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南インドの休日:その25 / トリヴァンドラム空港からデリーへ

         
  • 公開日:2015年10月30日
  • 最終更新日:2022年6月7日

今回の南インドの旅はコヴァラム・ビーチが最終目的地であり、ここに三泊も滞在したのでありますが、その間の面白いエピソードのようなものはほとんどありません。
なんたってリゾート滞在なのです。通常のインドの旅のようにしょっちゅうトラブルに見舞われていてはのんびりできません。
そのため今回は奮発していつもは泊まらないような高いホテル(と言っても一泊一万円くらいだけど)に泊まったのです。
そう、インドで起こるトラブルのいくつかは、お金で簡単に防げたりするのであります。

ということで、いよいよデリーに戻る日が来ました。
帰りはトリヴァンドラム空港から飛行機に乗るのですが、空港までのタクシーはホテルで事前に頼んでおきました。南インド、トリヴァンドラムからデリーへのフライトコヴァラム・ビーチから空港までは15Km程度の道のりで、タクシー代は750ルピー(約1500円)でした。
タクシーは8時半の約束でしたが、ちゃんと早めに来て待っていてくれたので、チェックアウトを済ませるとすぐに出発しました。

さすがのゆったりした南インドでも、朝の通勤通学時間は道行く車も結構せかせかしています。南インド、トリヴァンドラムからデリーへのフライトそんなぷち混雑をすり抜け、タクシーは30分足らずで空港に到着したのですが、チェックインは9時からとのことなので15分ほど待つことになりました。

でもそれでいいのです。

実は帰りの飛行機は直行便ではなくムンバイ経由なのです。
まあ単なる経由便で乗り換えなどはないのですが、当然ムンバイでの乗降客のための待ち時間もあるため、来た時より機内に長時間拘束されることになるわけです。
それは閉所恐怖症の毛のある私としては、いささかつらいことなのです。
なので今回はぜひとも足元の広い席を確保したい。来るときにはあちらからのせっかくのご提案をむげに断ってしまいましたが、今回はこちらから頭を下げてでも広い席が欲しいのです。

ということでめでたく一番乗りでのチェックイン手続きと相成ったのですが、荷物の重量のことで少々もめてしまったため、隣のカウンターでの手続きの方がどんどん進んで行ってしまい気が気ではありませんでした。南インド、トリヴァンドラムからデリーへのフライトそれでもまだなんとか広い席が空いていて、プラス600ルピー(約1200円)で快適さを買うことができました。

今回利用するフライトは来た時と同じインディゴ航空の6E-176便というやつで、料金は4500ルピー(約9000円)でした。ちなみに11:00発でデリー到着は16:10の予定です。
そこに快適代600ルピーが加わったので5100ルピーとなるのですが、5時間分の快適さと思えば安いものです。なにしろ一時間当たり120ルピー(約240円)なのですから。南インド、トリヴァンドラムからデリーへのフライト下の写真がその一時間120ルピーの快適空間です。
これは非常口のところにある席ゆえのことなので、数に限りがあるので早い者勝ちなのです。
しかも今回も機内は満席なので、このスペースは値千金なのであります。南インド、トリヴァンドラムからデリーへのフライトなお、この裸足の足は隣のインド人のものであり私のではありません。
でも私もサンダル履きで搭乗しており、すでにそのサンダルは前の座席の下に突っ込んであるので私も裸足です。
いくら国内線といっても飛行機なのだから、おっさん二人が仲良く裸足で並んでいるというのはちょっと変かもしれませんが、先ほど搭乗口近くでベンチに座っていたら、数人の裸足の男たちが目の前を通り過ぎて行きました。彼らはおよそパイロットや空港係員には見えなかったので、おそらく搭乗客だと思われます。裸足のまま空港に来て、そして飛行機に乗ってしまうなど、さすが南インドといった感じですが、とにかく私や隣のインド人はここまでサンダルを履いて来ているだけマシなのです。
ちなみにムンバイで隣のインド人と入れ替わりに乗り込んで来たビジネスマン風の若い男(いやもうホントに絵に描いたような、笑っちゃうくらいのエリートビジネスマン風で、席に着くやいなやどこぞに電話をかけ、それが済むとおもむろにパソコンを広げてなにやら確認し、さらには新聞をバサバサ広げて読み出したりと、あーあんたはすごく仕事のできる人なのねえ、なのでした)は、機内の異様な雰囲気を敏感に嗅ぎ取り、私に「この飛行機はどこから来たのか?」と聞いて来ました。私が「トリヴァンドラムからだ」と答えると、妙に納得した顔になり、それ以降私には何も話しかけて来ないのでした。

