2001/05/19 輪になって踊ろう! デリー
今日はいよいよ列車で移動する日である。
荷物をまとめなければならない。
ところで私は毎日洗濯をしている。
パンツもシャツも3枚ずつしか無いからしかたがない。だからシャワーを浴びたあとに全部洗ってしまう。
デリーは乾燥しているのでたいていは一晩で乾く。だから靴下なんかは一足でいいくらいだ。
しかしそのデリーもこの2、3日は雨が降ったりしてちょっと湿っぽい。
悪い予感が的中し、今朝Tシャツを見たら乾いていないではないか。
これではバッグにしまえない、半乾きのまましまうとお膳布きんみたいな匂いになってしまう。
なにか早く乾かす妙案はないかとベッドに横になり天井を見つめていると・・・・・・あった!
インドのホテルなどではたいてい天井に扇風機がついている。
天井ファンというもので、日本でも大きな電気屋さんなどに行けば照明と一体になったものが売られている。
まあ天井にプロペラがついているようなものだ。
私の部屋にも3枚羽根のファンが付いている。
この羽根に洗濯物をさげて回せば、きっと早く乾くに違いないと思った私は早速実行してみることにした。
なにしろ私はやってみなければ理解できない人なのだ。頭で考えるのがちょっと苦手なのだ、ちょっとだけね。
ファンは天井から細いパイプで50センチくらい垂れ下がっており、中心にモーターとそこから三方に羽根が延びている。
私はTシャツをハンガーに掛けたまま羽根の根元部分に引っかけた。
そして壁のスイッチをONにするとそれはゆるゆると回り始めた。
しかし見ているとTシャツのある羽根だけ重くなり、回転が歪んでわっさわっさと揺れだした。
このままでは細い吊下げパイプが外れ、天井からファンが私に向かって落ちてきてしまう。
人気スターがファンに殺到されるのとはわけが違うのだ。
そこで私はいったんスイッチを切り、別のTシャツを2枚取り出すと残りの羽根に引っかけた。
ふたたびスイッチON!
わははは、科学の勝利!
重さが均等になったファンは洗濯物がかかっているとは気づかずに回り始めた。
それはTシャツたちが手をつなぎ仲良く輪になって踊っているようであった。
あーあ、あーあ、輪になって踊ろー
私はその光景を眺めながら世界平和について考えたりしたのである。