ブジでの宿はいつもシティ・ゲストハウスに決めている。
もっともそれはこちらが勝手に決めているだけで、予約も事前連絡もなにもなしに行くため、入れない可能性もある。
その場合は当然別の宿を探さないといけないので、そのためにも早い時間のブジ到着はありがたい。
うっかり路地を曲がり間違えたらしく少し迷ってしまったが、そんな時はアイーナ・マハルの場所を尋ねると解決する。アイーナ・マハル、そしてそれに隣接するプラグ・マハルはブジ随一の観光スポットであり、またシティ・ゲストハウスはそこから近いのでもう迷うことはない。
20分ほどで宿に到着。
やはりこの看板を見るとホッとする。
しかし事務所にも中庭にも誰もいなかった。たぶんオーナーは昼寝でもしているのだろう。
それにしても従業員の誰かがいてもいいのになあと思いながら、荷物を降ろし椅子に座ってしばし待つ。
15分ほどすると大きなリュックを担いだ青年が到着した。
イスラエルから来たという青年はじっと待つということをしないようで、「ちょっと叫んで来る」と言うや、本当に宿中「誰かいないか!」と叫んで回っていた。
そんなイスラエル青年の奮闘もむなしく、依然誰も出て来ない。
青年は飯を食って来ると言い、荷物を置いて出て行った。本当は私も誘われたのだが、実はどうしても行きたい食堂があったので遠慮をしておいた。
結局30分ほど待ったところでオーナーがやって来た。
部屋がかなり空いているというのは、事務所の壁に掛けられたルームキーを見てわかっていたので、その中から二階の一番奥の部屋を選んだ。そこならやたらに部屋の前を人が通らないので落ち着くのである。
部屋代は一泊500ルピー(約800円)であったが、Wi-Fiを利用するには一日単位の別料金が必要とのこと。
しかし私のタブレット端末はジャムナガルで突然壊れてしまったため、もうWi-Fiなどまったく不要なのだ。
トイレには相変わらず便座がなかった。
しかしこのタイプの便器は両サイドが大きく張り出していて、そこに上がってしゃがんで用を足すことができるので、インド人やある程度の年齢の日本人には(もちろん私も)便座がなくとも問題はないのである。
シャワーは基本的には水しか出ない。
しかし日中は太陽光で暖められた水が出る。そして朝、オーナーがシャワーを浴びる時間に合わせるとお湯が出たりする。
部屋にエアコンはないが、窓もドアも開け放ち、ベッドに横になって天井扇の風に踊る洗濯物を見上げたりしていると、しみじみと幸せを感じたりするのである。
*情報はすべて2016年11月時点のものです。
[dfads params=’groups=39&limit=1′]