当初の予定ではアーマダバード滞在は二泊三日であった。
しかしゆえあって一泊滞在を伸ばすことにした。
それでは宿泊費1400ルピー(約2300円)もの大金をはたいてまで滞在を伸ばした理由とはいったい何なのかと言うと、
それは、下痢なのである・・・
背に腹は代えられないと言うが、まさしくその通りなのだ。
そもそも私は胃腸があまり丈夫ではない。
高校生の頃は度々トイレに駆け込むことから「ゲーリー・クーパー」などと呼ばれもした。
そんな人間がインドに行くのである。下痢をしない方がおかしいのだ。
実際インドに来ると毎回下痢をする。
しかしその症状や軽重度は時として違い、今回の場合はやたらしつこく私をいじめるのである。
薬を飲むのもいいかもしれないが、私はあまり無理に下痢を止めたりしないようにしている。下手に止めると体の中に毒素が溜まるような気がするので、どちらかと言うと「悪い物は体から出す」という自然療法的なやり方を取るのである。
インドでの下痢の原因として考えられるのは、やはり香辛料と油であろう。
普段ならここにアルコール(主にビール)が加わるところだが、幸か不幸かグジャラート州は禁酒州なのでここに来てから、いや、列車に乗ってから、いやいや、その前の晩に飲んだのが最後でそれから一滴も飲んでいない。
ということでアーマダバードに来てからの食生活を再点検し、この下痢の根本原因をここに明らかにしようと思う。
ちなみにそれ以前の食事は、列車に乗る日の朝のバナナカード(バナナのヨーグルト掛け)が最後で、あとは水とチャイだけである。
まず到着した日であるが、これは先にお話しした通り朝食兼昼食として屋台のマトンカレーバーガーとコーラだった。辛くて実にうまかった。
そしてその晩であるが、マトンマサラとライスを食べた。
マトンマサラはマトンを各種香辛料で煮込んだカレーである。まあ早い話がマトンカレーバーガーと同じようなものなのだ。
こいつも辛くてうまかった。
翌朝はビスケットの朝食である。全部ではなく半分食べただけで、残りは大切に保管しておいた。
ちなみにこいつはデリー・ジャンクション駅の売店で買ったものなのだが、結局列車では食べずアーマダバードでの部屋食となった。
二日目の昼はこれ、ウッターパンというものである。
ウッターパンはインド風お好み焼きといったところで、焼くのに少量の油は使うかもしれないが別に辛くはない。
ただしウッターパンはあまり味がしないので、付け合わせのチリガーリックのペーストをベタベタつけて食べた。
またこの食堂のチリガーリックペーストが辛くてとてもおいしくて、帰国前にスパイス屋で同じようなものを見つけて持ち帰ったほど気に入った。
夕食は屋台の串焼きマトンバーガーである。
これは初日に準備中で食べられなかったあの串焼き屋台のもので、こいつも辛くて実にうまいのだ。
で、その日の夜は部屋でビスケット(公式表示は「チョコレートケーキ」なんだけど)の残りも食べた。
翌日が移動の予定で、そいつを持って行くのが面倒だったのでちょっと無理して全部食べたのだが、その直後から腹痛を伴う下痢となり、何度もトイレに駆け込むことになったばかりか、トイレのフラッシュバルブの調子もおかしくなり水が止まらなくなった。まったくトイレまで垂れ流しとは・・・
翌朝は本来なら出発の予定であったが、かなり体調が悪いためやむを得ず出発を断念した。
なにしろここからは路線バスでの移動なので、トイレの心配が付いて回るのだ。
フロントで宿泊を一日伸ばすことを告げ、この日は一日部屋でゆっくり過ごす。
朝食は完全に抜き(なにしろお菓子も全部食べちゃったし)、昼はルームサービスでアルーパラータを頼んだ。
アルーパラータとはジャガイモ(アルー)の入ったお好み焼きのようなものである。なのでウッターパンと似たようなものではあるが、使っている粉が違うのかちょっと歯ごたえが違う。
粉ものではあるが具がジャガイモなのでお腹にやさしいだろうと注文したのだが、生地にはさまれたジャガイモはピリ辛カレー味になっていた。
以上がアーマダバードでの主な食事であるが、このほかは水とチャイとジュースなどの水分を取ったくらいである。
とまあこう見返してみると下痢の原因は一目瞭然、それは本人の不摂生ゆえに相違なし!
なので下痢はこのあともまだまだ続くのであった。
*情報はすべて2016年11月時点のものです。
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