2001/05/20 ことわざの証明 デリー
ものを知らないという事は悲しいことである。
誤った情報を信じ、そう思い込んでしまうのも悲しいことである。
ある国に対しての認識にもそれは言えることであろう。
日本などに関しても、日本をよく知らない外人などは未だに日本人はちょん髷を結って刀を持っていると信じているであろう。
芸者なんかも沢山いると思っているであろうし、富士山やスキヤキが本当にあると信じている・・・・・・あるのか・・・スキヤキは・・・スキヤキ・・・スキヤ・・・
まあ、いい!そのくらいにしておこう。
われわれ日本人だって人のことは言えないのだから。
いったいインドの事をどれだけ正確に知っているというのであろうか?
人にインドに行くと言えば「カレーを食べるんでしょ」とか「牛のうんこを踏んじゃうよ」とか、中には「レインボーマンになるのか?」と聞いてくる人までいるくらいだ。
私はこのつたない文章で、少しでもインドの実態とか庶民の声といったものを広く日本国民、特にこのサイトを訪れる暇人に伝えたいのである。
第二のガンジーと呼んでいただいて結構だ。御布施はいくらでもいい。
お盆とお彼岸にはぼた餅と・・・ぼたもち・・・ぼた・もち・・ぼ・・・た・・・
と、とにかく日本人のインド観を正すということを今回の訪印の大事な目的のひとつにしているのだ。
さてその誤った認識の中から、昔から日本に伝わる「インド人もびっくり!」と言うことわざの立証をしたいと思う。
本当にインド人はびっくりするのか?そうなのか?え!どうなんだ!こら!
車の間隙を縫ってインド人が道を渡る時、前後をクラクションを鳴らした車が猛スピードで通り過ぎる。
でもインド人はびっくりしない。
インドではとにかく人々が達観してるというか、半分人生をあきらめているというか、とにかく何事も「ノー、プロブレム」と言ってのけるお国柄なのだ。
このような事から、今までわれわれが信じて疑わなかった「インド人もびっくり!」というのは、ことわざだけのものだった、と報告しようとした矢先のことじゃった。(ここだけ日本むかし話みたいに読む)
それは今日スーパーバザールという庶民のスーパーマーケットで目撃した。
インド女性はたいていの人が薄い生地の長いスカーフを首に巻いている。
まあ、巻くと言ってもふわっと肩に掛けるといった感じなのだが。
ある小さいお店で太目のおばさんが、このスカーフを大きな扇風機に持って行かれたのだ。
あっという間の出来事で、おばさんの首から瞬時にスカーフが消えたのを見たときはインド魔術団かと思ったくらいだった。
この時のおばさんの驚き様ったらなかった。
「うわぁー!」とか叫んだのだ。
周りのインド人も大勢集まって来てちょっとした騒動だったのである。
さいわい軽く首に巻いていただけだったので、おばさんは無傷。
スカーフを拾い上げて損傷を確認してから、何事もなかったようにまた首に巻いた。
しかしこの出来事から「インド人もびっくり!」ということわざは立証された。この言葉は今後もどんどん使って構わないであろう。
これからも庶民の目の高さまで自分を落とし、このような心温まるレポートを送って行きたいと思う。
そうそう、今日は10日間滞在したホテルをチェックアウトしたのだが、その時初めてそのホテルが「スターパレス」ではなく「スターパラダイス」であったことが判明した。
道理で宮殿というわりには粗末なわけだ。
まったくインド人にはしょっちゅうびっくりさせられるのである。