〔当時のメモより〕 *金額に関しては当時Rs.1が約2.7円、3倍にして1割引けば簡単に計算できます。 7/3(火) ハイダラバード 晴 気温32℃ 7時起床。熱いお湯が出たので風呂に入る。 10:00出発。チャールミナール方向へ歩いて行く。 チャールミナール周辺の市場を見て回り、12:34 バスでセクンダラバードへ移動する。 13:20 セクンダラバードの駅(終点)でバスを降り、フセイン湖畔まで店を見ながら1時間半程かけて歩く。 角のトウモロコシ屋でトウモロコシ(Rs.5)を買い、座って食べる。(20分くらい) バス停から「8A」に乗るが、このバスはハイダラバード駅は通らないのでGPOで降りろと言われた。 GPOで降り、リムカ(Rs.11)を飲み、水とチョコ(Rs.35)を買い Hotel へ 夜、熱い湯が出たのでシャワーを浴び直す。 |
【以下の解説は2010年1月24日のものです】
昨日チャールミナールまで1時間も歩き、疲れ果ててしまったというのに、今日もまた懲りもせず歩いて行きました。
しかも今日はメインロードをそのまま歩くのではなく、わき道に入ってみたりという上級者コースです。お陰で川向こうのバスターミナルに迷い込んでしまい、また元来た道を引き返すはめになるなど、昨日より確実に距離と時間が延びてしまいました。
それでも今日はチャールミナール周辺をゆっくり見ることができました。チャールミナールの周りはたくさんの小さな商店が建ち並んでいるのですが、中には作業所または工房のようなところもあり、ふと通りかかったところでは、みんなしてハンマーでゴム板のようなものをひたすらピタピタ叩いていたりして、なんだかとても気になりました。でも、ハンマーをふるう職人さんたちの目がちょっと怖かったので、チラ見だけで通り過ぎてしまいました。
チャールミナールはバスの始発地点となっていて、早めに乗り込めば確実に座れますので、今回はホテルを通り越して、セクンダラバードの駅まで行ってみることにしました。
行先を確認しバスに乗り込み、なるべく見晴らしのいい前の方の席に陣取り、今か今かと出発を待っておりましたら、なんと若い女性が私の肩を叩き、なにやら話し掛けて来るではありませんか。
おおっ、これは噂に聞く「逆ナン」というやつじゃないか。インド女性もなかなか積極的なのです。
と思ったら、よくよく聞いてみたらそのおねえさん、「ここは女性専用の席だからどいて」と言っていたのであります。
私はそんなルールがあるなんてちっとも知りませんでしたが、確かにそう言われりゃ前の方は女性ばかりが座っています。
仕方なく眺めのいい席をその女性に譲り、私は男ばかりが座っている後部へと移動し、こうなりゃ一番女性席から遠いところへ座ってやるぞ!と、勝手にちょっと力みながら、一番後ろの左窓側にどさりと座り込んだのでありました。
とまあ、少し投げやりっぽく座ったように見えますが、実は左の窓側というのは、日本と同じ左側通行のインドでは景色を楽しむのに良いのです。しかも地図で見たところ、おそらくセクンダラバードに入る手前で、左手にフセイン湖が見えるはずなのです。これは絶対左側に座るしかないでしょう。
はたしてバスはハイダラバードの街を抜けると、左手にフセイン湖を見ながら走り、やがてセクンダラバードの駅に到着しました。これで料金は6ルピーでした。
セクンダラバードは新しそうな街で、きれいな造りの大規模店舗やショッピングアーケードなどがたくさんありましたが、どれもあまり見て面白そうなところではなく、通りをぶらぶら歩いてフセイン湖のほとりまで戻って来てしまいました。
私は帰りのバスも、始発の停留所であるセクンダラバード駅前から行先を確認して乗ろうと思っていたのですが、ここまで来てしまうとまた駅まで戻るのが億劫になってしまいました。かといって途中の停留所からバスに乗るなど至難の業です。それにはバスの行き先とルートを示す系統ナンバーがわからなければならないのです。
そこで私は誰かに尋ねようと、一旦フセイン湖を背にして通りに入って行き、小さな食堂の入口にいたおっさんに話しかけました。おっさんは親切にバス停の場所と系統ナンバーを教えてくれたあと、私に「日本人か?」と聞きました。私が「そうだ」と答えると、おっさんは「オレは4年間ナゴヤにいたことがあるんだ。タイヨーコーシューハ(仮名)というところで働いていたんだ」と実に懐かしそうに話し出たのであります。
いやあ、私もこんなところで日本にいたという人と出会うとは思いませんでしたが、おそらくそのおっさんも、その店に日本人が来るとは思ってもいなかったでしょうねえ。
教えられたバス停から、教えられた系統のバスに乗り込み、周りの乗客に「ハイダラバード駅に行きたいんだけど」と告げると、みんなして「このバスは駅は通らないから、郵便局前で降りて坂を下って行け」と教えてくれました。
さらに郵便局前に着くと「ここだぞ、ここで降りるんだ」と教えてくれ、私がバスから降りると、今度は窓からみんなが駅の方角を指さして「その通りをまっすぐ行けばいいんだ。いいか、この方向に行くんだぞ」と口々に教えてくれるのでした。
実は私はその辺りは昨日も歩き回っていたので、だいたいの地理的感覚はつかんでおりまして、それに本当は駅ではなくてホテルに帰りたかったため、みなさんの指し示す道じゃない方向へ行きたかったのですが、こんなに親切にしてくれるみなさんの気持ちを無にできず、「こっちですね?」などと聞き返したりしながら坂を下りて行き、振り返ってバスが行ってしまったのを確かめてから、ふたたび坂道を上り直したのでありました。
でも、なかなかいい人ばかりじゃないですかあ、ハイダラバードの人!
つづく
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