インドのホテルも千差万別、種々雑多、ピンからキリ、月とスッポン・・・これはちょっと違うか・・・まあ、とにかく色々あるわけです。
そのグレードの違いは滞在中の「快適性」として如実に表れて来るわけですが、安めのホテルの場合は、そんな抽象的な精神面での満足度より、まず必要最低限のものを確保するということから始まります。
それではその「必要最低限なもの」とはなんぞや?と申しますと、それはその人の旅のスタイルによって変わって参ります。中には「横になって寝るだけのスペース」と答える人もいるでしょう。なのでここはあくまでも私の話になるわけですが、私の場合は個室が基本で、そこに「トイレ」「お湯の出るシャワー」「エアコン」が三種の神器となります。
で、今回はその中の「お湯の出るシャワー」のお話しなのですが、まずはこの写真をご覧下さい。
これはバンガロールで泊まったホテルのバスルームです。コンクリートで作られたバスルームはがら~んとしていて、蛇口がふたつ壁から突き出ているだけです。シャワーもありません。
でもかつてはシャワーもあったようで、コンクリート壁の上の方に、ちょっと丸く色の濃くなった箇所があります。それが「シャワー跡」なのです、たぶん。
まあ考えてみたらシャワーがかつてあったかどうかなどどうでもいいのです。どうせ今はないのですから。大事な問題は残された蛇口から、ちゃんとお湯が出るかどうかということなのです。お湯さえ出れば、備え付けのバケツに溜めれば済むことなのです。むしろ日本人にはシャワーより、バケツでの行水スタイルの方が合っているかもしれません。ええ、そうですとも、日本人は行水なのです。あー、シャワーなんてなくてよかったなあ!
さっそく私は蛇口をひねってみました。
すると、
蛇口からはちゃんと水が出て来ました。
まだお湯にはなっていませんが、じょぼじょぼと出ています。
あっ・・・
なんか黒っぽいものが混ざっています。
そいつはバケツに溜められた水の中を、ぐるぐる漂っています。
あー、枯葉だ・・・
なんとその蛇口からは、枯葉の残骸が水と一緒に出て来るのです。
たぶん水を溜めておくタンクの底にでも溜まっていたのでしょう。
しかしまあ、よくパイプが詰まらないものですねえ。インドの技術もたいしたもんです。
そんな枯葉もやがて在庫が尽きたのか出なくなり、それを待っていたかのように熱いお湯も出て来るようになりました。
あー、ありがたいありがたい。
こうして私はようやくバケツにお湯を溜めることができ、行水スタイルで一日の汗とホコリを流したのでありました。めでたしめでたし。
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