このメルマガの後半へ続く

〔本題〕実際のメルマガではここに新着情報などが載ります。

*このメルマガの前半からの続きです。

 

手元に届いたのは茶色い書籍小包でした。

宛先は確かに私の名前なのですが、通販で本を注文した覚えはありません。
差出人は「二見書房」とあるだけで、他にはなにも書いてありません。
書籍小包なので包の横にあけられた窓から中を覗いて見たのですが、背表紙が反対側を向いていて何の本だかわかりません。

そんなあやしい小包を、うっかり開けてしまって代金を請求されてしまったらどうしよう・・・と少々びびりながら、万が一の返品に備えて後ろ側のガムテープを慎重にはがそうとしたのですが、あわれ薄い段ボール紙の包はガムテープの粘着力に絡め取られたままびりびりと・・・ああ、びりびりと・・破れていったのでございます・・・よよよよよ。

うわっ、これでは返品不可で代金払うしかないじゃないかあ!
どーしよー、すっげー高い本だったら・・・

しかしまあ、考えてみたら本自体を破いたわけではありませんので、まさか勝手に送り付けて来て、「封筒代払え!おら!」なんて超法規的恐喝をする人もいないでしょう。
あとはやはり本自体にすごい値段、たとえば5万円とかが書いてあって、ご丁寧に振込用紙なんてのも入っていて、「期限までにお支払い下さい」なんて手紙まで添えてあり、やんわりとお金を要求して来る手口というオソレも無きにしも非ずなのです。

そんな心理状態の震える指で、封筒の中身を取り出してみましたら、それはやはり本だった(あたりまえですが)のでありまして、そしてその表紙に知人の名前を発見したのであります。

題名は「ふらふら日記」というもので、表紙と帯は明るい色合いなのですが、「脊髄小脳変性症」という見慣れない文字と、「不治の病」という見慣れているけどあまり見たくない文字が書かれています。

私は一瞬「・・・?」な状態になりましたが、同封されていた手紙(印刷物です。なんせ書籍扱いですので)を読んでようやく著者である知人はある病気にかかっていて、そのことを綴った本だということがわかりました。

これでこの本が送られて来た経緯がわかり、変な恐喝まがいのものではないことがわかって安心したのですが、それと同時に知人の身に起こっている出来事にとても驚いたのです。

内容は著者が「脊髄小脳変性症」という難病と診断される経緯から、その治療の過程、著者なりの闘いなどを記録したものなのですが、元々は著者がパソコンに書き溜めていたもの(後にブログとして発表したもの)を活字化した形で、2003年7月20日から2006年8月14日までの流れが記録されています。

で、さっそく読んでみました。

ふ~ん・・・そうだったのか・・・ぜんぜん知らなかった・・・

私とその本の著者やまざきたけし氏(以下通称の「たけけ」と表記)は、私が新宿でお店を開いていた時に知り合いました。

実はその本にもちらっとその時の記述が出て来ていて(なにしろ元々はたけけさんの個人的記録でしたので)、それによると初めてお会いしたのは2003年の12月6日(土)だったようです。
まあその辺の記述は、「ついでにパインズクラブに寄ったりして」という程度で、その日の中の「たけけ用事ランキング」ではかなり低い順位だったわけで、もしかして当店に来る途中で美女に声をかけられたら間違いなくそちらへシフトしてしまい、また途中で犬のうんこを踏んでしまったらそのまま家へ泣きながら帰ってしまい、お会いすることはなかったかもしれないという程度のことだったのであります。(まあ犬のうんこを踏んだ足でご来店頂いても、ちょっと困るのですが)

そんな「ついで」来店ではありましたが、実際にお話しをして(その前に某掲示板では交流がありましたが)、なぜだか私はたけけさんにとても好意を持ってしまったのです。なのでここでの記述も「知人」ではなく「友人」としたいところなのですが、通常お会いするのが飲み会くらいでありまして、しかも今では年一回の忘年会くらいになっておりますので、「友人」とするにはいささかずうずうしいかと思い、一歩離れて「知人」としました。
ああ、ふたりにもっと時間があれば、深い仲にもなれたのに・・・よよよ。

で、ですよ、いくらたまにしか会わないといっても、たけけさんの病気のことをまったく知らない(まあ病名までとはいいませんが)というのは、実におかしな話なのです。
なにしろこの本によれば、「脊髄小脳変性症」というのは「運動をつかさどる小脳の萎縮により、ふらつき、歩行障害といった運動失調などが現れる神経疾患の総称」とあるのです。つまり、外見的な症状が伴いますので、見たらちょっとはわかりそうなものなのです。それを本を読んで初めて知るとは、なんて鈍いのでしょう。

これはもちろん私側に責任(「なん」の「責任」かよくわかりませんが)がありまして、私はあまり人の外見や行動に深い詮索をしないタチでして、ちょっと変わった人(この場合はたけけさんのことを言ってるわけじゃあありませんよ)を見ても、「そういう人もいるよね」くらいにしか思わないのです。
こうした意識は他人に対して先入観とか偏見とかを持ちづらくするので良いのですが、逆に言えば無関心ということにもなりかねず、今回の件では、本を読んで初めて「あっ!と驚くタメゴロウ」になってしまったのです。

ごめんよ、たけけさん。

と、長々とたけけさんの本を題材に書いて参りましたが、ここでようやく私のウォーキングの話に戻るのでございます。

とにかくいくつかFランクの判定を受けたというのに、一向に改善する意欲の湧かない私のところに、たけけさんの闘病記(みたいなもの、と本人談)が届き、それを読んで知ることとなった、日頃からのたけけさんのがんばりにいたく感服し、私も負けちゃあいられないと思ったのです。

そして始めたウォーキングなのですが、それだけじゃあありません。
やはり昨年のメルマガでも宣言した「節酒」なのですが、今年はもうそんな生易しいもんじゃありません。

「原則禁酒」なのです!

とは言っても絶対にお酒を飲まないのではなく、たまの飲み会などでは飲むのです。でも基本はあくまでも「禁酒」なのです。
今までは「お酒を飲みます」スイッチが常にONだったのを、OFFにするのですね。

はたしてできるでしょうか?

本を読んでから今日までまだお酒を飲んでいません。
これは十二指腸潰瘍を患ってるとき以来の新記録です。

でも、はたして本当にできるのでしょうか?

くじけそうになった時、また「ふらふら日記」を読みます。

たけけさん!
事情や状態は違っても、私も自分自身と闘います!

あっ、これでようやく、知人から戦友へと前進したのかもしれません。

最後になりましたが、読書の秋でもあります。ぜひみなさんもこのやまざきたけし著「ふらふら日記」二見書房刊を書店で手にとってみて下さい。そしてよかったら買って下さい。
もし立ち読みで済まされる方は、読んだ後は棚の目立つところへ戻すか、できれば平積みのところにさりげなく置かれることをお願い申し上げます。

それでは今回はこの辺で失礼致します。

また来週!

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