かつて東西交易の拠点として栄えたジャイサルメールには、ハーヴェリーと呼ばれる豪邸が今もたくさん残っており、それもこの街の観光の目玉になっています。
ということで、そんなハーヴェリーのひとつ「サリーム・シン・キ・ハーヴェリー」にやって来ました。入館料の20ルピー(約40円)に加えてカメラ持ち込み料の20ルピーを払い中に入ると、そこにはガイドのおっさんが待ち構えていました。
「ガイド料はいくらだ?」と聞くと「それはあなたの気持ち次第だ」と、インドではありがちな答えでしたが、じゃあとにかく案内してもらおうじゃないのと、おっさんの後に続いて薄暗い階段を上り始めました。
階段を上りながらおっさんは、「ハーヴェリーは『風』と『光』の複合語だ」とか、「床と天井の間には1フィートの隙間があり、それは温度調節や防音、床石の重みが下の木の天井にかかるのを防ぐ役割をしている」などと、なかなかためになることを説明してくれます。
よし!おっさんポイントアップ!
と、そんな説明を聴きながらなおも薄暗い階段を上っておりましたら、私は突然階段の段差につまづいて危うく転びそうになってしまいました。
するとおっさんは、「この屋敷では敵の侵入を阻止するための仕掛けとして、わざと階段の段差を違えてある」などと説明するのです。
おいおいおいおいおい! そういうことは階段を上り始める前に言えよな! ポイントダウン!
さすがに風と光の複合語というだけのことはあり、ハーヴェリーにはきれいに装飾された大きな窓がたくさんあります。そしてこのハーヴェリーの屋上には、そんな装飾窓の集合体みたいな展望台があるのです。惜しむらくは手入れがよくなく、ところどころ装飾パーツの取れてしまっているところがありましたが、これはなかなかの絶景でした。
ガイドのおっさんの説明によると、窓のひさしなどに付いている装飾パーツは取り外し可能な作りになっているとのことで、仕組みとしてはスクリュー式とバヨネット式(カメラの交換レンズと同じような仕組み)の二種類が採用されているとのことでした。ふんふん、なるほど、この形状じゃ一つの石から削り出すより、その方法の方が賢明だろうね。
だとしたら、取れてなくなってしまったパーツの復元もそれほど難しいことではないと思うので、ぜひともがんばって修復してもらいたいものだと思う次第なのであります。
ちなみにおっさんの案内はなかなかよかったので、ガイド料として50ルピー(約100円)あげました。
えっ、少なかった?
*情報はすべて2010年3月時点のものです。