旅の持ち物シリーズ・その29:タブレット端末、スマートフォン

時代の移り変わりによって、また技術や社会システムの進歩によって旅の持ち物は変わると思うが、小型の情報端末の登場は単に変化というより革命をもたらしたと言っても過言ではない。

タブレット端末

小型情報端末は旅のスタイルを大きく変える。

今までこのコーナーで28種類の「旅の持ち物」を紹介して来たが、そのうちの10種類もの「旅の持ち物」がこの情報端末でまかなえてしまえるようになった。

以下にその10種類を並べてみる。

◎ガイドブック
◎電子辞書
◎電卓
◎寒暖計
◎腕時計(標高計付)
◎方位磁石
◎音楽プレーヤー
◎カメラ
◎メモ帳
◎懐中電灯

最後の「懐中電灯」は実用にはちょっと無理があるかもしれないが、できないことはないだろう。
とにかく情報端末はこれだけのものをカバーできるほどの機能を持っている。さらに海外でも使えるスマホであれば、電話の機能はもちろんのこと、いつでもどこからでも各種チケットやホテルの予約ができてしまう。
また外国語の翻訳機能は会話だけでなく、カメラで撮影することで看板の文字まで翻訳してくれる。もう語学の勉強なんか必要ない。

しかしそれも情報端末がちゃんと機能していればのことである。
あまり機械を頼りにし過ぎると、ひとたび電池切れや故障などで動かなくなると一大事である。実際私のジャスト6,000円也!のタブレットは旅の半ばで突然沈黙した。

また何でも手のひらの上の画面で解決できてしまうと、その分周りの人との接点が少なくなるということもある。
たとえば見知らぬ異国の街で方角をすっかり見失ってしまったとき、宿の空き部屋を求めて手当たり次第に歩き回っているとき、次の街への移動手段がわからず右往左往しているときなど、普段の生活ではあまり味わうことのない無力感と不安感とで、恥も外聞もなく周りの人に助けを求めることになる。そしてそれがまた妙に気持ちが良かったりするのである。おそらく大人になるにつれ忘れてしまった「素直な気持ち」に立ち返ることができるからなのだろうと思う。

別に便利な道具を否定する気持ちはない。なにしろ私は子供の頃から算盤もできなければ字も下手だったため(今もだけどね)、電卓やワープロの出現には大喜びした口である。
でもせっかく旅に出て日常とは違う環境に身を置くのなら、少しは不便や不安な思いをして、人のありがたみを感じるのもいいんじゃないかとも思うのである。

インドのおもちゃ