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2010年インドの旅・実録編:第86回 マハーバリプラム

         
  • 公開日:2013年1月30日
  • 最終更新日:2022年6月10日
〔当時のメモより〕
*金額に関しては当時1ルピーが約2円だったので、ただ単に2倍にすれば円価になります。

2010年4月28日(水) マハーバリプラム 晴 33℃くらい

午後になっても主人は帰って来ず、かなり不安になる。
主人一家が帰って来たのは4時だった。バスが無かったとのこと。

もう腹が減って腹が減って仕方なく、5時半ようやくルーフトップへ。
まずはビール。
またエビのプレートを頼んだが、いつもより時間がかかっているように思える。
ひとしきり貪り食い、スペシャルスープを注文。
突然ドーン!という音、続いてパーン!とはじける音がして振り向けば花火だった。
しかしその花火は夏祭りなどののどかな花火ではなく、政治集会用のものだった。

夕食の後、満月に誘われて外に出てみる。
海に映る月の光がとてもきれい。

ところがメインストリートに出てみると、何千何万という人の群。胸のバッジや頭に巻かれたバンダナから、政治集会の人の列と知る。
かなりビクビクしながら帰る。

部屋でビールをもう一本飲む。
まだ外ではアジ演説と人々のざわめきが聞こえる。

10時半、まだ外はざわついている。
その熱気が気温を押し上げているように思え、今夜は寝苦しい。

【以下の解説は2013年1月30日のものです】

〔以下メモに解説を加えて〕

2010年4月28日(水) マハーバリプラム 晴 33℃くらい

午後になっても主人は帰って来ず、かなり不安になる。 主人一家が帰って来たのは4時だった。バスが無かったとのこと。

あまりの帰宅の遅さに「もしや事故にでも遭ったのでは・・・」という不吉な予感が頭をよぎった。なにしろインドではバスやトラックが横転している光景をよく見る(日本に比べたらということだが)のである。 元気な家族の顔を見たら心の底から安心したが、あちらはこちらの心配など別になんとも思っていないのである。まったく親の心、いや、客の心主人知らずである。

もう腹が減って腹が減って仕方なく、5時半ようやくルーフトップへ。 まずはビール。 またエビのプレートを頼んだが、いつもより時間がかかっているように思える。

このくらいワンパターンだと特技と言ってもいいのではないだろうか。朝はトマトのトースト、昼はヌードルスープ、そして夜はエビのプレートなのだ。
インドのエビ

ひとしきり貪り食い、スペシャルスープを注文。

そして今日は昼飯抜きだったので、夜にパピヨンスペシャルスープも食っちゃうのである。

突然ドーン!という音、続いてパーン!とはじける音がして振り向けば花火だった。 しかしその花火は夏祭りなどののどかな花火ではなく、政治集会用のものだった。

インドで爆発音を聞くとつい「テロか!」と思ってしまう。なかなかの危機管理なのだ。 昼間ビーチでたくさんの警官や特設会場を見ていたが、夕方このルーフトップからあらためてその方向を眺めたら、おびただしい数の人が出ていて驚いた。どうやら花火は政治集会の開会を告げるもののようである。 あの花火の意味が何であれ、夜空に咲く大輪の花はやはりきれいで見ていてわくわくする。近所の子どもも花火が上がるたびに歓声を上げ、それを聞いて私もなんだか嬉しくなり、思わず「イェー!」などと叫んでしまった。
インドの花火

夕食の後、満月に誘われて外に出てみる。 海に映る月の光がとてもきれい。

実際にはいつが満月の日か知らないのだが、昼間お祭りの神輿を見たし、今夜政治集会を開くとあれば、それは満月の夜だからに他ならないであろう。 普段は暗くなってからの外出は極力控える私も、今夜はふらふらと外出してみた。
インド・マハーバリプラムの月夜の海

ところがメインストリートに出てみると、何千何万という人の群。胸のバッジや頭に巻かれたバンダナから、政治集会の人の列と知る。 かなりビクビクしながら帰る。

昼間でも閑散としているメインストリートに、信じられないくらい沢山の人が出ていた。おそらく集会を終え町に繰り出して来た人の群れなのであろう。こういう時はなるべく刺激をしないようにそおっと通り過ぎるに限る。なにしろ彼らは今かなり気持ちを高揚させているはずなのだ。そして群集心理によって、ちょっとしたきっかけで暴徒化しないとも限らないのである。なので私は彼らと目も合わせず、あまり人気のないバターボール方面へと去っていったのであった。なかなかの危機管理・・・っつーか、やはり夜はなるべく外出を控えるべきなのである。
インド・マハーバリプラムの夜

部屋でビールをもう一本飲む。 まだ外ではアジ演説と人々のざわめきが聞こえる。

夜の町を一回りして無事に宿に帰り着き正直ホッとした。すっかり冷めてしまった酔い心地を取り戻すため、再びビールを飲んだ。私にはアジ演説よりアルコールの方が心に効くのである。

10時半、まだ外はざわついている。 その熱気が気温を押し上げているように思え、今夜は寝苦しい。

この小さな町にあれだけの人が集まっているのである。冗談などではなく本当に気温は上がっているはずである。決して飲み過ぎたのではない。
インド・マハーバリプラムの夜

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