ここでは先住民族の人々が大切にしている木をご紹介致します。
アディヴァシー(先住民族)の人たちの創る作品のモチーフとして、「トゥリー・オブ・ライフ」や「カルマの木」と呼ばれるものがあります。
そうした作品の多くは、木だけでなく、木に登る人や、木の下で歌い踊る人などが一緒に描かれています。
実はそれらはすべて祭りの情景を描いたものなのですが、その中心となる木は、彼らの生活になくてはならない「マウワ」という木なのです。
これがそのマウワの木です。
これはテラコッタの工房にあったものですが、こんな風に村のあちこちに生え、人々にさまざまな恵みをもたらしているのです。
たとえば、マウワの木の実からは油が採れます。
そして花は食用にされ、さらにお酒にもなるのです。
これはマウワの花を乾燥させたもので、ハート(市場)で売られていました。
またハートにはこんなものも売られていました。
これはお酒を蒸留するための道具だということで、なるほど中は二階層になっていて、水蒸気となったものが天井(おそらく水を入れたカメだと思います)に当たって再液体化して、この上のお皿に落ちるという仕組みなのでしょう。
お酒の詳しい製法は私にはわかりませんが、とにかくアディヴァシーの家庭では盛んにお酒が造られ、自分たちで飲むのはもちろんのこと、ハートに持ち込んで売ったりもするのです。
そんなマウワの恵みのおすそ分けを私も頂き、偉大なるマウワの木に感謝を捧げたのでありました。