〔当時のメモより〕 *金額に関しては当時Rs.1が約2.7円、3倍にして1割引けば簡単に計算できます。 6/15(金) コーチン 雨のち晴 気温29℃ 7:45 起床 外は雨が降り続いている。 フェリーでフォートコーチンへ 青年に本を渡す。 |
【以下の解説は2009年12月16日のものです】
今朝も起きたら外は雨、確かに雨季ではありますが、よくまあ毎日降るものです。
昨日もフォートコーチンからシューマッハのマシンでホテルに帰る途中、橋を渡っているあたりで雨が降り始めました。
屋根はあっても両側がオープンなオートリキシャの構造では、走っているとどうしても雨が吹き込んで来ますので、まったく濡れないということはありません。私もズボンがだいぶ濡れてしまいました。
とまあそんなコーチンの雨も、一日中降り続くということはないようで、この日も雨が小降りになるのを待ってホテルを出ると、ほどなくして雨はあがってしまいました。
今日は青年に本を渡す約束をしているので、再びフェリーでフォートコーチンを目指します。と、フェリー乗り場までやって参りますと、ひとりのじいさんが話しかけて来ました。
「どうだ、あの船に乗ってみないか?」
と言いながらじいさんが指さしているのは、なんとまあ大きなクルーザーだこと。
さらにじいさんは、
「2時間で700ルピーでいい。しかも貸し切りだぞ」
などと言うのです。
えっ、あのクルーザーを700ルピーでチャーターできる?
それは実に安いじゃないですかあ!
しかもMくんと二人で乗れば、ひとり350ルピーで済むってことです。これは下手なツアーに参加するよりいいかもよ。なんという幸運なんだろう。
まっ、Mくんには今夜うまいこと話をすれば、絶対乗ってくるだろうなあ・・・
乗る乗る、乗ります、友人とふたりで明日乗ります!
じいさんは前金で払えと言いますが、明日の天候がもし大雨なんかだったら最悪ですので、さすがにそれは断って、とにかく明日必ずここに来るからと約束し、私はフェリーでフォートコーチンへ向かったのであります。
青年の部屋はドアが開いたままでした。おそらくまだ寝ているのでしょう。
私は入口付近の壁をこぶしでゴンゴン叩き、来訪を告げました。すると天井から吊るされた蚊帳が揺れ、中からまだ寝ぼけ眼の青年が出て来ました。
私は約束の本を渡し、「食事まだなんでしょ?おごるから食べに行こ」と青年を食事に誘いました。
食堂で私は、好きなものを注文するようにと青年に言ったのですが、青年は何でもいいですと、あくまでも謙虚な姿勢を崩しません。そこで私は、得意のガーリックチキンとライスを二人分注文することにしました。
青年は実においしそうに食べていました。こういう食事は久しぶりのようです。よかったよかった。
食事も済み、いよいよこの青年ともお別れです。
お互いの旅の無事と日本での再会を願いつつ、固い握手を交わし、店を出ますと・・・
シューマッハがいた!
つづく
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