ちょっと話が先に飛んでしまったけど、元に戻します。

離陸はほぼ定刻でした。
つまり午前11時頃ということで少々小腹が空いてきました。
往きは前の座席の背もたれが自分の額にくっつきそうな(気がする)くらい狭い席だったので何も食べる気がしなかったのですが、今回はスペースも心もゆったりしているので、機内販売のカップヌードルを注文することにしました。

メニューにはノンベジもあったのですが、売り切れとのことでベジタリアンになりました。しかしそんな短時間で売り切れたとも思えず、たぶん初めから一種類しか置いていないのでしょう。
値段は200ルピー(約400円)とカップ麺にしては高いですが、きれいなフライトアテンダントのおねえさんんがお湯を入れてくれるので仕方ないのかもしれません。南インド、トリヴァンドラムからデリーへのフライトカップヌードルは本当に日清のカップヌードルでした。
容器にはサッカー選手らしき人たちが印刷されていて、その中には日本人みたいな人もいましたが、私はサッカーをよく(というかぜんぜん)知らないので誰だかわかりません。

ベジタリアン料理と聞くと、日本人はつい優しい味を想像すると思いますが、インドをなめてはいけません。
辛い物好きの私が、すっげーかっれー!と思うほどの味でした。南インド、トリヴァンドラムからデリーへのフライト二時間ほどでムンバイの街が見えて来ました。
この日は11月26日だったのですが、期せずして2008年のムンバイ同時多発テロの起こった日でありました。(朝のニュースでやっていてそれと知ったのです)

上空からではありますが、犠牲となられた方々にしばしの黙とうを捧げました。南インド、トリヴァンドラムからデリーへのフライトムンバイでは結構な人数が降りて行き、また同数の人が乗って来ました。先述の絵に描いたようなエリートビジネスマン風もここから乗って来たのですが、つまりここから先もまた機内は満席状態なのです。
よくまあこの広い席が確保できたものだと、あらためて胸をなでおろしました。南インド、トリヴァンドラムからデリーへのフライトさて、ムンバイでは大勢の客の乗降と機内の清掃でだいぶ時間がかかるわけですが、その間トイレを使わせてくれないのには閉口しました。
なにしろ飛んでる間は通路側の人(あの裸足のおっさん)に遠慮してトイレには行けなかったのです。なのであの辛いラーメンを食べるときだって、ちょびっとしか水を飲まないようにするという努力までしていたのです。

それでも生理現象はやって来ます。 人間だもの!

もちろんそういう状況の人は私だけではなく、とっかえひっかえ誰かがトイレに突き進んで行ってはフライトアテンダントに跳ね返されています。

しかしそんな中、ひとりのおばさんがフライトアテンダントのねえちゃんに執拗に食い下がり、ついには無理やりトイレのドアを開けて中に入り込んだではありませんか。
これはチャンスです。一人がやってしまえばあとは二人やろうが五人やろうが同じようなものです。
私はすかさずトイレに突き進んで行き、ドアの前に仁王立ちしました。もうフライトアテンダントの静止なんか無視なのです。また普段なら女性が入ってるトイレのすぐ前に立ちはだかるなどという失礼なことは決してしないのですが、今回だけは勘弁なのです。その代り私は、音など何も聞こえなければ、匂いだって何も感じないと宣言いたします。

やがておばさんがトイレから出て来ました。
そして私はフライトアテンダントが割り込めないよう体でブロックしながらおばさんとすれ違い、めでたくトイレに入ることができたのであります。

トイレから出るとそこには多くの人たちが列を成していました。
事ここに至り、ついにフライトアテンダントは静止をあきらめ、トイレは完全に民衆に解放されたのでした。

最初に先便、いや、先鞭を切ったおばさん、あなたはわれわれのジャンヌ・ダルクだ。季節はずれのミストレルだ。 国民万歳!

とまあこうして一人も怒りや膀胱を爆発させることなくトイレ問題は無事解決し、その後順調にフライトを続けたインディゴ航空6E-176便は、ほぼ定刻にデリー空港に到着したのでした。南インド、トリヴァンドラムからデリーへのフライトこのあとまだ宿までの移動があるのですが、特にここに書くようなトラブルは何も起こらなかったので、これにて「南インドの休日」はおしまいなのであります。

長々とお付き合い頂き誠にありがとうございました。

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