コヴァラム・ビーチでの食事といえば、やっぱりシーフードです。なんたってビーチリゾートなのですから。
まあさすがに朝食や昼飯は簡単なもので済ませてしまいますが、日が暮れ始めるとビーチサイドのレストランはにわかに活気を帯び、客引きのあんちゃんに店の前に並べられたいろいろな魚を見せられてしまうと、もうその誘惑から逃れることはできないのであります。もっともその状況はコーチンでも同じようなものではあったのですが、あちらは主に漁船が獲って来た魚であるのに対し、こちらは本当に目の前の海に引き上げられた魚であるという違いがあります。
そう、ここはビーチリゾートでありながら、その浜辺では毎朝せっせと地引網漁がおこなわれているのです。地引網漁は船が沖合で網を投下し、その両端に付けられた長いロープを浜辺でエイホエイホと引っ張るという漁です。さらにここでは網が浜辺に近づいて来たところで、数人の男たちが海に入って一列になり、沖に向かって奇声(と言ったら失礼かもしれないけど、なんせ言葉がわからないのでそうとしか表現できません)を挙げながら両手でバンバン水面を打ち、魚を網の方に追いやっていました。まあ山の猟での勢子みたいな役割なのです。実際にはかなりの時間をかけてではありますが、とにかくこうして網が浜に引き上げられ、いよいよこれから釣果(?)の発表です。この日はイワシのような魚がたくさん獲れていました。
すかさず何人かの漁師が網の中に入って行き、素早い手つきで魚を箱に入れていきます。はたで見ているとちょっと楽しそうに見えるこの作業ですが、元気よく跳ねる魚がまき散らす大量の鱗で、全身銀色になりながらの大変なものなのです。しかも銀鱗マンたちは単に魚をすくい取っているだけではなく、ちゃんと種類別に仕分けまでしていたのであります。すぎょいですねえ~獲物の多くは小さめの魚ですが、中にはこんな大物も混ざっていたりします。
でもさすがにこれくらいの大物は珍しいらしく、こいつが網の中から姿を見せた時には、漁師たちから一斉に歓声が上がっておりました。とまあ、このような光景が毎朝リゾート客の目の前で繰り広げられるわけでして、これを見たらシーフードを食べたくなるのは当然なのです。
なので今夜もまた、素晴らしい恵みを与えたもうた海に感謝をしつつ、ビール、いや、ポップジュースのマグカップを傾けるのであります。かんぱ~い!
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