インドでの宗教と言えば、やはりヒンドゥー教を一番に思い出されるのではないでしょうか。
ヒンドゥー教徒はインドの人口の実に80%以上を占めるということなので、やはり目立ちます。
これを解りやすく日本でたとえて言いますと、日本人の血液型の約20%がB型ということなので、B型以外の全日本人は全部ヒンドゥー教徒といった感じでしょうか。
あっ、だからといって私は決してB型の人を差別したわけではありません。それどころか、むしろインド人の気質は自分勝手なB型気質だと思っているくらいなのです。
まったく自己中心的でいい気なもんだ!じゃないですかあ~。いやあ、実にうらやましい。
さて、ヒンドゥー教に次いで多いのはイスラム教徒で、人口の約12%とのことです。
イスラム教の人たちは、1947年の独立の時にパキスタンを建国し、そちらに多く住んでおりますのでこのような人口比率なのですが、歴史的にも大きな足跡をインド各地に残しており、「○○バード」と言う名前の街などはイスラム教徒が作った街なのです。
よくこういう話になると「じゃあ、サンダーバードもイスラム教徒が作ったのかよ?」とくだらないことを言う人がいますが、知性を疑われますので充分気を付けたいものです。
このように人口比率ではヒンドゥー教とイスラム教で大部分を占めているのですが、実は人口比率を無視して目立っている人たちがいるのです。
それは・・・「シーク教徒」です。
シーク教はイスラム教の影響を受けてヒンドゥー教を改革した宗教で、人口比率では約2%です。
シーク教徒の外見的な特徴は、髪や髭を伸ばしていることと、頭にターバンを巻いていることです。
私たち日本人がインド人のイメージとして持っているもののひとつに、この「ターバンを頭に巻いている」というのがありますが、それは人口比率2%のシーク教徒の人たちだったのです。
この話を聞くと「うわぁ~、それはインド人もビックリだね!」などとおどけて笑わそうとする人(特に中年男性)がいますが、そんなのちっともおもしろくありません。やめましょう。
それではシーク教徒の人たちはどんな風に目立っているのでしょうか。
インドでもっとも多いヒンドゥー教徒が、いわゆる「カースト制度」(*実際は「ジャーティー」や「ヴァルナ」などというものがあってとても複雑なのですが、難しい話をするのは私の役目ではないので簡単に行きます)で身分や職業を決められてしまうのに対して、シーク教徒はその様な規定がなく自由に職業を選択できます。
そのため、機械を扱うエンジニアや車のドライバー、実業家なども多く、インド経済界で目立っているのです。
また、ヒンドゥー教やイスラム教のように食事のタブーも少なく、特に肉を食べるせいか体格も大きな人が多く、外見上威圧的で実際にも押しが強く、その点でも目立っています。
私も何人かのシーク教徒の商人と取引をしておりますが、もう商談の初めから完全に相手のペースで困ります。
私が何か言おうとしても大きな目玉で睨むのです。
それでは次回はそんなシークの人たちの活躍を、実例をまじえてお話し致します。